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開幕直前、F1合同テスト最後の3日間の内容と各チームの状況
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インテリワン編集部
  2008年3月6日

2008年F1グランプリ開幕に向けての最後のプレシーズン合同テストが、スペインのバルセロナに位置するカタルニア・サーキットにて2月25日から3日間の日程で行われた。
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ここでは、2008年プレシーズンにおける最後のバルセロナ合同テストの全走行結果と参加チームの3日間のテスト内容、ならびに3月16日に開催されるメルボルンでの開幕レースに向けてのドライバーやマシンの仕上がり状況を、各チーム関係者のコメントなどと共に紹介する。


■参加チームはスーパーアグリを除く10チーム

今回の2月25日から27日までの最終合同テストには、2008度F1グランプリへのフル参戦を表明している全11チームが当初は参加を予定していたが、前回の2月19日から4日間の日程で同じくバルセロナで行われた合同テストに引き続きスーパーアグリF1チームが今回のテストもキャンセルした事から、実際の参加チームは全10チームとなっている。
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■スーパーアグリSA08のデビューは開幕レースウイーク初日?

この結果、2回連続でプレシーズン合同テストをキャンセルする事になったスーパーアグリF1チームは、2月19日に公式発表を計画していた同チームの2008年型車両であるSA08のお披露目ならびにシェイクダウンの実施計画をついにプレシーズン中は全て延期し、3月14日のメルボルンにおける開幕レースウイーク初日のフリー・プラクティス1にて、初めてそのSA08を公開する事になりそうな雰囲気だ。

■年明け後は合計3日間しかテストできていないスーパーアグリ

なお、スーパーアグリの2008年度の正ドライバーとなる佐藤琢磨選手とアンソニー・デビッドソンの2名だが、2008年の年明け以降、佐藤選手は2月12日と13日の2日間、デビッドソンは2月14日の1日のみしかサーキットでのテスト走行を行う事ができていない。また、そのテスト当時に2名が使用していた車両は2007年型車両のSA07をベースとした暫定テスト車両であり、当然SA08での走行は1度も経験しておらず、このままいけば2名はオーストラリアでの開幕レースウイークにおいて初めて新型車両を経験する事になる。

■開幕戦に新型車両が間に合わないのはトロ・ロッソのみ?
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ちなみに、スーパーアグリのSA08が無事にオーストラリア開幕戦でのデビューを果たす事ができれば、2008年シーズンの序盤を2007年車両ベースの暫定カーで戦うのは、開幕戦からの何戦かはSTR2Bで戦い、その後の4戦目か5戦目あたりにSTR3を投入する計画をすでに発表しているトロ・ロッソの1チームのみとなる。


■ホンダは3日間の単独テストをさらにもう1回実施

多くのチームは今回の2月27日の合同テスト最終日をもって、プレシーズン中のサーキットでのテスト走行を全て終える事になるが、一部のチームはまだ開幕までに他のサーキットでの単独テストを別途実施する構えだ。
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開幕戦仕様の最新型エアロパーツなどが今回のバルセロナに間に合っていないホンダ・レーシングは、スペインのヘレス・サーキットにて3月4日から3日間の日程で単独テストを行い、新型パーツ類の最終テストを正ドライバーたちが担当する予定となっている。

■開幕戦に向けてのパーツ改良をぎりぎりまで続ける各ファクトリー

また、今回のバルセロナには新型シャシーを1セットしか持ち込めなかったトロ・ロッソは、もう1セットのシャシーのシェイクダウンをフェラーリのテスト専用コースとして知られるフィオラーノ・サーキットにて3月3日に実施し、さらにその3日後には、同じくフィオラーノ・サーキットにてフェラーリのテスト・ドライバーであるルカ・バドエルが、開幕戦で使用するフェラーリF2008のシェイクダウンを行う予定だ。
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その他にもボーダフォン・マクラーレン・チームが3月第1周目の序盤にスペインのメノルカ島にてストレート走行時の空力性能検証を最後のテストとして実施するなど、開幕戦に使用する最終パーツの個別テストと改良は、全チームの各ファクトリーにおいて、それぞれオーストラリアに入る直前まで続けられる。


■開幕前最後の合同テスト、良好な走行条件に恵まれた3日間

前回の2月19日から4日間のバルセロナでの合同テストが連日の悪天候に見舞われた事から、各チームは今回の3日間のバルセロナが晴天に恵まれる事を強く希望していた様子だが、その願いはほぼ叶う形となったようだ。

■ウェットは初日午前のみ、最良のコンディションは3日目の午前中
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初日の2月25日の午前中は前夜の大雨により路面はフルウェットに近い状態となっていたが、この日の正午近くまでに路面はほぼ乾き、午後は理想的とまではいかないにしてもテストには十分支障のないレベルのドライ・コンディションに恵まれている。

2日目は午前中の路面温度がやや低めだったものの終日良好なドライ路面が得られており、同じく終日ドライとなった翌日3日目の午前中は今回のテスト期間内における最も理想的な路面コンディションとなった事から、この最終日の午前中に3日間を通しての総合トップタイムも記録されている。


■首を痛めたクルサードが2日目の走行をキャンセル、ベッテルが代役に

前回のバルセロナ合同テスト初日の2月19日、ウェット路面を走行中に壁に衝突したデビッド・クルサードだが、今回の合同テスト初日の2月25日には首をひねった事が原因とされる神経の痛みを訴えており、1日目は25周のみで作業を中断している。
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また、翌日2日目の2月26日に入ってもクルサードの首周辺の神経の痛みが消えなかった事から、チームは大事を取ってクルサードに1日の休養を取らせる事を決定し、代わりにトロ・ロッソのセバスチャン・ベッテルをクルサードの代役として起用した。

■渡りに船のトロ・ロッソ

ちなみに今回トロ・ロッソはSTR2Bの新型シャシーが1セットしか間に合っておらず、1日に1名のドライバーしか走行ができない状態だった事から、レッドブルからの今回の申し入れはトロ・ロッソにとっては渡りに船といった状況だった様子だ。

こうして2日目は、当初は午後から半日の走行を予定していたセバスチャン・ボーデがトロ・ロッソのSTR2B02を朝から終日使用し、ベッテルはレッドブルのRB4に乗って110周回を走行している。

