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2007年10月30日
フィアット・ヤマハ・チームは10月29日、バレンティーノ・ロッシのチームメイトとして2005年から同チームに所属しているコーリン・エドワーズが、来シーズンはTECH3ヤマハ・チームからMotoGPに参戦する事を正式に発表している。
■ようやく正式発表となったエドワーズのTECH3移籍
新体制の発表など、チームとしての公式リリースを毎年発行しないTECH3ヤマハ・チームと、現在のフィアット・ヤマハのライダーであるコーリン・エドワーズが、来期に向けて契約をすでに交わしている事は周知の事実として囁かれてきたが、フィアット・ヤマハ・チームは10月29日発行のバレンシア戦プレビューのプレス・リリース内において、公式情報としては初めてエドワーズのTECH3入りを発表した。
■来期のTECH3ヤマハはホンダの元SBKチャンピオン2名
これにより、エドワーズが今期のSBKチャンピオンであるジェームス・トスランドと共に、TECH3チームからMotoGPの2008年シーズンに出場する事が確定しており、来期のTECH3ヤマハはホンダの元SBKチャンピオンの2名体制となる事が正式に判明した。
■エドワーズ「ヤマハ・ファミリーに残れて嬉しい」
この発表に際しエドワーズは、今週末に行われる2007年度最終戦となるバレンシア戦について「今回のレースには奇妙な感覚がありますね。自分にとってはこのチームでの最後のレースになりますが、ヤマハ・ファミリーにこのまま残れる事は本当に嬉しいです」とコメントしており、来期もヤマハのチームの一員としてMotoGPに残れる事を喜んでいる。
ちなみにエドワーズは、来期のロッシのチームメイトとして250ccクラス2連覇を今年に達成したホルヘ・ロレンソの名前が候補に上がった今シーズン前半の時点から、ヤマハに対してTECH3入りの可能性を打診していたと噂されており、トスランドのTECH3からのMotoGP参入が決定した頃には、エドワーズのTECH3入りもほぼ確実と見られていた。
■ブリビオ監督「ロッシとエドワーズのコンビは最高だった」
2000年と2001年にホンダから鈴鹿8耐にエドワーズとペアを組んで出場した経験のあるバレンティーノ・ロッシが、2005年のヤマハのチームメイトとしてエドワーズを歓迎していた事は有名な話であり、ロッシとエドワーズの相性の良さは今更紹介するまでもないだろう。
フィアット・ヤマハのダビデ・ブリビオ監督は、エドワーズとの3年間の活動を振り返り以下の通りコメントしている。
「今回のバレンシアはコーリンにとってファクトリー・チームでの最後のレースとなりますが、彼が来期もヤマハに留まる事が私たちにとっては非常に重要です」とブリビオ監督。
「私たちの見解を述べれば、彼は一緒に働く上で最高と言える人物でしたし、バレンティーノとのコンビネーションは本当に素晴らしかったです。2005年の彼との最初のシーズンに私たちはチーム部門とコンストラクターズ部門の年間タイトルを勝ち取りましたが、これは彼と共に成し得た業績です」
「ですから、彼がヤマハ・ファミリーの一員として今後も活躍する事を本当に嬉しく思います。来期が彼にとって素晴らしいシーズンになる事を願っています」
■残るはドヴィツィオーゾとチーム・ロバーツ
エドワーズのシートが確定した事により、現時点において来シーズンのチーム体制が正式に発表されていないのは、現コニカミノルタ・ホンダ枠をJiRと合流する事で引き継ぐ予定のチーム・スコットとそのライダー候補である現250ccライダーのアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ならびにまだ来期のMotoGP参戦すら公式に発表していないチーム・ロバーツのみだ。
■不可解な点が残るドヴィツィオーゾ周辺の動き
今年の9月15日時点のautosport.comの報道によれば、JiRとチーム・スコットの合流後のチーム名は「フォース(FORCE)」が仮称とされているようだが、まだこの新チームは名称だけではなく体制そのものに疑問点が多いようだ。
もともとアンドレア・ドヴィツィオーゾは現在所属するチーム・スコットと共にMotoGPクラスへ昇格する事を希望しており、ホンダが参戦枠の追加を見合わせた事から現在ホンダ枠をMotoGPクラスに持つJiRとの合流話が浮上した訳だが、JiRのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンが日本GPの頃にマックス・ビアッジと交渉して現行のJiRのチーム運営体制を存続させようとする動きを一部で見せるなど、当初のアンドレア・ドヴィツィオーゾやチーム・スコットの思惑とは異なる動向も浮上しており、現在でも不透明な点が多い。
フォース(仮称)が予定通りMotoGP体制を発表するに至るには、チーム内に渦巻くそれぞれの思惑の調整など、多くの課題を解決する必要性がまだありそうな雰囲気だ。
■ロバーツは独自シャシーを諦めればドゥカティー・サテライトに?
エンジンを供給していたホンダとの2年間の関係を今期限りとし、ドゥカティーからのエンジン供給を2008年からの第1希望しているチーム・ロバーツだが、サテライト・パッケージ(バイク全体)を供給したいドゥカティーとの交渉は高額なコストの問題も含めて簡単ではない様子だ。
イギリスのロードレース誌であるMCN(http://www.motorcyclenews.com)の10月18日の記事によれば、チーム・ロバーツはファクトリー仕様のドゥカティー・デスモセディチ2台の2008年からの使用を巡ってドゥカティーとの交渉を続けているが、ロバーツ・シニアの理念である独自マシン開発の流れとは異なる方向性となる事や、ラスベガスのホテルがメインスポインサーについた事から昨年ほどの資金難ではないにしても、ドゥカティーへの高額なリース費用を支払う上でのスポンサー拡大の課題がまだ完全には解決していない事などから、契約締結にはまだ至らない様子だ。
このままの状態であれば、独自のシャシーで戦いたいケニー・ロバーツ・シニアが、並行して交渉を進めているイルモアからのエンジン供給に決断を傾ける可能性も出てくるが、チーム・ロバーツがドゥカティーのマシンで2008年シーズンに登場する可能性もそれほど低くはないかもしれない。
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