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2008年に向けてトラコンなしの冬季F1カタルニアテストが始動
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インテリワン編集部
  2007年11月15日

暫定となったキミ・ライコネンの2007年度チャンピオンの座に決着をつける国際控訴法廷の開廷を2日後に控えた11月13日、スペインのカタルニア・サーキットでは2008年に向けての3日間の冬季テストが第1日目を迎えている。


■テストの中心はワンメイク化されたECUのテスト

午前中はやや薄曇りとなったこの日には11のF1チームがバルセロナに集結し、2008年の新レギュレーションとして使用が義務付けられるFIA認定のエンジン・コントロール・ユニット(ECU)やニューパーツのいくつかを組み込んだ2007年型の各マシンを10名のレギュラー・ドライバーを含む20名のドライバーが試しながら、2008年型マシンの開発に反映する多くの情報を初日から収集する事ができたようだ。

■トラクション・コントロールは使用禁止

2008年のF1レギュレーションでは、今年までドライバーの走りをアシストしてきた電子制御システムの中核機能と言えるトラクション・コントロールの使用が禁止され、各メーカーが独自に開発を続けてきたECUを含む電子制御システムの代わりに、マクラーレンの設計をベースにし、FIAが標準システムとして定義した1種類のECUのみ、全てのチームのF1マシンに搭載する事が許可される。
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この標準ECUはマイクロソフトMES(MES:マクラーレン・エレクトロニクス・システムズ)社によるワンメイクとなり、各チームは同社から電子制御システムのコンポーネントを供給される形となるが、今回のテストでは全てのチームが2007年型車両にこのECUを組み込み、トラクション・コントロールが存在しない状態でのF1初走行を披露する形となった。

■一部チームは標準ECUの初調整に苦戦

なお、全チームにとってこのカタルニアテストの初日が標準ECUを組み込んでの初の本格的な走行となったため、一部のチームは初体験となるこのシステムを作動させる上での問題や信頼性の面での課題を抱えており、午前中には走行中にECUにまつわるトラブルを抱えた車両が数台発生した事からレッド・フラッグが何回か提示され、テストは数回中断している。


■ホンダF1チームの代表にロス・ブロウンが就任

このカタルニアでの冬季テスト開始前日の11月12日、ホンダF1チームは2008年シーズンのチームの全指揮権を握る人事に関する重大な発表を行った。
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ホンダF1チームはそのチームの代表に、かつてのベネトン・チームのテクニカルディレクターであり、ミハエル・シューマッハのフェラーリ移籍1年後となる1997年からの10年間に渡りフェラーリのテクニカル・ディレクターを務め、1999年からの6年間のコンストラクターズ・タイトルの立役者であるロス・ブロウンを迎える事を正式に発表している。

ホンダのロス・ブロウン体制が正式に始動するのは今月11月26日からとなるが、すでに来期のレギュラー・ドライバーの2名、ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロは、ロス・ブロウンがチーム代表に就任するのが待ちきれないといった様子だ。

■バトン「ホンダはこれからの数年間が面白くなりそう」

写真ロス・ブロウンのチーム代表就任の発表を受けて、ジェンソン・バトンは以下の通りコメントしている。ホンダF1チームの改革を進める上でブロウンは大きな役割を果たしてくれるだろうと、バトンはその期待感を示した。

「ここまでの数ヶ月間に自分たちが行ってきた改革は、今後に前進をしていく上でどうしても必要なものばかりでしたが、今回のロス・ブロウンのような人物を迎え入れるアイデアは大変に素晴らしいと思いますし、本当に嬉しいですね」とバトン。

「フォーミュラ・ワンの世界はたった1人の人物によって事態が大きく変わるような甘いものではありませんが、しかしながらロスの連続勝利の経験は自分たちにとって重要ですし、彼が大きな役割を果たす事は間違いありません」

「チームにとっては大きな起爆剤になる筈ですから、彼と働けるのが今から楽しみでなりません。これからのホンダの数年間はかなり面白い事になる筈ですよ」

■バリチェロ「並外れた決断力の持ち主がホンダに」

写真また、フェラーリ時代にはロス・ブロウンと共にF1を戦い、ブロウンを良く知るルーベンス・バリチェロは、ホンダに新しい風と意志決定力がもたらされる事に期待し、ホンダで再びブロウンと仕事ができる事を大変に楽しみにしている様子だ。

