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参戦枠って何?ホンダだけなぜ台数が多い?
インテリマーク編集部
2005年12月21日

ご存知の通り、2001年まで、ワールドGPの最高峰クラスは2ストローク500ccだった。 2002年にはDORNAの願いが実現し、4ストロクーク990ccマシンが最高峰 クラス(同年は500ccと混在)となり、クラス名もMotoGPに改められ、2003年には 全てのバイクが4ストローク990ccとなった。

MotoGP以降、バイクの排気量の違いも然ることながら、バイクの出走台数にも 何か以前とは違う堅苦しさを感じるようになった方もいるのではないだろうか。 2004年と2005年シーズンの玉田誠の参戦枠獲得にホンダが苦労した事は、まだ 記憶に新しい。今回のビアッジのシート確保に関するドタバタも、この参戦枠に まったく無縁とは言えない。

DORNAは以前、一部のメーカー(ホンダとヤマハとスズキ)しか高い技術を持たない 2ストロークエンジンによるWGPの人気衰退する事を懸念していた。いまや公道を 走るバイクの殆どが4ストロークであり、SBKやBSBのヨーロッパでの人気を見れば 当然の不安である。

そこでMotoGPクラスが誕生したわけだが、DORNAはこのクラスの初年度の参加台数 を心配していた。全てのグリッドが埋まらなければ2002年の初年度はつまらないレース シーズンとなり、人気に影響する。

この対策として、DORNAはMotoGPクラスに、2002年のワークス4チーム(ホンダ、ヤマハ、スズキ、 アプリリア)に、「1チームあたり2台」の4ストロークバイクを参加させるよう依頼した。この時、ホンダ に対しては、2003年にRC211Vを6台参加させる事を条件に、2ストローク マシン2台を追加参加させるように要請している。

こうして、完全なMotoGPクラスとなった2003年の実質的なチーム数は以下の通りと なり、これが現在の参戦枠の基本形である。

■ワークスチーム(計7チーム:14名)

 ・ホンダ レプソル(2名)、テレフォニカモビスター(2名)
 ・ヤマハ ヤマハワークス(2名)
 ・スズキ チームスズキ(2名)
 ・カワサキ フックスカワサキ(2名)
 ・ドゥカティ ドゥカティーワークス(2名)
 ・アプリリア アプリリアワークス(2名)

 注意)テレフォニカモビスター(加藤大治郎選手)の準ワークス枠

■IRTAフランチャイズ=サテライト等(計5チーム:10名)

 ・ホンダポンス(2名)
 ・TECH3ヤマハ(2名)
 ・チームダンティーン(2名)
 ・プロトンKR(2名)
 ・WCM(2名)

IRTAフランチャイズとは、ワークスチーム以外に参戦枠を購入しているチームで、 2007年まで上記の5チームに数は限定されている。
また、純粋なワークスチームはメーカにつき必ず1チーム(2名)。セテ・ジベルナウは 加藤選手からチームを引き継いだ形にはなったが、ホンダに与えられた特権までは引き継げなかった ようにも見える。

現在の状況から言えば、プロトンKRの出走台数が減り、アプリリアの参戦中止等もあり、 玉田選手のグリッド確保に有利に働いた感がある。ただし当時は、ホンダの出走台数が計7台となる 事や、5チームに限定されていたIRTAフランチャイズ規約に違反するものだとしてDORNAの 猛反発を受けた。
(実は2003年の協定であるライダー24人制以外に、別の合意事項も存在する。KTMは、 2004年に参戦枠を2つ所有する予定を協定に書き加えて いた。これを有効とする場合の参戦枠は26人、 チーム13組分となる)

もともと参戦台数を確保する目的においては重要だった参戦枠が、現在では参戦に値するライダーの シートを奪っているようにも見えるのだが、これは言いすぎだろうか。


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