■クルサードは3日目には完治しテストに復帰

なお、クルサードは3日目には無事にテストに復帰する事ができており、体調の良好な回復具合を示すようにこの日の2番手タイムを記録した。


■3日間の総合タイムと順位

以下に、2月25日から27日までの3日間、カタルニア・サーキットにて行われたバルセロナ合同テストの総合順位を示す(タイムは各ドライバーの3日間を通しての自己ベスト)。
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1) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分20秒801
2) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒234
3) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分21秒258
4) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分21秒293
5) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒309
6) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分21秒368
7) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分21秒443
8) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分21秒454
9) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分21秒722
10) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分21秒796
11) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分22秒155
12) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒233
13) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分22秒286
14) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分22秒299
15) ミハエル・シューマッハ GER フェラーリ F2008 1分22秒428
16) セバスチャン・ボーデ FRA トロ・ロッソ STR2B 1分22秒457
17) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分22秒521
18) セバスチャン・ベッテル GER レッドブル RB4 1分22秒558
19) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分22秒624
20) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分22秒659
21) ビタントニオ・リウッツィ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒942
22) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分23秒159
23) クリスチャン・クリエン AUT BMWザウバー F1.08 1分23秒442
24) 小林可夢偉 JPN トヨタ TF108 1分23秒880
25) アレックス・ブルツ AUT ホンダ RA108 1分24秒154

■各1日単位の走行結果

以下に、2月25日から27日までの各1日単位の走行結果、ならびにそれぞれの気象条件を示す。

1日目(2月25日)気温11〜18度、路面温度11〜18度、午前ウェット(雨)、午後ドライ(曇)
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1) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分22秒276(78周)
2) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分22秒319(82周)
3) ミハエル・シューマッハ GER フェラーリ F2008 1分22秒428(83周)
4) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分22秒724(54周)
5) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分22秒852(71周)
6) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分22秒974(108周)
7) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分23秒021(79周)
8) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分23秒075(75周)
9) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分23秒091(59周)
10) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分23秒115(71周)
11) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR2B 1分23秒188(95周)
12) ビタントニオ・リウッツィ ITA フォース・インディア VJM01 1分23秒239(41周)
13) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分23秒270(70周)
14) クリスチャン・クリエン AUT BMWザウバー F1.08 1分23秒442(42周)
15) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分23秒609(86周)
16) 小林可夢偉 JPN トヨタ TF108 1分23秒880(29周)
17) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分24秒460(115周)
18) アレックス・ブルツ AUT ホンダ RA108 1分24秒667(109周)
19) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分24秒826(25周)

2日目(2月26日)気温14〜22度、路面温度15〜25度、午前ドライ(曇)、午後ドライ(晴)
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1) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒234(82周)
2) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒434(71周)
3) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分21秒722(72周)
4) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分22秒309(75周)
5) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分22秒513(102周)
6) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒516(102周)
7) セバスチャン・ベッテル GER レッドブル RB4 1分22秒558(110周)
8) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分22秒625(96周)
9) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分22秒659(66周)
10) ビタントニオ・リウッツィ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒942(89周)
11) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分22秒977(100周)
12) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分23秒023(97周)
13) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分23秒112(79周)
14) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分23秒159(73周)
15) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分23秒284(77周)
16) セバスチャン・ボーデ FRA トロ・ロッソ STR2B 1分23秒323(98周)
17) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分23秒458(58周)
18) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分23秒467(45周)
19) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分23秒551(80周)

3日目(2月27日)気温15〜23度、路面温度15〜25度、午前ドライ(晴)、午後ドライ(曇)
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1) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分20秒801(83周)
2) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分21秒258(76周)
3) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分21秒293(77周)
4) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒309(87周)
5) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分21秒368(81周)
6) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分21秒443(128周)
7) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分21秒454(114周)
8) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分21秒796(124周)
9) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分21秒933(80周)
10) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分22秒011(103周)
11) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分22秒155(65周)
12) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒233(102周)
13) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分22秒286(49周)
14) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分22秒299(93周)
15) セバスチャン・ボーデ FRA トロ・ロッソ STR2B 1分22秒457(98周)
16) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分22秒521(107周)
17) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分22秒624(61周)
18) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分23秒754(89周)
19) アレックス・ブルツ AUT ホンダ RA108 1分24秒154(109周)


■各チームの3日間のテスト内容とコメント

2008年シーズンの開幕を目前に控えたプレシーズン最後のテストとなったカタルニア・サーキットでの2月25日から3日間のテスト内容を、各チーム単位にドライバーや関係者の開幕レースに向けてのコメントなどと合わせて以下に紹介する。

■プレシーズン最後の合同テストをトップタイムで飾ったトヨタ
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2008年開幕に向けての最後の合同テストとなったカタルニア・サーキットで総合トップにつけたのは、3日目午前の予選シミュレーションで1分20秒801を記録したパナソニック・トヨタのヤルノ・トゥルーリだった。また、今年からトゥルーリのチームメイトとなったF1ルーキーのティモ・グロックは3日目に記録した1分22秒155が総合11番手、初日のやや難しい路面コンディションの中でのみ走行した第3ドライバーの小林可夢偉選手は1分23秒880の総合24番手だった。
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■初日は2日目からのエアロパーツ検証に向けてのマシンバランス改善に集中

今回のバルセロナに2台TF108を持ち込んだパナソニック・トヨタF1チームは1日目、この日は午前のウェット路面が午後に乾きかけるという不安定な走行条件のために有効なデータを収集する事は難しいと判断し、2日目から開始するエアロパーツの検証に向けての事前準備を主な作業内容としている。
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1日目は正ドライバーのティモ・グロックと、第3ドライバーの小林可夢偉選手の2名がテストを担当。グロックは自分の走りのスタイルに合ったマシンを仕上げるためにTF108の調整作業に終日集中し、一方、小林選手はタイヤとチームの走行距離を節約するために午前中はインストレーション・ラップの1周のみ行い、午後に路面が乾いてからはマシンのセッティングと重量配分の調整などマシン・バランスの改善に努めたという。

