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2005年12月21日 ShoppingOn編集部
マックス・ビアッジほどのライダーが今回のような状況に陥ったのはいったい何が
原因なのか?
ホンダとの不仲がそのきっかけになったのは周知の事実だが、それ以上に
今のマックスを苦しめているのはタイヤ供給の問題にある。
タイヤの開発には毎年巨額な投資が必要となる。微妙なゴムやカーボンの
ブレンドに要するライダーのテスト時間、それに伴う材料の浪費はもはや
想像のつかない金額だ。この巨額な浪費を回避すべく、ミシュランはFIMに
対してタイヤレギュレーションの変更を提案しているが、これはブリヂストンに
より拒否されている。この提案を許せば、すでに円熟状態にあるミシュランに
とってのみ有利なレギュレーションになる事をブリヂストンは恐れているのだ。
また、今回のビアッジへのタイヤ供給が実現しない理由には、金額面以外に
ドゥカティーからの圧力もある。
ドゥカティーはブリヂストンに対して、カワサキやスズキへのタイヤ供給に格差を
設けるように圧力をかけているという噂だ。今回カワサキがブリヂストンから3台目のタイヤ
供給が受けられない最大の理由はここにあると言われており、ビアッジがカワサキ
だけではなく、スズキへの移籍も諦めざるをえない理由だ。
玉田誠が今回ブリヂストンへの復帰を断られた原因も、事実上の理由はここにある
らしい。
(ブリヂストンはF1の2005年シーズン、勝者となる事ができなかった。フェラーリとの
関係上、現在巨額な投資をかけて2006年シーズンに向けて開発を急がなければならない。)
イタリアのマスコミは、この事態を野放しにしているDORNAやFIMを能無し集団として
酷評している。「MotoGPはプライベーターのものではなく、ファクトリー間の競技で
あり、コストがかかるのは当然」とするDORNAの日本人的な姿勢が、MotoGPに
纏わる全ての問題を引き起こしていると言うのだ。
これらの批判を受け、DORNAとFIMはミシュランからのレギュレーション提案について
再検討の準備もあるようだが・・・いずれにしろ、マックス・ビアッジはこれらのタイヤ抗争に
完全に巻き込まれてしまった犠牲者と言える。
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