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MotoGP第8戦、ホンダ勢が期待を抱くドニントン
インテリマーク編集部
2007年6月22日

6月22日(金)より、MotoGP第8戦目となるイギリスGPがドニントン・パーク・サーキットで開催される。
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ここでは、前回のカタルーニャ戦から今回のドニントン・パーク戦に向けての各チームの動きや新着トピック、ドニントン・パークのコースレイアウトやセッティングの方向性、ならびに昨年のイギリスGPのレース結果などを併せて紹介する。


■オリビエ・ジャックは開発ライダーに

前回のカタルーニャでのフリー・プラクティス中にIRTAテストを含む今年4度目の大きな転倒を喫し、シーズン序盤からレースの欠場が相継ぐ事となったオリビエ・ジャックだが、今期はレギュラー・ライダーとしてのシートを失う事になった。
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カワサキ・レーシング・チームの6月21日の発表によれば、今後ジャックは開発ライダーに戻り、現在は怪我のために療養しているカワサキの開発ライダーである松戸直樹選手に代わりマシンの開発作業に専念するという。

■カワサキはジャックと改めて2年契約

なお、カワサキはオリビエ・ジャックとは改めて開発ライダーとしての2年間の契約を交わす事を発表している。


■ジャックの後任にはアンソニー・ウェストを起用

また、そのジャックの後任には、今期はMotoGP250ccクラスとWSS(世界スーパースポーツ:4ストローク600cc)に参戦し、特にWSSで高い成績を収めているアンソニー・ウェストを、今回のイギリスGPから起用する事をカワサキは同時に発表している。ウェストは前回のカタルーニャ戦翌日の合同テストにおいても、ジャックの代わりにテスト走行を行っていた。

写真なお、アンソニー・ウェストが愛用するバイクナンバーの「14」はチームメイトのランディー・ド・ピュニエが今期から使用しているため、ウェストは今期は「13」のナンバーを使用する事が決定している。

■WSSで4ストロークマシンとの相性の良さを示したウェスト

アンソニー・ウェストは、チーム・シチリアで250ccクラスに参戦する傍ら、4月のバレンシアで負傷したヤマハのケビン・カーテンの代役として出場したWSSモンツァ戦で3位表彰台を獲得し、カーテンの負傷が長引く事が判明した後は、今期シーズンは最後までヤマハのライダーとしてWSSクラスに出場する契約の延長を行っている。ウェストはその後のシルバーストーン戦とモンツァ戦の両方で優勝を果たし、3ラウンドのみの出場で年間ランキングは5位に浮上していた。

■違約金を支払い、すでにヤマハとの契約は解除

しかしながら、突然のカワサキからのオファーでMotoGP行きが決定した事により、先日ウェストはヤマハに違約金を支払う事でWSSの残りの契約を平和的に解除しており、ホンダNSR500Vで出場した2001年以来となる最高峰クラスへの復帰を今回のイギリスGPから果たす準備は完全に整ったという。
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■ウェスト「ヤマハの深い理解に感謝」

ウェストはヤマハとの契約解除について「ヤマハが自分の実力を示す機会をくれたおかげで、自分のレース経歴を軌道に戻すチャンスを得る事ができた。自分を信じてくれたヤマハを今離れるのは本当に悲しいが、このチャンスは自分の夢であるMotoGPへの道につながっている事をヤマハは理解してくれた。ヤマハのクルーは素晴らしかったし、こんなにプロフェッショナルなチームをかつて自分は経験した事がなかった。今回支払った違約金はかなり厳しいものだったが、MotoGPバイクで自分の力を試すいいチャンスであり、支払うだけの価値は十分にあったと思う。合意の上でヤマハとの契約を解除できた事が今回は重要だったと思うし、まだ自分は若いので、今後また彼らと働くチャンスだってあるかもしれない。先の事は誰にも分からないからね」と述べ、ヤマハの理解に対する深い感謝の念と、MotoG最高峰クラスへの復帰に向けての高い意欲を示している。


■ロバーツ・ジュニアは新型シャシーが完成するまで欠場

前々回のイタリアGPからカーチス・ロバーツを加え、1人用の機材で2名のライダーを走らせる事で2007年型KR212Vが抱える問題箇所の検出を急ぎ、シャシーに根本的な設計不良がある事をようやく見つける事に成功したチーム・ロバーツだが、新型シャシーが完成するまでのしばらくの間は、オリジナルのレギュラーライダーであるケニー・ロバーツ・ジュニアをグランプリに出場させない事を決定している。
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■ジュニアの復帰はアメリカGPを予定

チーム・ロバーツの開発拠点がある今回のイギリスからは、ムジェロとカタルーニャの2戦に出場してチームのマシン開発作業に大きく貢献したと言われるカーチス・ロバーツの1名のみが、新型シャシーの投入を予定しているアメリカGPまでの3戦をロバーツ・ジュニアの代わりに戦う旨を同チームは発表している。

