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トヨタがF1新体制を発表、新型車両の公開は1月10日 |
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2007年11月21日
パナソニック・トヨタ・レーシングが2008年度のF1正ドライバー体制を発表した。2007年シーズンを限りにチームを離れたラルフ・シューマッハの後任ドライバーは、ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンに続き今年のGP2シリーズ・チャンピオンに輝いたドイツ人ドライバーのティモ・グロックだ。
■トゥルーリのチームメイトはティモ・グロック
パナソニック・トヨタ・レーシングは11月19日、2008年度のヤルノ・トゥルーリのチーム・メイトとなる同F1チームの正ドライバーに、今年のGP2シリーズで5勝をマークして年間タイトルを獲得した25歳のドイツ人ドライバー、2007年シーズン中はBMWザウバーF1チームのテスト・ドライバーも務めていたティモ・グロックを起用する事を正式に発表した。
■多彩なレース経歴と実績を誇るグロック
ティモ・グロックは25歳という若さのドイツ人だが、過去にもジョーダン・チームから2004年F1シーズン中の4レースに出場した経験を持つなど、多彩なレース経歴を誇る実力派のドライバーだ。
1998年に15歳のグロックはカート・レースを開始し、2000年にはADACフォーミュラBMWジュニアカップに昇格。その参戦初年度にチャンピオンに輝き、翌年の2001年にはADACフォーミュラBMW選手権でも1年目にして年間タイトルを獲得している。2002年にはドイツF3選手権で年間ランキングの3位につけてルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
■F1初出場は2004年、デビュー戦は7位
その後、2003年のF3ユーロ・シリーズでの3勝と年間ランキング5位の好成績を残したグロックは、22歳となった2004年にF1のジョーダン・チームにテスト・ドライバーとして採用され、同年のF1カナダGPでは念願だったF1レースデビューも飾り7位に入賞、F1初レースにおいてポイントを獲得している。
2004年シーズン中は残りの3レースに出場した後、翌年の2005年には米国に渡ってチャンプカー・ワールド・シリーズに参戦し、最高位の2位を記録して年間ランキングは8位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた。
■今年のGP2シリーズ・チャンピオンを経てF1に復帰
チャンプカー・シリーズではその非凡な才能が注目されて後の活躍への期待を集めたが、F1への夢を捨てきれなかったというグロックはその後の2年間はBMWザウバーF1チームのテスト・ドライバーを務める傍らGP2シリーズに参戦。その2年目となる今年の2007年には、現ウィリアムズのニコ・ロズベルグと現マクラーレンのルイス・ハミルトンに続きGP2シリーズのチャンピオンに輝き、そのアグレッシブな走りと実力が評価されて今回トヨタF1チームに2008年度の正ドライバーとして抜擢されるにいたる。
■ヘレス冬季テスト参加についてトヨタがBMWザウバーと交渉中
なお、トヨタは年内最後のF1テストとなる12月4日からのヘレス冬季テストにティモ・グロックを参加させたい意向を示しているが、まだグロックはBMWザウバーとの年内の契約が残っている事から、現在この件についてトヨタはBMWザウバーと交渉中だという。
■山科忠代表「グロックはトヨタが求めるドライバー」
パナソニック・トヨタ・レーシングのチーム代表を務める山科忠氏は、今回のティモ・グロックとの契約締結に際し、2008年シーズンに向けての期待感と喜びのコメントを以下の通り表明している。
「ティモ・グロックがパナソニック・トヨタ・レーシングに2008年から参加する事が決定し、大変に嬉しく思います。ティモが私たちのチームの今後の発展にその実力を発揮してくれる事は間違いありませんし、多くの目標を達成する事になるでしょう」と山科代表。
「ティモはいくつかの異なるモータースポーツの分野で数々の素晴らしい経験を持つドライバーですし、大変に競争レベルの高いGP2シリーズでは勝利をもって以前からの評判をさらに高めていますから、すでにフォーミュラ・ワンの戦いに向けての準備もしっかり整っていると私たちは見ています」
「GP2シリーズではファイティング・スピリットとレース技術の高さを見せつけていましたから、彼がまさに私たちの求める人物である事を確信しています」
■グロック「F1への復帰を目指して頑張ってきた」
今回トヨタの正ドライバーとして2008年度F1シーズンへのフル参戦が決定した25歳のドイツ人ドライバーであるティモ・グロックは、2004年にF1を離れた後は、将来のF1への復帰を目標として必死に頑張ってきたと述べ、その実績がトヨタに評価される形で夢が叶い本当に嬉しいとコメントした。
「またフォーミュラ・ワンのレース・ドライバーになれるなんて最高の気分です。この新しいチャレンジを本当に心待ちにしていました。ここ数年間は今回の機会を得るために本当に頑張ってきましたので、パナソニック・トヨタ・レーシングが私を信じてくれた事は本当に光栄ですし、大変に嬉しく思います」
「このチームをサーキットで見ていて思いましたが、彼らと一緒なら次の飛躍を目指して頑張れる自信があります。自分は2004年以降はフォーミュラ・ワンのレースには出場していませんが、テストには多くの回数を定期的に参加してきましたから、感触を取り戻すのにそれほどの時間は必要ない筈です」
「ここまでに多くの異なる選手権に参加し、その中でレースができたのは自分のキャリアにとっては十分に幸運だったと言えますが、常に最終目標としてきたのはフォーミュラ・ワンに正ドライバーとしてフル参戦を果たす事でした。また、ここまでの経験が、ドライバーとしても人間としても、自分を以前よりも向上させた事は間違いありません」
「もちろん、GP2シリーズの元チャンピオンとしてフォーミュラ・ワンに戻れるのは大変に光栄な事ですし、同様の経歴を持つニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンのF1での素晴らしい活躍は、自分にとっても励みになります。来シーズンは自分も同じくらい強烈な印象を残していきたいですね」
「これでフォーミュラ・ワンでの活動に戻るという自分の目標を達成する事ができましたから、次の目標は自分自身とパナソニック・トヨタ・レーシングが2008年シーズンに活躍する事です」
■新型車両のTF108の発表は来年の1月10日
なお、新ドライバー体制を発表したパナソニック・トヨタ・レーシングは、2008年の新型車両であるTF108を、来年の1月10日にメディアに向けて初公開する事を明らかにしている。
この発表式典はチームの本拠地であるドイツのケルンで行われ、その場にはチームの首脳陣と共に、ヤルノ・トゥルーリと今回発表のあったティモ・グロックのレギュラー・ドライバー2名も参加する予定だ。
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