「ロスがチームに来ると聞いて本当に嬉しく思っています」とバリチェロ。

「彼は豊富な経験だけではなく、並外れた決断力をチームにもたらしてくれると思います。また、自分がチームに加わった時もそうでしたが、彼は初めて一緒に働くメンバーたちに新しい風を送り込む事が出来る人物です」

「ロスとまた一緒に働けるなんて大変に光栄な事ですし、2000年の自分の初勝利を含めて以前にも彼とは最高の思い出を共有してきました。また無線で彼の声が聴けるようになるのが楽しみですね!」


■ジャン・トッドは2007年シーズンを持ってチーム代表を退任

ホンダと同様に、フェラーリ・チームも大きな人事異動を発表している。
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今期までフェラーリ・チームの代表を務めたジャン・トッドは、2007年をもって現場を離れる事11月12日に正式に発表しており、2008年シーズンからは、2002年からフェラーリのスポーティング・ディレクターを務めていたステファノ・ドメニカリがその後任を務める事が決定している。


■カタルニアテスト初日の走行結果

以下に、午後には陽射しが注いだものの、午前はやや曇りがちの天候となり、気温は12度から19度、路面温度は12度から20度という低温の走行条件となった初日のカタルニアテストにおける全走行結果を各ドライバーの自己ベスト順に示す。
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1)ミハエル・シューマッハ GER フェラーリ 1分21秒922(64周)
2)ルカ・バドエル ITA フェラーリ 1分22秒129(76周)
3)ペドロ・デ・ラ・ロサ ESP マクラーレン・メルセデス 1分22秒687(63周)
4)ヘイキ・コバライネン FIN ルノー 1分22秒802(81周)
5)ロバート・クビサ POL BMWザウバー 1分22秒883 56周)
6)ゲイリー・パフェット GBR マクラーレン・メルセデス 1分23秒008(46周)
7)中嶋一貴 JPN ウィリアムズ 1分23秒187(66周)
8)デビッド・クルサード GBR レッドブル 1分23秒332(55周)
9)ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ 1分23秒624(46周)
10)ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー 1分23秒671(75周)
11)ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ 1分23秒847(58周)
12)フランク・モンタニー FRA トヨタ 1分23秒861 61周)
13)セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ 1分24秒048(77周)
14)アンドレアス・ツバー AUT スーパーアグリF1 1分24秒065(77周)
15)セバスチャン・ボーデ FRA トロ・ロッソ 1分24秒193(51周)
16)アンソニー・デビッドソン GBR スーパーアグリF1 1分24秒246(70周)
17)ジェームズ・ロシター GBR ホンダ 1分24秒480(69周)
18)カルン・チャンドック IND レッドブル 1分24秒896(39周)
19)ギード・ファン・デル・ガルデ NED フォース・インディア 1分25秒317(84周)
20)ロルダン・ロドリゲス ESP フォース・インディア 1分26秒973(87周)


ちなみに、カタルニアにおける2007年の公式ファーステスト・ラップはフェラーリのフェリペ・マッサが記録した1分22秒680。
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■トップタイムは現役復帰への意欲を示さないミハエル・シューマッハ

今回の2008年に向けての初の冬季テスト初日にトップタイムをマークしたのは、2006年を最後に現役F1ドライバーを引退したF1連続王者であるフェラーリのミハエル・シューマッハだった。シューマッハは2007年のフェリペ・マッサのファーステスト・ラップをこの日に0.758秒上回っている。
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■ミハエルはMotoGPのテストでも驚異的なタイム

なお、シューマッハは現役に復帰するような意志表示は相変わらず示していないが、彼は2輪ロードレースの最高峰であるMotoGPのバレンシア冬季テスト前日にもスペインに姿を現しており、今期のMotoGPタイトルを獲得したドゥカティーのマシンでバレンシア・サーキットを走行している。シューマッハは同じマシンで年間チャンピオンを獲得したケーシー・ストーナーのレースタイムから5秒落ちという驚異的なタイムをそこで記録して2輪ロードレース関係者を驚かせた。シューマッハがオートバイ愛好家である事は事実だが、4輪ドライバーがMotoGPマシンでここまでの好タイムを記録した事はかつて前例がない。


