ロッシは本当にたばこ嫌いか?
2006年1月9日 ShoppingOn編集部

ロッシの「反たばこスポンサー主義」が、年末のゴロワーズ騒動で大きくクローズアップされた。多くの海外のマスコミは、ヤマハの次のスポンサーはロッシの個人スポンサーとして有名な「ナストロ・アズーロ(ビール会社)」か、電信電話会社の「アリーチェ」ではないかと述べていた。しかし、この予想はあっさりと裏切られ、キャメル・ヤマハの誕生が間近であるという噂が世界中で囁かれている。これが本当なら、キャメルはマックス・ビアッジにとって宿敵であるロッシに鞍替えする事になる。

不可解に見えるのはキャメルよりも、むしろロッシだ。

ロッシが嫌いで有名なものと言えば、海外フォーラムのロッシファンから「映画スター気取りのスペイン人」、「イタリア人教祖(ファンに熱狂的信者が多い為)」と呼ばれる2名のライダーと、もう一つは「たばこスポンサー」だった筈である。

この件に関して、海外のメディアが困惑しながらも口を揃えて唱えているのが、「ロッシはF1行きの準備に入った。」という推察だ。皮肉なところでは、「ロッシはマルボロ・スポンサーのフェラーリチームに入る為に、今までのイメージを一掃したいんだ」という冗談めいた意見まである。

カナダが世界で初めてスポーツ業界のスポンサーからたばこブランドを排除して以来、この動きは世界中に波及した。現在ではモーター・スポーツ界に君臨するたばこスポンサーでさえも、自由に自分のブランド名をマシンにペイントする事ができない。(ゴロワーズの「GO!!!!!!!!!」はご愛嬌としても、マルボロの真っ白な無地のスペースは少し検討の余地があるのではないか)

しかしながら、ペイントの規制はできても、モーター・スポーツからたばこスポンサーを完全に排除する事は簡単にはできないようだ。2007年のF1フェラーリのスポンサーにはボーダフォンまたはアリーチェ(Alice)がマルボロに取って代わり、真っ赤なマシンの開発を支援するのではという噂を昨年まではよく耳にした。だがつい最近、マルボロはフェラーリF1のメインスポンサーとして2007年以降も活動する「長期」の契約を交わしたようだ。

ちょうどキャメルヤマハの契約時期と前後する為、「ロッシはF1の為に方向転換をせざるを得なかった」というストーリーは確かに興味深い。もしロッシの2007年以降のシートがヤマハではなくフェラーリであればの話だが。

昨年、本サイトでもフェラーリ社長の意見を掲載したイギリスの記事を紹介した事がある。「ロッシが本気でフェラーリに参加する意志があるのなら、最低2ヶ月間はテストに参加してもらわなければならない。」というコメントだったが、今回見つけた米国のモーター・スポーツ記事はさらに具体的なので紹介したい。

フェラーリ側はまったく秘密にする様子もなく、2006年にバレンティーノ・ロッシがフェラーリのF1テストに参加し、1000周回レベルの走り込みを行うと公言しているらしい。また、この件に関してフェラーリの社長は、「このテストにかかる費用は数百万ドル」とコメントしている。

皇帝ミヒャエル・シューマッハが2006年を最後にF1を引退するという噂がある。前にも書いたが、2007年のフェラーリのコックピットには皇帝の代わりに現マクラーレンのキミ・ライコネンが座るという事があたり前のように囁かれている。この米国記者の妄想によれば「フェラーリはキミ・ライコネンのドライビングテクニックは信頼しているものの、ミヒャエル・シューマッハの人気を引き継ぐという意味において、あのロボコップでは役不足と判断した。そこで、世界的な人気者のロッシ獲得を真剣に考えるようになった。」としている。

いずれにしても、もしロッシがフェラーリに行くのであれば、マルボロスポンサーは避けられないのが事実のようだ。今更2006年のスポンサーになると噂されているキャメルを毛嫌いした所で、無意味な抵抗になるのだろう。

何度も繰り返すが、2007年にロッシがフェラーリからF1に参戦すればの話しである。
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