■2日目のロングランに満足するトゥルーリ、セッティングに苦戦するグロック

理想的なドライ路面が終日得られた合同テスト2日目、この日は正ドライバーのヤルノ・トゥルーリが小林選手から車を引き継ぎ、グロックとトゥルーリの2008年度正ドライバー2名が揃って新型エアロパーツの検証とブレーキ・システムのセッティング作業を実施している。
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この日のロングランを通して車から好感触が得られたとするトゥルーリは「車は現時点では1周のみのタイムアタックよりもロングランで性能を発揮するので、課題は予選に向けての調整を続ける事」とコメント、グロックは「終日をセッティング作業に費やしたが、改善された路面からグリップを最大限に引き出す事ができず今日は苦しんだので、今晩にデータを分析した上で最終日の作業に備えたい」と、最終日に向けての方針を語った。

また、2日目の作業内容についてトヨタのシャシー部門責任者を務めるパスカル・バセロンは「新しいエアロパッケージは確実に性能が上がっている事が分かった」と、この日のエアロパーツの性能検証の結果に満足できた様子だ。

■最終日の予選シミュレーション中でトゥルーリが総合トップに
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良好な路面コンディションに恵まれた合同テスト最終日、この日も2日目に引き続き正ドライバーの2名がテストを担当。チームの全員が一丸となってピットストップなどを含む開幕戦に向けてのレースウイーク・シミュレーションを実施する中、ヤルノ・トゥルーリは午前中に行った予選シミュレーションの中で、この3日間の総合トップタイムとなる1分20秒801を記録し、TF108がレースのロングランと予選のタイムアタックに向けての両面において、高い仕上がり状況に到達した事をアピールしている。

■トゥルーリ「テスト結果にすぎないが自信は持てる」
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プレシーズン最後の合同テストとなるバルセロナの最終日を総合トップタイムで飾ったヤルノ・トゥルーリは、「3日目も好調な1日を過ごし、車のセッティングへの理解がさらに深まった。テストにすぎない事は分かっていても、メカニックやスタッフの笑顔は嬉しいし、今日のラップタイムは非常に励みになる。まだ改善余地は大きく残っているが、この冬季シーズンを通してチームが頑張ってきた事を結果として示す事ができた。もちろん実際にメルボルンで走るまでは本当のところは分からないが、今シーズンにはかなりの自信が持てるし、去年より状態がいいのは間違いないから、チームのためにも非常に嬉しく思う」と、新シーズンに向けての期待感を示すコメントを残した。

■グロック「課題はハードタイヤ」
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2日目と3日目はマシンのセッティングに苦しんだというティモ・グロックは、「今日はフラストレーションのたまる1日だった。自分のドライビング・スタイルに合うセッティング方法が見つけられなかったし、それがタイムに表れている。初日の午前は調子が良かったのに今週は日を追うごとに調子が落ちてしまった。多分課題はハードタイヤにある筈なのでデータ分析を進めたい。今のところはオーストラリアに向けてあまりいい兆候は得られていないが、まだ改善を進める時間は数週間残っている」と述べ、初のF1フルシーズンに向けて残った課題と、開幕までの取り組みについて説明した。

■パスカル・バセロン「開幕に向けて特に問題なし」
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プレシーズン合同テストの最終日を終えたトヨタのシャシー部門責任者のパスカル・バセロンは、「先週は不安定な天候に苦しんだので、この3日間はより多く走り込めた事が重要だったし、メルボルンに向けての準備は順調に進んだ。ヤルノは昨日のロングランで満足いく結果を示したが、今日は予選練習でも開幕レースに向けての高い仕上がりを見せてくれた。ティモについては予選練習の最初に不運なコースオフを喫して残念。それが今日の走行計画に悪い影響を与える事になってしまった。しかしながら、冬季テストを通して十分な走行距離を走り込む事はできているので、メルボルンには特に深刻な問題がない状態で向かう事ができる」とコメントしている。


■マクラーレンは2日目にハミルトンが総合2番手タイムを記録
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この3日間の総合2番手タイムを記録したのは、2日目に1分21秒234を記録したボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトンだった。マクラーレンは今回のテストの3日間を通して2008年度の正ドライバーであるルイス・ハミルトンとヘイキ・コバライネンの2名のみを投入しており、ハミルトンの新チームメイトとなったヘイキ・コバライネンは3日目に総合5番手タイムとなる1分21秒309を記録している。

■初日からピットストップ練習を繰り返し実施
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1日目にマクラーレン・チームは、路面が濡れていた午前はピットストップ練習に集中し、路面が乾いた午後からは2台のMP4-23の最新型パーツの検証とセッティングの最終調整を実施している。

■2日目は燃料系システムのトラブルを抱えて2台がコース上にストップ

2日目に入り、マクラーレンの2名のドライバーは午前には予選のシミュレーション、午後にはロングランに集中し、その中で初日に引き続きピットストップの練習も繰り返し行った。また、この日にチームは燃料の搭載量ごとに2台のマシンのセッティングを細かに調整するなど、開幕後のレースウイーク中を想定したきめ細かい作業およびデータ収集を実施している。
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なお、2台は2日目の午前中は燃料供給システム系の問題を抱えて揃ってコース上にストップするというアクシデントに見舞われているが、チームのガレージ内の作業により問題は解消し、その後も問題なくテストを継続する事ができたという。

■3日目はロングランに集中

最終日の3日目、この日もチームのクルー全員がピットストップ練習を繰り返し行う中、2名の正ドライバーは終日のロングランに集中。ハミルトンは2日目に記録した自己ベストを最終日には更新できなかったが、チームメイトのコバライネンはこの時に3日間の自己ベストを記録した。

■ウイットマーシュCEO「この勢いは開幕後も続く」

開幕前の最後の合同テストを終えて、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのCEOを務めるマーティン・ウイットマーシュは、ここまでのテストの感触と今後の開幕に向けての準備を以下の通り説明している。
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「冬季シーズン最後のテストは常に作業が多く大変だが、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスにとっても今回のバルセロナは大変に忙しい3日間だった」とウイットマーシュ。

「エンジニアリング・チームには多くの事が今回期待されたが、3日間を通して気象条件が良くなった事もあり、必要とされていた全ての作業を完了する事ができている。最終日は2日目とほぼ同じ路面コンディションに恵まれてロングランに集中した」

「今回のバルセロナにはテストチームとレースチームの両方が参加し、MP4-23に慣れるための最後の作業を行ったが、これにはレース・シミュレーション、予選、ならびにピットストップが含まれており、2008年シーズン開幕に向けての最後の調整を行う事ができた」

「チームの車両は3月6日の木曜日にオーストラリアに向けてマクラーレン・テクノロジー・センターを離れる事になるが、来週の序盤はスペインのメノルカ島でストレート走行時の空力特性に関する最後のテストを行う事になる」