■ジョナサン・レアの出場は見送りに

なお、カーチス・ロバーツは元もと前回までの2戦のみを出場する約束だったが、今回のイギリスGPでチーム・ロバーツからMotoGP初出場を果たす予定だった英国人BSBライダーのジョナサン・レアがホンダの意向により今週の出場を見送った事から、カーチス・ロバーツがイギリス以降の数戦も引き続き同チームのライダーとしてレースに参加する事が決定した。

■ホンダはレアの鈴鹿8耐準備を優先

現役のBSBライダーであるジョナサン・レアは、今期はHMプラント・ホンダに移籍して清成龍一選手のチームメイトとして活動しており、今月の鈴鹿300キロでは清成選手とのペアで優勝、前回のBSB戦でも初優勝を遂げるなどの活躍を見せている。レアは鈴鹿8耐への出場も決定しており、日本を往復してのテストと今回のイギリスGPへの出場はスケジュール的にハードになる事が元もと予想されていたが、8耐準備とBSBの活動を優先させるべきと判断したホンダの意向により、レアの今回のMotoGP初出場は実現しなかった。

■アクスランド監督「現行のバイクをケニーは十分に試した」
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チーム・ロバーツ監督のチャック・アクスランドは「シャシーの改良の方向性は見つけたが、製作にはまだ時間必要。現在ケニー(ジュニア)は大きなフラストレーションを抱えている状態。冬季テストの結果でマシンの他の基本的な部分に問題がない事は分かっているが、今の状態では他と戦えるだけのラップタイムは期待できない。今年は排気量変更やタイヤルールなど、色々なレギュレーション変更があった事も影響している。990ccの時には時間をかけて方向性をつかみ、2回の表彰台を獲得したので、800ccでも同じ方向性に向かえると信じている。ただ、どうしても時間が要る」と述べ、新型シャシーの導入後はマシン開発の方向性を軌道修正できるとの期待を示した。
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ロバーツ・ジュニアの動向に関してアクスランド監督は「チームが今集中すべき事はシャシーの性能を高める事。ジュニアは現在の仕様のマシンにはもう十分乗ったので、彼がレースに復帰するのは新しいパーツが完全に揃った時だとチームは判断した。新型パーツの投入時期はアメリカGPのラグナ・セカを目標としている。」とコメントし、ロバーツ・ジュニアが母国GPのアメリカまではグランプリを欠場する事を正式に発表した。また、アクスランド監督は「ジョナサンとドニントンで仕事ができなくなったのは非常に残念。近い将来にチームのマシンに乗ってもらう機会を見つけたい」とつけ加えている。

■カーチス「シャシーが改善されればケニーは上位に戻れる」
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MotoGP出場の延長が決定したカーチス・ロバーツは「ケニーもジョニー(ジョナサン・レア)もいなくて少し大変になりそうだが、2台のバイクが使える事で、自分の走りに制限をかける事なくペースを上げられる。去年ケニー(ジュニア)は2回表彰台に乗っているので、シャシーさえチームの期待通りに仕上がれば、彼は今年もまた上位の成績を狙えるようになる」とコメント。


■ド・ピュニエの怪我の状況
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前々回のムジェロで左ひざを負傷し、カタルーニャのレースウイーク中は患部が大きく腫れ上がった事から通常よりもひざまわりが10センチ広いライディング・スーツを着用して戦ったカワサキのランディー・ド・ピュニエは、カタルーニャ合同テストの翌日となる先週の火曜日に顕微鏡手術を受けており、血の塊り30ccを取り出している。

手術は無事に成功しており、この際に左ひざ周辺の再検査も行われたようだが特に深刻なダメージは見つかっておらず、ド・ピュニエは手術当日には退院する事ができたという。


■イギリスはライダーズ・フォー・ヘルスの本拠地

今回グランプリの開催されるイギリスはリズラ・スズキやチーム・ロバーツの拠点であると同時に、MotoGPやSBKなどのチームの多くが参加している慈善団体「ライダーズ・フォー・ヘルス(Riders For Health)」の活動拠点でもある。
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■すでに11万人を救った有名ライダーによるチャリティー活動

ライダーズ・フォー・ヘルスは2015年までに医療にかかわる輸送をアフリカ全土に行き渡らせる事を目的としたチャリティー活動であり、有名ライダーたちの協力の下、現在までに11万人以上のアフリカの患者を救っている。

■大規模なチャリティー・イベント「デイ・オブ・チャンピオンズ」

毎年のシーズンを通して多くのライダーはこの慈善活動に協力しているが、今回はそのホームという事もあり、「デイ・オブ・チャンピオンズ(Day of Champions)」と題した大規模なチャリティー・イベントがグランプリ前日の木曜日に開催されており、この日はMotoGPライダーたちが写真撮影会やサイン会、ならびにサイン入りのヘルメットやブーツ、ライディング・スーツなどをオークションに出展している。
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■この日の最大の注目はチャリティー・オークション

