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2007年3月3日
パドックでは笑顔を絶やさない事でも有名な2006年度MotoGPチャンピオンのニッキー・ヘイデンは、最高峰クラスが800ccマシンとなって初となる2007年シーズンの開幕レースを今から楽しみにしている。
■開幕に向けて復調するディフェンディング・チャンピオン
年末の右肩の手術から復帰し、2月初旬のオーストラリアにおけるメーカー合同テストでは、ホンダの新型800ccマシンであるRC212Vの好調な仕上がりをアピールする事に成功したヘイデンだが、カタールでのIRTAテスト2日目の2月14日に2回の転倒を喫してからはマシンのセッティングに苦しみ、その後はタイムにも伸び悩んでいた。
しかしながら、MotoGPクラスの開幕に向けての最後のプレシーズンテストとなったスペインのヘレスで行われたIRTAテストにおいて、2月25日の最終日の公式タイムアタックトーナメントでヘイデンは4位を獲得し、開幕レースに向けてのマシンの仕上がりに問題がない事を再び証明している。
マシンにまだ改善作業は必要としながらも、ヘイデンはディフェンディング・チャンピオンとなって挑む2007年シーズンが楽しみで仕方ないといった様子だ。
■ニッキー・ヘイデン開幕直前インタビュー
ここでは、ヘレスでのIRTAテストを終え、後は開幕を迎えるのみとなったニッキー・ヘイデンに、レプソルYPFが行ったインタビューの全文を以下に紹介する。
●公式タイムアタックトーナメント(BMWアワード)の前に、スペインのファンに向かって挨拶してらっしゃいましたね。スペインの会社であるレプソルのチームに所属している事で、より多くの声援をスペインでは受けていると感じますか。
ここはすごいたくさんのファンが応援しに来ますからね。レプソル・ホンダはスペインのチームですから、有り難い事にスペインのファンも自分の頑張りを認めてくれていると思います。
スペインでは多くのレースが開催されますので、自分は常にベストを尽くしてみんなに応えるようにしています。みんなにもすごく良くしてもらってますしね。
●現世界チャンピオンとして、カタールの開幕戦にはどうやって登場する予定ですか。
まず到着したら「やあ!俺は最高だし全て完璧だぜ!(Hey! I’m great, everything’s perfect!)」と言いたいところですが、プレシーズン中には肩の手術の回復や新しいバイクの調整に苦しむ姿を見せてしまってますからね。
でも、今は開幕レースがすごく楽しみですよ。
●昨シーズン終了直後のバレンシアから今日(ヘレスIRTAテスト最終日)にかけての2007年プレシーズンは、簡単にまとめるとあなたにとってどんな感じでしたか。
シーズンが終わってからは、RC212Vをテストした後に肩の手術を受けたり、またテストに復帰したりと、色々目まぐるしく変わりましたね。800ccマシンに乗るのもどんどん面白くなってきました。
カタールの開幕レースではスタートのレッドシグナルが消えた後にどうなるか、本当に楽しみです。
●バイクの開発上のお話をうかがってもよろしいでしょうか。RC212Vを最初に試してから今日までにどのような進化が見られましたか。
根本的な部分は大きく変わっていませんが、すごい進化を遂げたのは事実です。今は以前と少し違う乗り方をしていますし、どう乗るべきかもだいぶ分かりました。レースが始まればさらにマシンへの理解は深まると思います。
●このプレシーズン中は厳しい部分を克服できたと考えていますか。特にカタールが大変でしたよね。
はい。カタールの時と比べてだいぶ調子は取り戻せました。辛い状況でしたが、常に楽な事なんてありませんからね。物事をやり通すのはどんな時でも大変ですから、前向きでいる事を忘れずに、戦い続けるしかないんです。
●お決まりの質問ですが、あなたとチームにとって最大のライバルは誰に・・・
全力で戦わないMotoGPライダーなんてどこにもいませんし、このクラスのパドックでの競争レベルはすごく高いんです。これは外から見てると分かりにくいんですが、関係者はものすごい勢いで仕事をしているんですよ。
ここまでのテストを振り返るとダニとバレンティーノが強そうですね。ただ、どの週末に誰が勝つかは誰にも分かりません。
●このシーズンの目標は、ナンバー1を維持する事でしょうか。
もちろんです。
今まではナンバー1を獲得するために自分の全勢力を注いできましたが、これを守り抜くのはもっと難しいでしょうね。ただ、今年は自分のバイクのナンバーにもなりましたし、これで走れるのはとても誇らしい事だと思いますから、今シーズンも全力を出し切って楽しみたいです。
オートバイのレースに出場していて努力が報われるなんてのは本当にラッキーな事だと思います。もっと何か悪い結果があってもおかしくない世界ですからね。
●昨シーズンが終わってから、ここまでにしっかりと休みを取る事はできていますか。関係者の多くは新シーズンがあっと言う間に始まり、2006年シーズンが終わったのは昨日の事のようだと感じているみたいですが・・・
それは大丈夫ですよ。レースはもうすぐですし、自分の準備はできています。
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