「ここまでの21日間のテストと開発作業を通してわたしたちはおよそ1万4千275キロメートルもの距離を走行してきたが、サーキット、ならびにブリックスワースとシュトゥットガルトのそれぞれの拠点での仕事ぶりは素晴らしいものだった。この勢いはシーズン中もさらに続く事になるだろう」


■レッドブル、初日に首を痛めたクルサードが最終日には総合3番手
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開幕に向けて2008年型車両であるRB4の整備を続けたきたレッドブルは、今回のテスト3日目に正ドライバーのデビッド・クルサードがトゥルーリとハミルトンに次ぐ総合3番手タイムとなる1分21秒258を記録している。また、そのチームメイトのマークウェバーは同じく最終日の3日目に1分21秒368を記録して総合6番手につけた。

■1日目は新旧シャシーの比較検証とピットストップ演習を実施
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テスト初日、レッドブルの正ドライバーの2名はメカニカル系パーツのセッティングとブレーキの開発作業を中心的に行い、その中で開幕に向けてのピットストップ演習などを実施している。
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ウェバーはこの日の大半は前回までのテストで使用した旧型のシャシーで走行、夕方には最新型の改良型シャシーに切り替えてデータを収集しており作業は大きくはかどった様子だが、その一方で1週間前のバルセロナ合同テストで壁に衝突しているクルサードは、今回のテストでは首を痛めて25周回しか走行できていない。

■2日目は首を痛めたクルサードに代わりベッテルがテストを担当

2日目に入ってもクルサードの首の痛みが完治しなかった事から、チームはクルサードに終日静養の時間を与える事を決定し、この日はレッドブルのジュニア・チームとして位置づけられているトロ・ロッソのセバスチャン・ベッテルをテスト・ドライバーとして代役起用している。
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ちなみにトロ・ロッソは今回のバルセロナには新型シャシーを1セットしか持ち込めておらず、2日目は1台の車両をセバスチャン・ボーデとベッテルが交代しながら使用する予定だった事から、今回のレッドブルからの申し入れを非常に喜んで受け入れた様子だ。この日に最新型エアロパーツを検証したウェバーと共にレッドブルのテストを担当したベッテルは、初めて乗ったRB4で110周回を精力的に走行し、3日間の総合18番手となる1分22秒558を記録。

■ホーナー代表「ベッテルはRB4への素早い適応能力を見せた」

この日のクルサードのテスト欠場とベッテルの代役起用について、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは以下の通りコメントしている。

「残念ながらデビッドは首の神経に痛みを抱えており、シーズン開幕が近い事もあり今日は終日静養してもらう事にしたので、今回はセバスチャン・ベッテルを起用し、彼にはメルボルンに向けての重要な開発作業をいくつか担当してもらった。彼を提供してくれたトロ・ロッソには大変に感謝している。全てが順調に進んでおり、明日はデビットもテストに復帰できる予定」とホーナー代表。

「マークには今日もメルボルンに向けての新しい開発中のパーツを評価してもらったので、彼の主な作業はデータ収集になった。いくつか小さな問題が発生して時間にロスはあったが、オーストラリアの最初のレースに向けて価値ある情報を収集する事ができている」

「セバスチャンは素早くRB4に適応する能力を見せ、様々なセッティングを評価しながら110周もの周回数を記録するに至った」

■クルサードがテストに復帰した3日目に好タイムを記録
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3日目に入り首の神経の痛みが消え、最終日のテストに復帰したクルサードは、体調の回復状況をアピールするかのようにこの日の2番手、総合では3番手となる好タイムを記録し、プレシーズン合同テストの最終日に有終の美を飾る事ができた様子だ。クルサードは2日目にウェバーが試した最新エアロパーツをこの日に試し、ウェバーと共にメルボルンでの開幕に向けてのパッケージ全体の最終調整を行っている。
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■イアン・モーガン「やっと2007年シーズンを終えた気分」

レッドブルのテスト・チーフ・エンジニアを務めるイアン・モーガンは、開幕直前の最後の合同テストを終えて、「今回で全てのテストが終わり、次のテストはバーレーンGP終了後となる。ここまで休みなく走り続けてきたテストチームにとっては昨シーズンが今やっと終了したような気分。厳しい作業の成果として、2台の車両はオーストラリアを迎えるまでに多くの距離を走り込む事ができたが、これは信頼性の高さを示すものであり、その性能も期待のできるレベルに達している。あとはメルボルンで実際の仕上がりの高さを確認するだけ」と述べ、開幕レースに向けての期待感を示した。
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■ウィリアムズ、ロズベルグは4番手、初のフル参戦目前の中嶋選手は10番手

プレシーズン最後の合同テストを3日間通して担当したウィリアムズの正ドライバー2名のタイムシート上の総合順位は、3日目に1分21秒293を記録したニコ・ロズベルグは総合4番手、同じく3日目に自己ベストの1分21秒796を記録した中嶋一貴選手は総合10番手だった。
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■ロズベルグは初日の午後からレース・シミュレーションを開始

初日の午前中はウェットとなり、他のチームと同様に作業はあまりはかどらなかった様子のウィリアムズだが、路面が乾いた午後からはFW30のセッティング作業に本格的に着手しており、ロズベルグはエンジンのシステム・チェックから開始、夕方にはレース・シミュレーションを完了している。中嶋選手は1日目をセッティング作業に費やした。
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■中嶋選手は2日目午後にレース・シミュレーション

2日目の午後は中嶋選手がレース・シミュレーションを実施、ロズベルグは終日セッティング作業に集中しており、ウィリアムズのオーストラリアでの開幕レースに向けてのマシンの調整はこの日にほぼ整った様子だ。
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■最終日、開幕戦用エアロパッケージの性能検証を完了

最終日の3日目、開幕戦で使用するエアロパッケージの性能検証を行いながらのレース・シミュレーションを繰り返したウィリアムズは、FW30の全ての新型パーツ検証やシステムチェックを無事に終える事ができたという。
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■ロズベルグ「開幕戦でどこまでやれるか楽しみ」