このイベントでは、MotoGPパドックを訪れた何千人ものファンが、ライダーたちと直接接したり、オークションにかけられた貴重なグッズを入手するチャンスに恵まれる。

この他には、難病の子供たちに憧れの有名人との対面の機会を作る慈善団体「メイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーション(Make-a-Wish Foundation)」が数人の子供たちをレースウイーク中のレプソル・ホンダのピットに招待し、彼らがニッキー・ヘイデンやダニ・ペドロサと直接話せる機会を用意している。


■チャリティー・オークションに出展されたサイン入りグッズ

以下に、今回のデイ・オブ・チャンピオンズのオークション出品予定一覧を紹介する(全て本人の直筆サイン入り)。

ニッキー・ヘイデン
 ヘイデンが年間タイトルを獲得した時の燃料タンク(グラスファイバー製)

写真ダニ・ペドロサ
 昨年のドニントンでペドロサが優勝した時のレザー・スーツ

コーリン・エドワーズ
 レザー・スーツ数着とブーツ数足

マルコ・メランドリ
 レザー・スーツ数着

クリス・バーミューレン
 今年のルマンで勝利した時に被っていたヘルメット

ジェームス・トスランド(SBK)
 今年のシルバーストーン戦で着用していたレザースーツ

ジョン・ホプキンス
 ヘルメット

ロリス・カピロッシ
 レザー・スーツ数着

アレックス・バロス
 ブーツ一式

カルロス・チェカ
 ヘルメット
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玉田誠
 レザー・スーツ数着

中野真矢
 レザー・スーツ数着とブーツ一式

アレックス・ホフマン
 レザー・スーツ数着とブーツ数足

シルバン・ギュントーリ
 レザー・スーツ数着

ブリヂストン
 ブリヂストンライダー全員のサイン入り帽子


■ドニントン・パーク
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イギリスのドニントン・パークは、ダビーシャー地区の田園地帯の中にある全長4023メートルのサーキットであり、ロビンフッドの伝説で知られるシャーウッドの森のすぐ側に位置する。ロンドンからの距離は200km、バーミンガムからは60kmであり、最寄りの空港はサーキットから3km先のローカル飛行場であるイースト・ミッドランド。

自然の円形の地形を利用して作られたドニントン・パークの周辺は豊かな緑に覆われており、自然の草木に囲まれたコースの外側からファンがレースを観戦するという古き良き時代のGP観戦風景が今なお残っている。高低差の激しい地形に高速カーブがレイアウトされており、特に1コーナーから大きく下る連続した高速カーブの迫力は、ライダーからも観戦するファンからも好まれている。
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また、ドニントン・パークの敷地には由緒あるイギリスのモータースポーツ博物館がある事でも知られている。モータースポーツの歴史の証人となるような世界でも最大規模のコレクションを誇り、130台の自動車が5つの広いホールに展示されているという。


■サーキットの歴史

ドニントン・パークは1931年に設立された伝統あるサーキットであり、F1のホストを務める事もあったが、元もとは二輪ロードレース用のコースとして設計されたものだ。

サーキットは第二次大戦中には軍用車両の倉庫として使用され、この影響から大戦中はモータースポーツ・イベントの全てが中止となり、さらに戦後の何年かは放置されたが、地元の熱狂的なモーター・スポーツファンであるトム・ウィート氏に1971年に買い取られた後はF1の誘致を最大の目的に再建されて現在に至っている。

なお、初めてF1の開催が実現したのはアイルトン・セナが勝利を収めた1993年のヨーロッパGPだった。

■メルボルンループが追加されてGPの開催が可能に
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もちろん、世界2輪グランプリにおけるオリジナルのイギリスGPの舞台はドニントン・パークではない。戦後の世界グランプリ史上の第1戦目は1949年のイギリスGPであり、当時はマン島でレースが行われていたのは有名な話だが、その後マン島が安全面の問題からGPカレンダーから外された後に舞台はシルバーストーン・サーキットに移っている。

ドニントン・パークはトム・ウィート氏に買い取られた当初はサーキットの全長が現在よりも短く、世界GPのホストを務める上での最低周回距離を満たしていなかったが、1985年に現在のメルボルンヘアピンを中心とした9コーナーから11コーナーまでのハードブレーキング区間が追加され、1987年になりようやくドニントン・パークでのイギリスGPが実現した。今年はその21回目の開催となる。
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全長4023メートル、11のコーナー、最長ストレートが564メートルというやや小さめのサーキットで行われるMotoGPクラスのレースは全部で30ラップという他のサーキットと比べてやや多めの周回数となる。

