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JiRチームスコットが発足、ドヴィツィオーゾと高橋選手のシートが確定 |
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2007年11月5日
今シーズンに中野真矢選手が所属したコニカミノルタ・ホンダ・チームの運営母体であるJiRと、小排気量クラスの名門チームであるチーム・スコットが、2008年シーズンには1つのチームとして活動し、MotoGPクラスのライダーにはアンドレア・ドヴィツィオーゾ、250ccクラスのライダーには高橋裕紀選手を起用する事が決定した。
■新チーム名は「JiRチーム・スコット」
タイトル・スポンサーであったコニカミノルタとの3年間の活動を今シーズンの最終戦を持って全て終了したJiR(ジャパン・イタリア・レーシング)と、今期の250ccクラスをアンドレア・ドヴィツィオーゾと高橋裕紀選手のライダー・ラインナップで戦ったチーム・スコット(Team Scot)は、2008年シーズンに向けてチームを統合し、JiRチーム・スコット(JiR Team Scot)の名でMotoGPクラスと250ccクラスの2カテゴリに参戦する事を、11月5日に正式に発表した。
■MotoGPクラスはドヴィツィオーゾ、250ccクラスは高橋選手
MotoGPクラスのライダーには、2006年と2007年の2シーズンを250ccクラスのランキング2位で終えたイタリア人ライダーのアンドレア・ドヴィツィオーゾ、250ccクラスのライダーはグランプリ活動4年目を迎える高橋裕紀選手が引き続き務める。今回のアナウンスにより、2008年シーズンはドヴィツィオーゾがMotoGPクラスにステップアップし、高橋選手は250ccでのグランプリ活動をそのまま継続する事が正式に明らかになった。
■MotoGPと250ccの両クラス共にホンダのマシン
今回の発表は、現JiRのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンと、チーム・スコットの現チームマネージャーのチラーノ・ムラローニとスコット・グループ代表であるジョバンニ・トッリの共同声明として行われている。
新生JiRチーム・スコットは今回の発表の中でその活動理念を、小排気量クラスを含むスポーツ事業内での若手育成、ならびに商業面での開拓活動にあると述べ、250ccクラスとMotoGPクラスの両カテゴリーで使用するマシンはどちらもホンダになる事を公表している。
■現行チームスコットの125ccチームの今後は不明
なお、現行のチーム・スコットは125ccクラスでのグランプリ参戦も行っているが、今回の発表では125ccクラスの扱いが2008年度以降どうなるのかについては一切触れられていない。
■モンティロン「日本人プロジェクトは高橋選手と継続」
JiRチーム・スコットのディレクター(全体統括)に就任したジャンルカ・モンティロンは、2002年の原田哲也選手(NSR500)から始まり、その翌年からの玉田誠選手(RC211V)や今期の中野真矢選手(RC212V)との日本人ライダーを前提とするチーム参戦活動を、来年は250ccクラスの高橋裕紀選手に向けて再開する旨をコメントしている。また、モンティロンは自身の統括する最高峰クラスのチームにドヴィツィオーゾを迎え入れられる事を大変に喜んでいる。
「レース業界には幅広い視野が今後の発展に向けて不可欠です」とモンティロン。
「2つの重要なカテゴリーのテクニカル面でのルール変更に今後は直面する事を私たちが考える上で、スポーツ事業と商用事業の両面における新たなプロジェクトが必要だと考えました。そこでジョバンニ・トッリとチラーノ・ムラローニと協力し、総合プロジェクトを今回発足するに至った訳です」
「アンドレア・ドヴィツィオーゾのように若くて速く、やる気溢れる優れた才能を持つイタリア人ライダーを私のMotoGPチームに迎えられる事を、非常に満足しています。また同時に250ccクラスにおいては、私たちが2002年に原田哲也選手の時から開始している日本人ライダーに向けてのプロジェクトを継続します」
「Motoクラスの世代交代が進む中、私たちは若いライダーの育成が必要だと考えています。」
■ムラローニ監督「ドヴィツィオーゾとの長年の目標を達成」