テスト最終日の作業を終えたニコ・ロズベルグは「テストは非常にうまく進み多くの事を検証する事ができた。メルボルンで使用する新しいエアロパッケージも試したが、結果は非常に期待の持てるものだった。信頼性はとても高いし、自分たちは大きく前進できたと思う。エアロパーツの開発が進んだおかげで改善効果は大きかった。チームは冬季シーズンを通して素晴らしい仕事を見せてくれたので、頑張ってくれたテストチームに感謝の気持ちを伝えたい。また、トヨタも自分たちのために頑張り、トラクション・コントロールがなくなった後も制御面に優れたエンジンを提供してくれている。今はオーストラリアに行くのが楽しみで仕方がないし、きっと楽しめる筈だが、集団の中央付近に位置する事になりそうなので、自分たちがどこまでやれるか様子を見ていく必要はある」とコメント。
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■中嶋選手「プレシーズンが短く感じた」

また、自身初のF1フル参戦を数週間後に控えた中嶋一貴選手は、今回のテストを振り返り、「これで開幕前の全てのテストを終えたが、自分にとってはすごく短く感じた。今週のバルセロナのテストはすごく好調だった。初日の天候は理想的とはいかなかったが、予定通りにテストを進める事ができているし、レースの距離を2回も走り込めたのは自分にとってすごく貴重だった。シーズンに向けての準備はこれで整ったと思うし、今は実際にレースをするのが楽しみ。冬季シーズンを通して頑張り自分たちをここまでに仕上げてくれたチームの全員に感謝している。おかげで正しい方向性を持って確実に作業を進める事ができた」と、ここまでのテスト内容に満足するコメントを残した。
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■サム・マイケル「メルボルンでの結果を待つのみ」

ウィリアムズのテクニカル・ディレクターを務めるサム・マイケルは、開幕前のプレシーズン合同テストの予定を全て終えて、「非常に長期間だったが、効率的良く冬季の作業を終える事ができた。ニコと一貴は大変に頑張って最後の仕上げを行う事ができている。FW30のシステムチェックを一通り行い、最初のレースで使用する高性能パーツの検証も完了した。何度もレースシミュレーションを今回は行ったが、最初のレースを実際に走るまでは自分たちがどのくらいのレベルにあるのかを判断することはできない。いずれにしろ、FW30をここまでに仕上げたメンバーの多大なる努力に感謝の気持ちを伝えたい。メルボルンでどこまで戦えるか確認する事と、再びレースを始められるのが楽しみで仕方がない」とコメント。
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■もう少しマシンの性能を引き出したいINGルノーF1チーム

サーキットでのプレシーズン最後の3日間を通してR28の最終調整を進めたINGルノーF1チームの正ドライバー2名のタイムシート上の総合順位は、3日目に1分21秒443を記録したネルソン・ピケが総合7番手、同じく3日目に1分21秒454を記録したフェルナンド・アロンソはチームメイトに次ぐ総合8番手だった。
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■初日の午前はウェットタイヤでレース・シミュレーション

今回はテスト・チームだけではなくレース・チームの全メンバーも初日からバルセロナ入りしているルノーF1チームは、1日目はドライバーとエンジニアがレース用セッティングの調整を行う中、ピット・クルーたちは開幕レースウイーク中の作業手順を一通り演習している。
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2名のドライバーはウェット路面となった初日午前からウェットタイヤでレース・シミュレーションを開始し、路面が乾いた午後にはドライタイヤに交換して作業を継続。さらにはエンジニアたちが開幕戦での戦略を組み立てる事を目的にマシンがグリッドにつくまでの作業の流れも演習し、他にもピットストップを20回程度実施した。
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ドライバー2名の1日目の所感としては、アロンソはピットストップの練習が全て成功した事に満足し、ピケは乾きかけの路面に苦しみレース・シミュレーション中に全力走行ができなかった事を残念がっている。

■2日目は新型エアロパーツの検証など、マシン開発最終段階の作業を実施

朝から良好なドライ・コンディションとなった2日目、この日からチームはR28のさらなる性能改善を目的としたセッティング作業に取り組み、新型エアロパーツの性能検証やシャシーのセッティング調整に終日を費やした。

■アロンソ「性能をもう少し引き出したい」、ピケ「快適に走れるようになった」
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この中で新型エアロパーツや他の最新型パーツ類の検証を実施したフェルナンド・アロンソは「もう少し性能を上げられるようにしたいが、車の本来性能は高いのでそれを引き出す方法を見つけるだけ」とこの日の感想を述べ、また初日の夕方に引き続きマシンの調整作業を繰り返したネルソン・ピケは「ルーキーとして車に慣れる事も常に念頭に入れて作業を進めてきたが、だいぶ快適に走れるようになった」と2日目までのセッティング状況に満足するコメントを残している。
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■3日目は午後にロングランとピットストップ練習

2日目と同様に理想的な路面コンディションに恵まれた3日目、2名のドライバーは午前中に全てのセッティング作業を完了し、午後にはメカニックたちのピットストップ・演習を含むロングランを実施した。
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冬季シーズン中の予定のテストを全て終えたルノーF1チームは、今回の作業を通してR28の高い信頼性を再確認すると同時に開幕戦に向けての有益なデータを多く収集する事ができた様子だ。

■開幕1週間前にはメルボルンに入る2名のドライバー

2名のドライバーは今週末にはメルボルンに飛び、その後は大量のトレーニングをこなして体調を整え、時差ボケなどを解消した上で開幕レースウイークに挑む予定だとしている。また、現在チームの技術者はファクトリーに戻り、開幕前のR28の最後の開発作業に取り組んでいるという。
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■クリスチャン・シルク「これから多くのデータ分析作業」

INGルノーF1チームのチーフ・テスト・エンジニアを務めるクリスチャン・シルクは、今回の3日間のテスト内容と今後の方針について、「この3日間を通して多くの作業メニューを精力的にこなした。作業の大部分は予定通りに進み、メルボルンに向けての宿題を全て終える事ができた。今から最初のレースまでの期間中には、可能な限り車の調整を進め、ここまでに検証してきた全ての新型パーツをレースに向けての最終仕様に仕上げる予定。過去3回のテストは比較検証作業の繰り返しだったので、データを分析して理解を深めるための時間は十分になかったため、まだ多くの作業が残っているのは明白。従って、これからファクトリーが行うのは、ここまでのテスト期間中に発生した事象の解析をデータを用いて多角的に解析し、最初のレースに備える事」とコメントした。