■悪名高い低グリップと低温

ドニントン・パークの歴史上、最も大きな改修工事となったのが先に記した1985年のメルボルンループ区間の追加だが、2年前には滑りやすさで悪名高いアスファルトの全面改修も行われた。しかしながら、すり減っていた路面は新しくなり若干の改善はあったもののアスファルトのでこぼこは変わらず、滑りやすさには大きな違いがなかったとして、その後に走行したライダーの多くは語っている。
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ちなみに、ドニントンのアスファルトはヨーロッパの他のサーキットと比較してもグリップが悪く、摩擦係数の高さで知られる日本のサーキットとは大きくその特性が異なる事から、日本のサーキットになれた日本人ライダーが最初は苦手意識を持つ事も少なくないサーキットと言える。

また、ドニントンは路面温度が上がらない事でも知られており、これがアスファルトの滑りやすさにさらなる拍車をかけている。


■レイアウトの特徴、馬力よりも重要なのはライダーの技量

ドニントン・パークは決して高速サーキットではないが、1985年に新設された最終区間を除けばどの区間も流れが良く、高速コーナーが連続するテクニカルサーキットだ。ブラインドコーナーも多く、ラグナ・セカやフィリップ・アイランドと同様にストレートが少ない事からも、2輪ロードレースに適した古いタイプのコースレイアウトだと言える。
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エンジンの立ち上がり加速性能なども重要だが、ストレートが564メートルしかない事もあり、走りの流れを殺さないリズムとコーナリング速度を高く保つライダーの技量が、マシンの馬力よりも重要とされている。

■勝敗を分ける最終区間

高速で流れの良い前半区間と、ハードブレーキングのポイントが3回連続する最終区間は全く別のサーキットと言って良いほどに特性が異なっており、特に最高峰クラスでも多くのライダーがオーバーランを喫する事が多いメルボルンヘアピンの進入から最終コーナーにかけてのライン取りはレースの勝敗を大きく左右するため、毎年どのライダーもその攻略に向けての真剣な取り組み姿勢を見せる。


■コース全体の流れ

写真高速コーナーとして知られるのが、4速や5速のまま飛び込む1コーナーと、3コーナーのクレイナー・カーブだ。また、2コーナーから4コーナー付近にかけては非常に勾配が激しく高速かつテクニカルな部分として知られている。

今年のSBKでドゥカティーのトロイ・ベイリスがマシンのバランスを崩して小指を切断する大怪我を負ったのは8コーナーのコピスコーナーであり、高速コーナーの頂上付近に段差があるという。ちなみにドゥカティーのケーシー・ストーナーは「ドニントンは若干危険なポイントがある。その点が改善されればもっと楽しく走れるのに」とコメントしている。

コピスコーナーから続くバックストレート終端のタイトな9コーナーのシケインはドニントン・パークにおける最も有力な抜き所であり、MotoGPバイクで時速 280kmに達するバックストレートから一気に時速60kmまで減速してクイックなS字に進入しなければならない。激しいブレーキングポイントの1つだ。
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その後はタイトな10コーナーのメルボルン・ヘアピン、低速の最終コーナー(11コーナー)を抜けてホームストレートに戻る。この低速区間は他の区間の走りの流れを殺すため、ライダーからは嫌われる傾向にある。

なお、メルボルンヘアピンはバイクを停止させるほどの減速が必要な部分であり、リズラ・スズキチームはホプキンスが右ひじを今年はアスファルトに擦るかどうかが楽しみだとしている。
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■必要とされるマシン・セッティング

写真ライダーが休む暇無く攻め続けなければならないテクニカルなドニントン・パークにおいて、最も負担のかかる部分はマシンのフロントまわりだ。ライダーが自信を持って連続する高速コーナーを機敏に攻め続けられるシャシーのバランスとフロントのセッティングを仕上げる事が、ドニントンでの良いラップタイムにつながる。また、ハードブレーキング区間ではシャシーの安定性も重要となるが、基本的にはハンドリングに優れたマシンが有利とされている。

当然フロントのタイヤ選択も難しく、雨天や路面温度が低い場合はグリップの悪さによりライダーは非常に苦しい走りを強いられる事になる。


■各チームのイギリスGPに向けての状況

いかに、各チームやライダーのドニントン・パーク戦に向けての状況やコメントなどを紹介する。なお、今週のドニントン・パークは悪天候が予想されており、レースウイークを通して雨天になるケースもあり得るようだ。

■ドニントンに苦手意識を持つドゥカティー
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ここまでの7戦の中で4回の勝利を記録し、前回のカタルーニャではストレート以外の高速コーナーや低速区間でもロッシを抑えきって優勝するなど快進撃の止まらないドゥカティー・マルボロチームとケーシー・ストーナーだが、イギリスGPに大きな期待を示しているヤマハやホンダとは相反して、今週のドニントン・パークはあまりドゥカティーのマシンにとって相性の良いサーキットとは考えていない様子だ。

