マックス・ビアッジ、イギリスに移動
2006年1月18日 ShoppingOn編集部

マックス・ビアッジは、現在イギリスに滞在中である。

ビアッジの関係者が先週話したところによれば、2006年はアルスタースズキチームでキャメルカラーのGSX-R1000に乗る予定にはなっているそうだ。ただし、それを実現する為にはまだ一つ「大きなハードル」を飛び越える必要があるという。

現在、海外メディアがコラムなどで一斉に口を揃えて噂している内容がある。

「日本には暗黙の了解という文化がある。日本のバイクメーカーの権力者であるホンダの首脳陣がマックス・ビアッジを拒否した以上、ヤマハ、スズキ、カワサキの3社の首脳陣も決してビアッジを受け入れる事ない。暗黙の了解事項は、日本では言葉が空気を伝うよりも速く流れるのだ。」

ビアッジはMotoGPを諦めた後すぐキャメルと共に、WSBKの主催者、アルスタースズキ関係者、ドゥカティー関係者との共同会談を行ったらしい。WSBK関係者がビアッジ獲得に大変積極的なのは以前にもお伝えしたが、ドゥカティーの今期の体制はWSBK,AMA,BSBのどれも充実しており、トロイ・ベイリスや今期よりワークス体制で期待されるランジなどのSBKスペシャリストを追い出すのはビアッジにとっても荷が重いという判断がその場ではなされたようだ。

そこでアルスタースズキチームがビアッジの受け入れ準備に動いたのだが、昨年のSBKチャンピオンのトロイ・コーサーおよびチームメイトの加賀山就臣選手の2006年体制はすでに発表されており、浜松(スズキ本社)からの回答は「NO」だったと報道されている。

ここで誰もがビアッジのWSBK入りは絶望的と考えたのだが、その後の報道ではアルスター・スズキチームが別のGSX-R1000を準備中と伝えられ、実際に先週発表されたWSBKの暫定エントリー・リストには別のもう1チームのアルスター・スズキチームが存在し、3台目のエントリーにはフランス人のファビアン・フォーレ、4台目のマシンのライダーは「不明」とされていた。

この4台目がマックス・ビアッジのシートである事は誰が見ても予想がつくのだが、海外メディアが報じる「日本の文化」がマックスの関係者の言う「大きなハードル」なのかどうかは現時点ではわからない。現在行われているフィリップアイランドの合同テストにはチーム・メイトとなるファビアン・フォーレの参加も確認されておらず、どうにも辻褄のあわない事が多いのは事実だ。

最近では「F1のミッドランドチーム(TOYOTA)のテストにビアッジが参加した」という噂から、ビアッジがほのめかしている4輪への転向説はこのF1への移籍だと報じるF1関係者(むしろF1側でのニュース記事に多い)が増えているが、これはSBKスズキチームへの移籍よりも可能性は少ないだろう。ビアッジが本日、英国シルバー・ストーンサーキットでF1ミッドランドチームと合流し、実際にF1でサーキット走行をしているのは紛れもない事実だが、これは昨年末からヨーロッパのバイクニュース関連の記事では普通に報じられていた内容であり、もともと2〜3周回を走る予定になっていた。そもそも、ミッドランドチームの2006年におけるドライバー2名はすでに確定していた筈だが。

ただし、米国のF1関連記事には「テストドライバーとしての期待が持たれている」とも書かれているので、アルスター・スズキ入りの可能性が完全に消えた場合の一つの選択肢として、彼が真剣に考えている可能性も否定はできない。

いずれにしろ、マックス・ビアッジの行方はまったく予想がつかない状態だが、チームミッドランドのスポークスマンによれば、「2006年にSBKに行くのであれば、シルバー・ストーンサーキットを知っておく事は有益だ」とビアッジ本人が発言しているようだ。

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