■フェラーリ、初日はミハエル・シューマッハもマシンの最終調整に参加
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プレシーズン最後の合同テストの3日間を迎えたフェラーリF1チームは、初日はキミ・ライコネンとミハエル・シューマッハの2名、2日目と3日目の最終日はライコネンとフェリペ・マッサの正ドライバー2名をテストに起用している。この3名のドライバーの3日間の総合順位は、2日目に1分21秒722を記録したライコネンが総合9番手、3日目に1分22秒286を記録したマッサが総合13番手、悪条件となった初日にのみ走行したシューマッハが1分22秒428の総合15番手だった。
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■初日は開幕戦仕様のエアロパーツの検証

1週間前のバルセロナでは体調を崩して1周回も走る事ができなかったキミ・ライコネンだが、今回のプレシーズン最後のバルセロナ合同テストでは体調を回復しており、1日目はミハエル・シューマッハと共にF2008の信頼性検証とセッティング作業に集中しながら最新型エアロパーツのテストを実施している。
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■2日目は正ドライバー2名がレース・シミュレーションを実施

2日目はシューマッハに代わりフェリペ・マッサがライコネンと共にテストを実施し、正ドライバー2名はこの日に揃ってレース・シミュレーションを完了する中で、F2008の開幕に向けての作業のセッティング調整を行った。
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■3日目にマッサは搭載エンジンの寿命を使い切り早めにテストを終了

最終日の3日目、ライコネンとマッサの2名は前日までに試せなかったセッティング作業に取り組み、マッサは搭載エンジンの走行距離限界まで走り切ったところで早めに最終日の作業を終えている。ライコネンはこの日に再びレース・シミュレーションを実施し、レッドフラッグや小さなトラブルなどに連続走行を数回中断されたものの、予定の周回数を最後まで走り切った。
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■バドエルは3月6日に開幕用マシンをシェイクダウン

なお、フェラーリの正ドライバーはプレシーズン中の作業をこの日に全て終えているが、テスト・ドライバーのルカ・バドエルは3月6日にフェラーリの専用テストコースとして知られるフィオラーノ・サーキットにてオーストラリアの開幕戦で使用するF2008のシェイクダウンを実施する予定だ。
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■フォース・インディアは今回初めて2台のVJM01を投入

今回のバルセロナに初めてVJM01を2台持ち込んだフォース・インディアは、初日はテスト・ドライバーのビタントニオ・リウッツィと正ドライバーのエイドリアン・スーティルの2名、2日目はリウッツィと正ドライバーのジャンカルロ・フィジケラの2名、3日目はフィジケラとスーティルの正ドライバー2名が2008年シーズン開幕に向けての最後のテストを実施している。
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この3名のドライバーの3日間を総合しての順位は、3日目に1分22秒233を記録したフィジケラが12番手、同じく3日目に1分22秒521を記録したスーティルが17番手、2日目に1分22秒942を記録したリウッツィは総合21番手だった。

■初日は新型シャシーのシェイクダウンとバランス改善作業を実施
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初日のテストを担当したリウッツィとスーティルは、2008年シーズン開幕に向けての新型シャシーを搭載したVJM01のシェイクダウンを実施し、その中で新型エアロパーツの空力特性への理解を深めている。今回バルセロナに持ち込まれた車両は開幕戦で使用するフルパッケージと比較して約60%程度の完成度との事だが、2名のドライバーは初日のマシンの感触には満足し、様々なセッティングを終日試しながらマシンのバランス改善に取り組んだ様子だ。
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この日の午後にはリウッツィのマシンのエンジンが故障し、想定外のエンジン交換作業が発生して走行時間をロスしているが、リウッツィは車のバランス改善状態には満足できたとしている。また一方、スーティルはタイヤのオーバーヒートに苦しめられたが、1日目の作業内容には満足できている様子だ。

なお、初日のVJM01は2台が共にアンダーステアの課題を抱えていた様子だが、夕方までにチームが原因をつかんでおり、この日のうちに問題は解消しているという。

■2日目にはフィジケラが6番手タイムを記録「大満足」
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2日目の作業を担当したイタリア人デュオ、フィジケラとリウッツィの2名は、この日は主なセッティング作業を午前中に終えて、午後にはピットストップの練習を含む予選とレースのシミュレーションを実施している。
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ややマシンの問題が多かった初日とは異なり、この日は特にテクニカル面での大きな問題は発生していない様子だ。なお、フィジケラは午前の序盤にフロントタイヤがロックする問題に苦しんだが、すぐにチームは原因をつきとめてガレージでマシンに調整を加えており、その後フィジケラは順調にラップタイムを縮めて2日目の6番手タイムを記録している。「ダウンフォースがしっかり得られるマシンになり満足」とフィジケラ。

■リウッツィ「去年のマシンと比べて進歩は大きい」
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2日目に担当のテスト作業を全て終えたビタントニオ・リウッツィは、「トラブルの発生もなく多くの周回を走り込む事ができたので2日目はいいテストになった。初日にも感じた通り、車の調子はどんどん良くなってきている。去年の車に比べて進歩は大きいし、これからは微調整に取り組む事ができそう。ロングランとショートランをそれぞれ何回か繰り返し、レースシミュレーションと予選のシミュレーションを順調に終わらせる事ができたので満足。まだやるべき事はあるが、いい方向に進んでいるのは間違いない。エンジニアの仕事ぶりも素晴らしかった。自分とジャンカルロの両方にとって忙しい作業内容だったが、信頼性の面では一切問題がなく、高いレベルの走りを見せる事ができた」と述べ、今回から投入された新型マシンへの好感触を示した。

■3日目も予選とレースのシミュレーションを実施
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3日目最終日のテストを担当したフィジケラとスーティルの正ドライバー2名は、午前中にはセッティング作業と予選の練習を終え、午後にはレース・シミュレーションを実施しており、夕方までには3日間の予定の作業を全て無事に終える事ができた様子だ。チームはこのテスト後にはシルバーストーンの拠点に戻っており、2週間後の開幕に向けてのマシンの最終調整に取り組んでいる。
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■フィジケラ「車のバランスがすごくいい」

プレシーズン最後の3日間のテストを終えたジャンカルロ・フィジケラは、「今日もまた100周回以上も走り好調な1日になった。途中でレッドフラッグの提示はあったものの、順調にレースの距離を走り切る事ができた。とにかく満足できている。まず車のバランスがすごくいいし、タイムもすごく安定していた。他のドライバーたちとの差はもうほとんどなくなってきたし、この結果は大変な励みになる。チームは素晴らしい仕事ぶりだし、チーム内の今の雰囲気はとてもいいので本当に嬉しい」とコメント。
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■スーティル「メルボルンに向けて自信が持てた」