■スッポ監督「過去2年間は苦手なサーキットだったが」
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ドゥカティーのチーム監督であるリビオ・スッポは「過去2年間の実績をみても自分たちにとっては苦手なサーキット。ただ、今年のここまでの活躍を思い出せば、今回はもっと自信を持ってもいい筈。今シーズンのブリヂストンは素晴らしいし、仮に今週が雨だとしてもブリヂストンのレインタイヤが優秀な事はすでに分かっている」とコメントし、ここまでの好調さを苦手なドニントンでも再現する事への期待感を示した。

■ストーナー「ドニントンは自分たちにとって難しいサーキット」

前回のカタルーニャでの素晴らしい勝利を各方面から称えられ、先日のアルファロメオに引き続き、イタリアの自転車メーカーのビアンキからもドゥカティーとのコラボレーション・モデルのロードレーサー「Bianchi Scrambler XR」をプレゼントされた現在のポイントリーダーであるケーシー・ストーナーは、ドゥカティーの苦手とするドニントンでも、カタルーニャの勝利の後なので期待は持てるとコメントしている。
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「ドニントンは自分たちにとっては厳しいサーキットだが、今年はどのサーキットでもドゥカティーが戦える事を見せてきたと思う。自分の過去の経歴から見てもドニントンは得意なサーキットではないが、今年がどうなるかは実際に走って確認したい。今はまだ年間タイトルについては考えていないが、シーズンがさらに進んだら目標にできるかもしれない。今はすべて順調だから、このままの状態で歩み続けたい」とストーナー。

■カピロッシ「ここでは新しいエンジンを使う」

写真ドニントン・パークは、ロリス・カピロッシが1990年にGP初勝利を経験したサーキットだ。カピロッシは前回のカタルーニャでは本人のためにドゥカティーがムジェロで用意した新仕様のエンジンは使用しなかったが、今回のドニントンでは使いたいとコメントしている。新仕様のエンジンはトップスピードがストーナーの使用している標準エンジンよりも低いが、全体的に出力特性がマイルドであり、ライダーの扱いやすさを重視している。

「GP初勝利をあげた場所という理由だけではなく、基本的にドニントンは挑戦的なライディングが楽しめる大好きなサーキット。特に第1区間が好きだし、クレイナー(3コーナー)からコピス(8コーナー)にかけての全部が楽しい。ただ、最終区間だけは嫌い。このサーキットは優れたエンジン特性が必要なので、ムジェロで試した新しい方のエンジンを多分ここでは試す事になる。ここ以外にも、新しいエンジンはザクセンリンクとかラグナ・セカでも性能を発揮すると思う。」とカピロッシ。


■ダンティーン「バイクの特性には合っていないが全力で挑む」

ドゥカティーのサテライトチームであるプラマック・ダンティーンチームも、ワークス勢と同様にドニントン・パークには苦手意識を示している。チーム監督であるルイス・ダンティーンは、「自分たちのバイクの特性にはあまり合っていないから、ドニントンの戦いは容易ではないが、全力でいいレースができるようにしたい。ブリヂストンとドゥカティーが提供してくるパッケージのおかげで常にトップ10には入っているから、仮に不利な状況だとしてもいい結果が残せる事を示す時でもある」とコメント。
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■バロス「ロングストレートがないので苦しい戦いになる」

しかしながら、近年の成績を見る限り、アレックス・バロス個人にとってドニントン・パークは相性の悪くないサーキットだ。2001年からSBKに転向する前の2005年までは常に表彰台を獲得している。

「自分の今のランキングは8位。ランキングを維持するためには最低でも今週はトップ5に入っておきたい。あまり好きなコースではないが、2001年から2005年にかけてはずっと好成績を維持してきたので、その調子を今年も再現したいと思う。ロングストレートがないので苦しい戦いになりそうだが、目標が達成できるように努力する」とバロス。

■ホフマン「ロングストレートがないので予選で頑張りたい」
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バロスのチームメイトのアレックス・ホフマンは、カタルーニャの合同テストで良いセッティングを見つけており、今回のレースではそれを結果に反映したいとしている。

「レースの準備はもうできている。カタルーニャのテストの後に自信を回復したので、自分とチームがいい成績を残せるところをもう一度見せたい。ここが簡単なコースでない事は分かっているが、ベストを尽くすつもり。ロングストレートがないので、予選では高いグリッド位置を確保したいと思う」とホフマン。


■ドニントンには絶大なる自信を持つフィアット・ヤマハ
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ドニントンを警戒するドゥカティーと対局にあるのが、ハンドリング性能を誇るYZR-M1に乗るヤマハ勢だ。特にフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズの2名は揃ってドニントン・パークを非常に得意としており、ロッシはグランプリを通して7回の勝利経験を持ち、エドワーズにとっては2004年にグランプリ初表彰台を獲得したサーキットだ。