今回JiRチーム・スコットのチーム監督に就任したチラーノ・ムラローニは、共に6年間継続してグランプリでの活動を続けてきたアンドレア・ドヴィツィオーゾと一緒にMotoGPクラスに昇格できる事を喜び、以下のコメントを残している。
「今回の両者の合意を発表する事ができて大変に嬉しく思います。MotoGP最高峰クラスでの活動は私たちの長年に渡る目標でした」とムラローニ。
「今回特に嬉しいのは、125ccと250ccでの成長を見続けてきた才能ある若いライダー、アンドレア・ドヴィツィオーゾがMotoGPクラスに昇格する事です。来期の私たちの彼との活動は、個人的にもビジネス的にも7年目に入りますが、これはMotoGP史上でも希に見る長期の体制と言えるでしょう」
「今回の合意は小排気量カテゴリーにも及び、新しい世代や将来のスターに今後の架け橋となる活動の場を与える事になります。これを目的に私たちは来期も高橋裕紀選手と250ccクラスに参戦し、彼が近いに将来にMotoGP最高峰クラスで活躍するまでに成長を遂げられるようにしたいと考えています」
■ジョバンニ・トッリ代表「新たな革新と感動を」
スコット・グループ代表のジョバンニ・トッリは、JiRとの合意に関して以下の通りコメントしている。
「モーターサイクル業界で活動する両者が今回合意に至り、それぞれの努力を総合プロジェクトという形で実現できる事を大変に嬉しく思っています」とトッリ。
「私たちは厳しいプロの世界での活動を続けてきましたが、この業界で培った長年の経験とノウハウを基に、きっとモーターサイクル世界選手権の世界に新たな革新と感動を提供できると信じています」
■ドヴィツィオーゾ「250ccで年間優勝できなかったのが悔しい」
念願だったMotoGPクラスへの参戦を2008年から実現する事になったアンドレア・ドヴィツィオーゾは、最終的に250ccクラスの年間タイトルを獲得できなかった事は悔しいとしながらも、最後まで十分に力は発揮する事ができたと語る。
「ここまでの必死の努力が実を結び、やっとMotoGPクラスに参戦するという自分の夢が実現する事になりました」とドヴィツィオーゾ。
「250ccクラスで世界チャンピオンになれないままMotoGPクラスに行く事になったのは残念でしたが、自分の実力を示す事はできましたし、最後まで戦い切ったと考えています」
「自分をライダーとして成長させてくれたホンダやそのスタッフの方々の下でMotoGPに参戦できる事を大変に嬉しく思います。馴染みの方々と一緒に暖かい雰囲気の中でこのチャレンジを開始できる事を思えば余計に力が沸いてきますし、落ち着いた気分で戦えると思います」
■高橋裕紀選手「不本意なシーズンの後、来期も参戦できて嬉しい」
今シーズンは2006年シーズン最終戦で負った足の大怪我の影響により苦しい戦いを強いられる事になった高橋選手は、来期も引き続きグランプリ250ccクラスに参戦できる事と、チームが将来的に高橋選手をMotoGPクラスに昇格させたいと考えている事を非常に喜んでいる。
「今シーズンは去年のバレンシアでの不本意な怪我の影響により不運なシーズンとなってしまいました。でも、今はもうすでに問題のない状態だと思っていますし、再びこのクラスに参戦できる事を本当に嬉しく思っています。自分がどうしても攻略したいカテゴリですからね!」と高橋選手。
「チラーノ・ムラローニとジョバンニ・トッリ、ならびにルカ・モンティロンには、自分が世界グランプリに参戦した2005年からの支援と励ましに対し深い感謝の気持ちを伝えたいと思います。彼らは自分の実力と将来MotoGPクラスに関わるチャンスを信じてくれています」
「来シーズンはMotoGPクラスでデビューを飾るドヴィツィオーゾの活躍を祈ります!」
■小山選手と青山博一選手の来期の契約更新はほぼ確定
高橋選手以外の小排気量クラスのライダーの来期シートだが、まだ公式発表は行われていないものの、KTM125ccクラスの小山知良選手とKTM250ccクラスの青山博一選手は、今期と同じチームで走る事を前提として来シーズンに向けての抱負を最終戦の後のコメントとして残している事から、来期もそれぞれに125ccと250ccクラスをKTMのライダーとして戦う事はほぼ間違いなさそうだ。
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