また、エイドリアン・スーティルは最終日の走行を終えて、「今日は多くの周回数を走り込み、ロングランを何回かとレース・シミュレーションができて嬉しかった。残念ながら長めのスティントはあまり好調とは言えず、正しいタイヤの空気圧を見つけるのに若干苦しんだ。次回ここに戻って来た時の気象条件は全く異なるものになるだろうが、いずれにしても今回最も重要だったのはフルレース周回を走り切れた事。午前の予選シミュレーションはうまくいったし、次回メルボルンで走る時もうまく走る自信が持てた」と、開幕レースウイークに向けての期待感を示した。
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■マイク・ガスコイン「メルボルンまでにもう一段階改善を進めたい」

フォース・インディアのチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるマイク・ガスコインは、プレシーズン・テストの最終日を終えて「前日までの2日間よりも少し問題が多く発生したが、テストの最終日をいい形で締めくくる事はできた。最終日の目標は2台の車にレースの距離を走行させる事だったが、レッドフラッグとジャンカルロの車の排気系トラブルにより走行の中断はあったものの、この目標は達成している。全体を通してのレースペースはとても良く、特にジャンカルロは常に高いレベルにあった。今回はついに大きな進歩を遂げる事ができたが、メルボルンまでにもう1段階改善を進めなければいけない事は分かっているので、まだチームの努力は今後も続く。これからファクトリーに戻って開幕レースに備えたい」と、新体制となって挑む2008年シーズンに向けての意気込みを示している。
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■BMWザウバー、ハイドフェルドは2日間連続のテクニカル・トラブル

今回のバルセロナ合同テストの3日間、F1.08の最終調整を行うBMWザウバーF1チームは、初日は正ドライバーのニック・ハイドフェルドとテスト・ドライバーのクリスチャン・クリエン、2日目と3日目の2日間はニック・ハイドフェルドとロバート・クビサの正ドライバー2名が開幕に向けての最後の合同テストを担当した。
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3名のドライバーの3日間を通してのタイムシート上の総合順位は、3日目に1分22秒299を記録したロバート・クビサが14番手、同じく3日目に1分22秒624を記録したニック・ハイドフェルドが19番手、初日のみ走行したクリスチャン・クリエンは1分23秒442の23番手だった。

■初日はウェットでの走行を避け正午近くから作業を開始

初日のテストを担当したハイドフェルドとクリエンは、午前中は路面が乾くまでガレージ内で待機し、正午近くになってからF1.08のセッティング作業に着手している。なお、クリエンはF1.08で走行するのは今回が初めてとなるため、この日は車に慣れる事を目的に基本的なセッティング作業とシステム・チェックに集中したようだ。
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午後に入ってからは2名は新型パーツの性能検証を行い、開幕に向けて多くのデータを収集する事ができたとしている。

■2日目はレースウイーク・シミュレーションを実施

2日目にはクビサがクリエンからF1.08を引き継く形でハイドフェルドとの作業に加わり、メカニカルパーツと最新型エアロパーツのセッティング作業を行う中、スタンダードECUまわりの調整を実施、その後はスタートの練習とピット・ストップ演習を含む予選とレースのシミュレーションを行っている。
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この日の午前中にハイドフェルドは警告ランプの点灯に気付いてコース上にストップしているが、チームのエンジニアは数分の作業でテクニカル・トラブルの原因を突き止めており、多くの時間をロスする事なく再びコースに復帰する事ができた様子だ。

■2日間連続で警告ランプに気付きストップしたハイドフェルド

テスト最終日の3日目、クビサとハイドフェルドの2名はこの日も前日までの作業に引き続き最新型エアロパーツの検証作業を進める中、開幕レースに向けてスタートとピットストップの練習を繰り返し、夕方までには3日間に予定していたF1.08の開発作業を全て終えている。

なお、ハイドフェルドは2日目と同じくこの日も警告ランプの点灯に気がついてコース上にストップしているが、この原因はセンサーがギアボックスの異常を検知してのものだったようだ。
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■ハイドフェルド「開幕が待ちきれない」、クビサ「車の潜在能力は高い」

プレシーズン最後のテストを終えたニック・ハイドフェルドは「F1.08はシェイクダウンの時からかなりの進歩を見せており、今は開幕レースが待ちきれない」と述べ、ロバート・クビサは「チームの全員が車を改善するために全力で作業を続けてきた。すでに仕上がりは高いレベルにあるが、まだこの車はさらなる可能性を秘めている」とコメントした。


■今回は新型シャシーが1台しか間に合わなかったトロ・ロッソ

今回の3日間のテストでは、トロ・ロッソは開幕に向けての新型シャシーを搭載したマシンであるSTR2B-02を1台しか用意できなかったため、2名の正ドライバーはこの1台のマシンを共有し、セバスチャン・ベッテルが初日と2日目の午前中、セバスチャン・ボーデが2日目午後と3日目のテストを担当する事になっていた。

■ベッテルは2日目にクルサードの代役としてレッドブルのテストを担当
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しかしながら、先に記した通り2日目には首を痛めたデビッド・クルサードの代役としてベッテルがレッドブルのテストを担当したため、実際には初日はベッテルの1名がSTR2B02で走行、2日目はボーデが朝からSTR2B02をベッテルから引き継いで終日走行しベッテルはレッドブルのRB4で終日走行、最終日の3日目はボーデの1名がSTR2B02で走行している。

この3日間を通してのトロ・ロッソの正ドライバー2名の総合順位は、3日目に1分22秒457を記録したセバスチャン・ボーデが総合16番手、2日目にレッドブルのRB4で1分22秒558を記録したベッテルが総合18番手だった。

■初日午前にウェットの中でベッテルがシェイクダウン、午後はマシントラブル

初日のテストを担当し、STR2B-02のシェイクダウンを実施したベッテルは、この日の午前中のウェット路面を最初はエクストリーム・ウェットタイヤで走行し、やや路面が乾きかけてからはスタンダード・ウェットタイヤに交換して作業を続けている。
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なお、午後に入りベッテルはドライ・タイヤでレース・シミュレーションを開始しているが、メカニカル・トラブルが発生したために途中で予定の作業を中断する事になってしまった。