■ロッシ「ダニとの戦いになりそう」
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昨年はアッセンで右手首と左足首を骨折する大怪我を追いながら、その直後のイギリスGPで2位を獲得して周囲を驚かせたバレンティーノ・ロッシは、得意のドニントンで一刻も早くストーナーとの14ポイントの差をさらに縮めたいと考えている様子だ。また、ロッシは2000年からイギリスで生活しているため、今週もホームレースみたいだとコメントしている。
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「世界中のサーキットのなかでも大好きなサーキット。2000年にはジェレミー・マクウイリアムスやケニー・ロバーツ・ジュニアとのすごいバトルの末に500ccで初勝利を飾ったり、他にも何回も素晴らしい勝利を経験している。去年は怪我をしていたのに2位表彰台を獲得できたが、あれは自分でもすごかったと思う。ただ、今年はケーシー・ストーナーとペドロサがすごく乗れてるから簡単には勝てない筈。ケーシーはドニントンと以前は相性が良くなかったけど今年は強いと思うし、ダニは去年の勝利者だから、彼とはここでも戦う事になりそう。いずれにしても、乗っていてすごく楽しいコース。ストレートもあまり長くないし。それにここのファンは素晴らしいから是非今年は勝ちたい!」とロッシ。

■エドワーズ「ドニントンとアッセンで優勝したい!」
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写真冬季シーズン中と開幕後の数戦は順調に見えたが、その後は不運によりレースでの低迷が続くコーリン・エドワーズは、SBK時代に2回の勝利を獲得している得意のドニントンで、開幕前に掲げていた目標を達成したいとコメントしている。

「開幕の頃はシーズンを通してトップ5に入れると思っていたのに、最近は成績が思わしくない。ドニントンは以前から大好きなサーキットだし、復調のチャンスだと思っている。ドニントンは自分の手の甲と同じくらいに良く知っているコースだからすごく期待は高い。今頭にあるのは、今シーズンの残り何戦かで優勝する事だけ。3月は複数回の勝利を目標としていたが、今もその目標は変わらないし、今回のドニントンと次回のアッセンがそれを実現する最大級のチャンスだと考えている。」とエドワーズ。

■ブリビオ監督「ハイレベルな戦いとは互いの小さな改善作業の積み重ね」
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また、フィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、「カタルーニャの翌日にミシュランといいタイヤテストができた。ドニントンには新しいタイヤをたくさん持ち込むので、それらが自分たちの進歩に役立つ筈。高いレベルの戦いというのは小さいレベルの改善の積み重ねであり、勝利と敗北の差はそこから来る。まだシーズンは半分も過ぎでないので、まだまだ長い道のりを頑張り続けるのみ。」とコメントし、先週のカタルーニャ合同テストでドニントンに向けて試した新しいタイヤへの自信を示している。


■リズラ・スズキ、英国にゆかりのあるライダー2名

リズラ・スズキにとってイギリスはチームの拠点であり、そのライダーであるジョン・ホプキンスとクリス・バーミューレンは、それぞれの母国なみにイギリスには縁のあるライダーだ。
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■バーミューレン「今期の課題は予選」

昨年のイギリスGPの予選で2番グリッドを獲得している事からも分かる通り、イギリスでレース活動をしていたバーミューレンにとってドニントンは非常に馴染みのあるサーキットだ。バーミューレンは英国スーパースポーツとスーパーストックのカテゴリーに参戦した経歴を持ち、2000年に年間タイトルを獲得している。
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「英国選手権では楽しくレースができたサーキットだしドニントンは本当に好き。カタルーニャ翌日の合同テストではGSV-Rに色んな作業を施したから、レースの準備はもう万全。レースでいい戦いができているだけに、予選ではもっと上位につけなきゃいけない事はわかっている。ここでは色々流れを変えるつもりだし、いい成績を取るのが楽しみ。」とバーミューレン。

■ホプキンス「ホームに戻ってきた気がする」

写真昨年のドニントンでは予選で4位を獲得しているジョン・ホプキンスは、両親が元もとはイギリス人であり、彼らが米国に移住した先のカリフォルニアでホプキンスをもうけている。また、ホプキンスはイギリスで生活した経験もあり、多くのイギリス人の親戚や友人を持っている。

「ドニントンに来ると『ホーム』に戻ってきた気がして嬉しい。以前に住んでいた場所だし、友達や親戚もここにはたくさんいる。シーズンの中で大好きなサーキットだし、800ccのGSV-Rとも相性は絶対にいい筈。去年はタイヤに少し問題を抱えたが、今年のブリヂストンはどこでもすごいから課題はないと思う。カタルーニャでは色々試したけど、ブリヂストンが持ち込んでくれたタイヤは素晴らしかった。あとはコースに出て金曜日の最初のセッションから実力を見せるだけ」とホプキンス。


■ドニントンに大きな期待を抱くホンダ勢
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開幕から続いたシーズン序盤の高速サーキットでの戦いにおいて、最も苦戦した印象が強いのがホンダ勢だが、ストレートがほとんどないドニントンでの戦いにはワークスもサテライトチームも大きな期待を抱いている様子だ。

