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ホンダ「ビアッジいらないし」
インテリマーク編集部
2007年10月23日

現在噂されているマックス・ビアッジのホンダ・サテライトからのMotoGP復活について、HRCは「No!」の意志表示を示している。
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■なかなか決まらないグレッシーニの来期シート

来期のホンダ・グレッシーニのシートの1つは、2008年からMotoGPクラスにステップアップする現250ccクラスのライダー、サン・マリノ出身のアレックス・デ・アンジェリスがすでに確保しているが、残るもう1つのシートを巡っては、その候補としてホンダの後押しを受ける現コニカミノルタ・ホンダのMotoGPライダーである中野真矢選手が有力視されていた。

■有力視されている筈の中野選手

すでに現グレッシーニ・ホンダのライダーであるマルコ・メランドリは来期に向けてドゥカティーとの契約を交わしており、トニ・エリアスはプラマック・ダンティーンとの交渉が進んでいるとの噂から、日本人ライダーを最高峰クラスに確保しておきたいホンダの意向通り、今期はサテライト用RC212Vに苦しんだ中野選手にもう1年間ホンダでのチャンスが与えられ、グレッシーニ・チームからは前回のマレーシアGPあたりに来期の体制発表が正式にされるのではないかと、日本GPの頃には噂されていた。
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■コニカミノルタのJiR離脱も後押しに

また同時に、JiRのスポンサーを3年間務めたきた大手スポンサーのコニカミノルタが、中野選手と共にグレッシーニ・ホンダに移動する噂もこの頃にはあり、今期はタイトル・スポンサーの獲得を断念していたグレッシーニ・ホンダにとっても、副次効果として日本の大手企業をタイトル・スポンサーに迎える事ができるのは歓迎すべき出来事だったと言える。


■突然のビアッジの浮上

写真しかしながら、マレーシアGPを迎える直前にグレッシーニが来期に向けて接触しているライダーとして浮上したもう1名のライダーの名前は、2005年にホンダと最悪な形で決別した筈のマックス・ビアッジだった。

■ホンダ・サテライトからのMotoGP復活が多く噂されるビアッジ

ビアッジがオーストラリアGPの前にコニカミノルタ・ホンダから接触も受けていた話は事実だが、すでにこの話は立ち消えとなっている。しかしながら、ビアッジはその後にSBKアルスター・スズキとの契約を今シーズン限りで解消しており、彼がSBKでの活動にはあまり興味を示しておらず、MotoGPへの復帰を真剣に検討している事はほぼ間違いないと噂される中で、ファウスト・グレッシーニとの接触はかなり信憑性の高い情報として報じられていた。

■結局コニカミノルタはMotoGPでのスポンサー活動から撤退

噂の信憑性が高いとされた要因はコニカミノルタのMotoGP撤退にもある。英国のロードレース誌のMCN(http://www.motorcyclenews.com)は、10月19日の記事の中でコニカミノルタが今シーズンを限りにMotoGPのスポンサー活動から撤退する事実を認めた事を報じており、グレッシーニがスポンサーを獲得し易いヨーロッパで人気の高いライダー、すなわちMotoGPへの復帰手段を模索している同郷のイタリア人ライダーであるビアッジに話を持ちかけるのは、「とある懸案事項」を除けば自然な流れと言えるのかもしれない。

■グレッシーニのブリヂストン枠はレプソル・ホンダに?

さらには、ブリヂストンのタイヤ供給量の問題から、グレッシーニは来期からミシュラン・タイヤにスイッチせざるを得ない状況に追い込まれる可能性にも直面しているようだ。イタリアのロードレースサイトであるRACERGP.COM(http://www.racergp.com)の10月18日の記事によれば、HRCとペドロサは来期のブリヂストンタイヤ獲得をまだ諦めてはおらず、DORNAのCEOであるカルメロ・エスペラータに相談を持ちかけており、悩んだエスペラータはグレッシーニに対して来期のブリヂストン枠をレプソル・ホンダに提供できないかを相談しているという。

■メリットが見いだせないグレッシーニ

この噂が真実の場合、仮に中野選手はグレッシーニに移籍しても、今期に苦しんだミシュランタイヤとRC212Vのパッケージで来期も戦う事になる可能性がある。大手スポンサー獲得の可能性が消え、ミシュランへのスイッチの噂も浮上する今、ブリヂストンに復帰しての活躍に期待が持たれる中野選手をライダーとして迎える事に、グレッシーニがあまり乗り気ではなくなっている可能性は否定できないのかもしれない。


■あの懸案事項は?

なお、ホンダのサテライト・チームがビアッジをライダーとして選ぶには、先に述べた「とある懸案事項」がどうしてもつきまとう。その懸案事項とは、2005年のビアッジのプレスに向けてのホンダに対する暴言や、様々なホンダ・ワークス時代のいざこざだ。2005年シーズンの終盤にホンダの「最後の」逆鱗に触れたビアッジは、時期的な問題もあり2006年のMotoGPシートを他のメーカーには確保する事ができずに、1年間の浪人生活を余儀なくされている。

■簡単には解消されない遺恨と因縁

このビアッジ・ショックがMotoGP界に与えた影響は大きく、ビアッジの個人スポンサーであったキャメルが非難の声明と共にホンダを離脱したことから、当初のビアッジの2006年MotoGPでの受け皿となる予定だったホンダ・ポンス(当時のキャメル・ホンダ)が、結果として資金難の問題を解決できずにチームごと消滅するという惨事に至った事を考えても、このホンダとビアッジの因縁が2年程度で解消されるとは誰も予想していない筈だ。


■HRCの常務取締役が声明を発表

今回のグレッシーニの動きを受けてのホンダの反応に注目していたイタリアの各メディアは、ついに記者会見に応じたHRCのコメントを、マレーシアGPの開催期間中だった10月20日以降に一斉に報道している。欧州のテレビ局であるユーロスポーツ(伊)とイタリアのスポーツ紙であるガゼッタ・スポーツなどの各イタリアメディアが報じたHRCの常務取締役である安武幸祐氏のコメントを以下に引用する。
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「ホンダのサテライト各チームがどのライダーを選択するかについて、ホンダが意見述べる権利などありません。しかしながら、私の意見を述べるのであれば、ビアッジのスタイルは私たちのバイクには合わないと思います。彼との関係を解消したのはそれが理由ですから」と安武氏。

「HRCは若いライダーか、そうでなければ1年しか私たちのバイクを経験していない日本人ライダーに、もう1年のチャンスを与えたいと考えています」

■注目されるグレッシーニの今後の方針

上記のコメントを見る限り、HRC側は中野選手に来期のMotoGPシートを提供するという当初の方針を変えておらず、ビアッジのホンダ復帰については快く思っていない様子だが、逆に2006年にビアッジのSBK入りを待ち受けていたホンダ・ヨーロッパなどからはビアッジのMotoGP復帰を歓迎する声もあり、必ずしも日本側とイタリア側のホンダ関係者の意見が一致しているという訳ではなさそうだ。

いずれにしても、以前からホンダの準ワークスとしての位置づけで見られる事が多く、HRCとの蜜月関係が報じられるグレッシーニが、ビアッジの事をあまり望ましくないとする声明をHRCが出した今後も、現在のビアッジとの交渉をそのまま継続するかについては疑問が多い。


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