■2日目と3日目はボーデが開発作業とレース・シミュレーションを担当
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2日目はベッテルが朝からレッドブルのテストを代役担当したため、この日はボーデが朝からSTR2Bに乗ってテスト作業を開始、マシンのメカニカル面での改善作業に終日取り組んでいる。
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最終日の3日目もボーデがテストを担当し、ギアボックスの制御システムの最終調整を行いながら午後にはレース・シミュレーションを完了、開幕に向けての予定の作業を全て終える事ができたとしている。

■3月3日には準備が整ったトロ・ロッソの開幕用マシン
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なお、今回間に合わなかったもう1台のSTR2B-02は、フェラーリの専用テストコースのフィオラーノ・サーキットにて3月3日にシェイクダウンが済まされており、開幕レースに投入するチームのマシンの準備はほぼ整った様子だ。


■最後の合同テストでは課題を解消できなかったホンダ

他の主要チームに比べてやや2008年型車両であるRA108の冬季テストへの投入が遅れたホンダ・レーシングF1チームは、今回の初日は正ドライバーのルーベンス・バリチェロとテスト・ドライバーのアレックス・ブルツの2名、2日目はジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロの正ドライバー2名、最終日の3日目はバトンとブルツの2名がテストを担当し、開幕に向けてマシン開発の遅れを取り戻すべく、忙しく開発作業を行った様子だ。
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3日間を通しての各ドライバーの総合順位は、2日目に1分22秒659を記録したジェンソンバトンが総合20番手、2日目に1分23秒159を記録したルーベンス・バリチェロは総合22番手、最終日の3日目に1分24秒154を記録したアレックス・ブルツは総合25番手だった。

■ホンダはさらに翌週も3日間のプライベートテストを実施

なお、トヨタは今回の合同テストを終えた後の翌週となる3月4日から3日間のプライベートテストをヘレスで実施しており、開幕戦に投入する新型パーツ類の最終調整を改めてそのテスト期間内に行う予定だとしている。

■ウェットの中でも精力的な走り込みを見せた初日

午前がウェットという不安定な路面コンディションとなった初日、バリチェロとブルツの2名は朝から濡れた路面の上でエクストリーム・ウェットタイヤとスタンダード・ウェットタイヤを使い分けて予選シミュレーションを実施し、路面が乾いた午後にはピットストップ練習を含むフルレース周回の走り込みを行っている。
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■2日目はエンジンまわりのトラブルによりレース・シミュレーションを中断

2日目はバトンとバリチェロの正ドライバー2名が予選とレースのシミュレーションを実施したが、2台のマシンがそれぞれに異なるマシントラブルを抱えた事から、2名は揃ってフルレース周回を走りきる事ができなかった。なお、チームのエンジニアは2台のトラブルの原因は突き止めており、この日の晩には問題解決に向けての作業に取り組んでいる。
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■バリチェロ「今はまだ性能面について何とも言い難い」

この2日目に今回のバルセロナでの担当作業を終えたルーベンス・バリチェロは「特に月曜日はレースの距離を走り込んだし、この2日間は走行距離を伸ばした。2日目は小さな問題をエンジンに抱える事になりレース・シミュレーションを中断する事になったが、この問題は簡単に解決できるレベルのもの。2日間は車の挙動がそれぞれに異なっており、車の性能に一貫性がないので、セッティングをもう少し煮詰めて完成させる必要がある。ただ、来週は新しいエアロパッケージを検証するので、性能面についての結論を述べるのはまだ時期尚早と言える」とのコメントを残し、翌週のプライベート・テストに向けての期待感を示した。

■最終日はレース・シミュレーションを無事に完了

最終日の3日目、この日の午前中にバトンとブルツの2名はセッティング調整に取り組み、主にハンドリングの改善作業を行っている。続いて2名は午後に入るとスタートやピットストップの練習を含むレース・シミュレーションを実施し、この時には2日目の時のような問題はなくフルレース周回を走り切る事ができた様子だ。

■バトン「まだ課題は解消できない。仕上げは翌週のヘレスで」

プレシーズン最後の合同テストを終え、開幕までに残り1回のプライベート・テストを行うのみとなったジェンソン・バトンは「今週の目標はレースウイーク中に必要とされる作業を一通り行う事だった。予選とレースのシミュレーションを行い、開幕に向けての仕上がり状態を確認した。改良版の最新型エアロと最新のメカニカルのパッケージが到着するのは来週のヘレスでの単独テストになるので、そこでの作業を通してメルボルンに向けて車を高いレベルに仕上げる事になる筈。ハンドリングの課題を解消するために多くの作業に取り組んできたが、まだ全体のペースとラップタイムは目標値に到達していない」とコメントし、現在抱えている課題の解決は翌週のヘレスでのプライベート・テスト次第との見解を示した。
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■ブルツ「エンジンの扱いやすさは向上している」

また、3日目の作業を終えたアレックス・ブルツは「月曜日にはフルレース周回を走る事ができた。さらにウェットで走る機会にも恵まれたので、エンジンの扱いやすさの改善を進める上で有益な1日となった。過去数回のテストを通して扱いやすさを向上させる事ができているので嬉しく思う。水曜日はセッティグの評価を集中的に行い、非常に興味深い情報を得てマシンへのさらなる理解を深めた。開幕に向けて役立つ有益なデータも収集できている」とコメント。

■スティーブ・クラーク「翌週のヘレスで全ての準備を完了させる」

ホンダのエンジニアリング責任者を務めるスティーブ・クラークは、今回のテスト内容と開幕に向けての方針について「今週のテストの目標は予選とレースの手順を全て行い、ドライバーとピットクルーたちに開幕レースに向けての準備をさせる事だった。レース周回を走りきり、短い時間内に数回のプラクティス・セッションも実施する事で、信頼性に関する課題の確認と車へのさらなる理解を、今回の作業を通して深める事を狙った。3日間を通してのレースシミュレーションは全てうまくいったし、月曜日と火曜日に行った予選の練習も順調だった。また、RA108が現在までに抱えているハンドリングの問題を解消するために、改良型サスペンションのセッティング評価も水曜日の午前中に行ったが、いくつか良い結果が得られている。来週は改良型エアロパッケージを全て揃えて3日間のテストをヘレスで行い、プレシーズン中の準備を全て完了させる予定」と説明した。

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