また、ダニ・ペドロサとホンダが他のライダーに先駆けてカタルーニャのレースウイーク中から試していた新型シャシーの性能は、ニッキー・ヘイデンが翌日の合同テストでレースタイヤでのトップタイムを記録した事からも証明されており、ここまでRC212Vのシャシーのセッティングの難しさに苦しみ続けてきたホンダ勢の期待は、にわかに高まりつつある。

なお、今回のイギリスGPではレプソル・ホンダのペドロサとヘイデンの2名がその新型シャシーを使用するが、サテライト勢への提供はもう少し先の事になりそうな雰囲気だ。

■2名揃っての好成績を狙うレプソル・ホンダ勢
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ホンダの新型シャシーをカタルーニャで試し、好感触を得たレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、今週のドニントン・パークはホンダのマシンと相性の良いサーキットだと述べ、高い成績の獲得を目標に掲げているようだ。

■ヘイデン「早く走りたい!」

カタルーニャ合同テストでレースタイヤでのトップタイムを記録したニッキー・ヘイデンは、新型シャシーに大きな期待を抱いており、レースウイーク初日から好位置につける事への可能性を示唆している。コースに出るのが待ちきれないとヘイデンは語る。
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「スペインで大きく改善が進んだので金曜日の最初のセッションでどうなるか楽しみ。今からコースに出るのが待ちきれない。あの時の調子がここでも続いて欲しいし、まぐれかどうかは実際に走ってみればすぐに分かる筈。ルマンの時の怪我も完全に治ったので、今回は本当に激しく攻めて走れると思う。チームには何人かイギリス出身のスタッフがいるので、彼らのためにもいい成績が残したい。それにメイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーションの子供たちに会えるのも楽しみ」とヘイデン。

■ペドロサ「ミシュランには今後のレースでも期待できる」
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昨年はドニントンで優勝を遂げたダニ・ペドロサは、イギリスGPの2連覇達成を狙っている。グリップの悪いドニントンでは難しいタイヤ選びだが、前回のカタルーニャ合同テストでミシュランが持ち込んだタイヤには好感触が得られており、今後の戦いに自信が持てるようになったとペドロサはコメントしている。
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「去年はドニントンでいいレースウイークを過ごせたから、ここに戻ってくるのが楽しみだった。今年も同じ走りを再現したい。バルセロナのテストではいい感触がつかめたので今回の役に立つ筈。特にミシュランとテストした何本かのタイヤは今後何戦かのレースにも自信が持てる。」とペドロサ。


■ドニントンで少し落ち着くグレッシーニ・ホンダ

カタルーニャのレース後に「チームは全力で戦っているが危機的状況。ホンダの対応を求めたい」と、RC212Vに何らかの改善対応を求める声明を発表したグレッシーニ・ホンダチームだが、ホンダとの相性が良いと思われる今回のドニントンに向けては、カタルーニャの時よりも若干楽観的な姿勢を見せている。
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■メランドリ「雨ならブリヂストンのライダーはチャンス」

昨年はカタルーニャでの大事故に巻き込まれた事により、左肩周辺に骨折などの大きなダメージを抱えたままドニントン戦に挑んだメランドリだったが、その時は痛み止めの注射をうちながらも、バレンティーノ・ロッシとの激しいバトルの末に3位表彰台を獲得している。今年は他のホンダ勢と同様に高速サーキットで苦しむ傾向にあるメランドリだが、ドニントンはホンダのマシンとは相性が良い筈だと語る。

「バルセロナが自分たちのマシンにとって厳しいサーキットである事は最初から分かっていた。今回のドニントンは自分たちにとって相性がいい筈だし、バイクの特性に合っていると思う。コーナーがそれほど高速じゃないし、ストレートも564メートルしかない。ドニントで一番の不確定要素は気象条件だが、雨ならブリヂストンのライダーにとってはチャンス」とメランドリ

■エリアス「トップスピードが必要ないから期待できる」
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前回のカタルーニャでは地元のレースをリタイアで終えて落ち込んでいたトニ・エリアスだが、今回のドニントンは自身にとってもホンダのバイクにとっても相性がいいサーキットだとして、その期待感を述べている。なお、昨年のエリアスはアッセンで左肩を骨折した事からドニントンは欠場している。

「ここは大好きなサーキット。去年は骨折で欠場したが、それ以前は常にいい結果を残す事ができていた。ここはトップスピードが問題にならないし、いいハンドリングが重要になるサーキットだからいい走りができると思う。ドニントンは特に温度が低い時にアスファルトがすごく滑るので、タイヤ選択が重要になる」とエリアス。


■今期のここまでの最高位を狙うコニカミノルタ・ホンダ
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カタルーニャの合同テストで試した新しいフロントフォークのセッティングに好感触を得る事ができたというコニカミノルタ・ホンダチームは、ドニントンではレースにその結果を反映したいと考えている。

■モンティロン「初日のセッションから速く走れるようにする事が目標」
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チームオーナーのジャンルカ・モンティロンは「カタルーニャのテストでは改善が進んだので、ドニントンでは結果に反映される筈。シンヤ(中野選手)はマシンのバランスに自信が持てるようになったので、チームはさらにベストなセッティングをできる限り早く見つけなければならない。金曜日の最初のセッションから速く走れるようにする事が今回の最大の目標。自分たちのパッケージの問題点は理解できているが、改善に向けて正しい方向に進んでいるという自信はある。6月は忙しいので技術的に大きなチャレンジは難しい状況だが、ミシュランが大きな進歩を見せてきているので、それがいい結果につながる筈」とコメント。

写真■中野選手「800ccでもいい走りがしたい」

今期は他のサテライト勢と同様、ホンダのマシンと共に苦しい戦いを強いられている中野選手は、ドニントンではいい走りがしたいと語る。

「ドニントンは挑戦的なコーナーがいくつもあり、走っていて楽しめるサーキット。250cc時代には3位表彰台を獲得できたし、2001年の500ccでは6位だったから、ここでいい走りができる事は分かっている。先週のカタルーニャ合同テストではいい結果が得られたので、800ccのRC212Vと共にこのまま進歩を続けたい。」

■ベルナルデッレ「ここまでよりは高い成績が狙える」

コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、「それほど高速サーキットではないので、ここは自分たちのマシンにとって相性の良いコースの1つ。カタルーニャでは2007年型フロントフォークの新しいセッティングを見つけたので期待が持てる。おかげでシンヤはマシンにより自信を持つ事ができるようになったし、今シーズンのここまでの結果よりはいい成績が狙える筈。また、ドニントンは高速コーナーがいくつもあり、ライダーがフロントに自信を持つ事ができればラップタイムは上げられるので、チームはさらに改善を進める必要がある。ここの低温路面は自分たちにとってチャレンジの1つになりそうだが、ミシュランはここまでに進化を遂げているので、タイヤはドニントンでも好調だろう」とコメントし、カタルーニャで見つけたフロントまわりのセッティングに自信を示した。


■近い将来に向けて期待するホンダLCR
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セッティングの方向性を完全に見失い、前回の地元スペインのグランプリを17位で終えるという屈辱から完膚無きまでに叩きのめされていたホンダLCRのカルロス・チェカは、今回のドニントンの戦いも決して楽ではないと考えながらも、レプソル・ホンダが現在試している解決策が近い将来チームに提供される事への期待を寄せている。

■チェカ「ホンダのみんなが苦しんでる」

チェカは今年のホンダライダー全員の名前をあげ、ペドロサ以外の誰もが苦しい状況にある事を訴えた。

「今回も簡単ではないだろうが、チームとミシュランには自信が持てる。それにホンダも最良の支援を行ってくれる筈。現在ホンダはペドロサと一緒に将来に向けての解決策を探ってくれている。ヘイデンも今年はひどく苦しんでいる。エリアスとメランドリはいくつかのサーキットではホンダの中で一番速かったが、あれはタイヤが良かったにすぎない。中野もいいライダーなのに同じようなトラブルに陥っている。」


■昨年のレース内容

以下に、2006年シーズンのレース内容を簡単に紹介する。

■序盤をリードしたのはカタルーニャで大怪我を負ったメランドリ
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レースの序盤、トップに立ったのはフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ。それをレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、リズラ・スズキのジョン・ホプキンスとクリス・バーミューレン、ホンダLCRのケーシー・ストーナー、チーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアが追う。

■ペドロサがトップに立ち逃げ切り体制に
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やがて先頭集団はメランドリ、ペドロサ、ホプキンス、ストーナーの4台に絞られ、レース中盤に入るとペドロサがメランドリを交わしてトップに立って逃げ切りの体制に入る。

■ホプキンスはタイヤトラブルで後退
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タイヤに問題を抱えたホプキンスが後退し、ペドロサの後方の第2集団はメランドリ、ストーナー、ロバーツ・ジュニア、12番グリッドからスタートしたキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシの4台。ロッシは前回のアッセンで右手首と左足首を骨折したばかりだ。
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■ロッシとメランドリの骨折コンビが熾烈な2位争いを展開

レースの後半、第2集団から抜け出したロッシとメランドリが周回ごとに順位を入れ替えるという2位争いの一騎打ちを見せた。
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■優勝はペドロサ、ロッシとメランドリも表彰台を獲得
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30周の走行を終えて最初にチェッカーを受けたのはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、2位はヘアピンから最終コーナーに向けてメランドリからインを奪い返したキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ、3位は惜しくもロッシに破れたフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリだった。
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■ドニントン・パークのコースレコード
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ドニントン・パークのサーキットレコードは2006年のレース中にダニ・ペドロサが記録した1分28秒714。ベストラップレコードは2006年の予選でダニ・ペドロサが記録した1分27秒676。


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