■総勢20名のうち初日のレギュラーは10名
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初日からテストに参加しているレギュラー・ドライバーは、ルノーはヘイキ・コバライネンの1名、ウィリアムズはニコ・ロズベルグと2008年から初のF1フル参戦を果たす中嶋一貴選手の2名、BMWザウバーはニック・ハイドフェルドとロバート・クビサの2名、レッドブルはデビッド・クルサードの1名、トヨタはヤルノ・トゥルーリの1名、トロ・ロッソはセバスチャン・ベッテルと2008年のフル参戦が決定しているセバスチャン・ボーデの2名、スーパーアグリはアンソニー・デビッドソンの1名。

フェラーリとマクラーレン、ならびにホンダとフォース・インディア(2007年のスパイカー)の4チームは、1日目にレギュラー・ドライバーの投入はなかった。

■トゥルーリはこの日に高熱

ちなみにこの日はトヨタのトゥルーリが大きく体調を崩しており、熱が高かった事から正午近くまで走行を見合わせている。


■初日のテストドライバーの顔ぶれ
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上記のレギュラー・ドライバー10名に混ざって初日の走行を終えたテストドライバーは、フェラーリがミハエル・シューマッハと2007年のテストドライバーであるルカ・バドエルの2名、マクラーレンはペドロ・デ・ラ・ロサとゲイリー・バフェットという2007年テストドライバーの2名、レッドブルは現GP2ドライバーであり、来期レッドブルのテスト・ドライバーとしてのポジションを狙うカルン・チャンドック(写真上)の1名、トヨタは2007年のテストドライバーであるフランク・モンターニの1名、ホンダは現GP2ドライバーのアンドレアス・ツバーと2007年にはスーパーアグリのテストドライバーを務めていたジェームズ・ロシター。

フォース・インディアは、2007年初頭にスーパーアグリとの契約を破棄する形でスパイカーとテストドライバー契約を結んだものの、結果的には今年のオーストラリアGP初日までにスーパーライセンスが発行されなかったギード・ファン・デル・ガルデと、現GP2ドライバーのロルダン・ロドリゲスの2名を初日には起用している。


■2日目以降はレギュラーのマッサとバトンも参加
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なお、2日目以降のテストには、フェラーリのフェリペ・マッサとホンダのジェンソン・バトンのレギュラー・ドライバー2名が加わる予定だ。

■リウッツィは2日目からフォース・インディアのテストに参加

レギュラー・ドライバー以外でも、ホンダとフォース・インディアが2日目以降のメンバーチェンジを発表している。
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ホンダはホンダ・ヤング・ドライバー育成プログラムに参加している現GP2ドライバーであり2006年のイギリスF3チャンピオンであるマイク・コンウェイと、2005年のイタリアF3000チャンピオンである現GP2ドライバーのルカ・フィリッピの2名、フォース・インディアは今年までトロ・ロッソのレギュラードライバーだったビタントニオ・リウッツィと、2006年前半はレッドブル・コスワースのレギュラー・ドライバーであり2007年はホンダの第3ドライバーを務めたクリスチャン・クリエンの2名を、それぞれ2日目以降のテストに加える予定だ。


■カタルニアテスト初日の各チームの概況
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以下に、初日のテスト内容を公式発表している各チームの概況やコメントなどを紹介する。

■トップはミハエル、フェラーリ勢がテスト初日のトップ2を独占

初日のテストのトップ2はフェラーリ勢が独占している。
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トップのミハエル・シューマッハと2番手のルカ・バドエル(写真上)の2名は、この日は2008年レギュレーションに沿った電子制御システムをF2007の車体に搭載し、来期に向けてのマシン開発作業に集中したとしている。

■マッサも2日目から参加

また、テスト2日目となるの11月14日からはレギュラー・ドライバーのフェリペ・マッサがテスト作業に加わり、シューマッハと共に来期マシンの開発に向けてのデータ収集に加わる予定だ。


■マクラーレンはMP4-22のトラクション・コントロールを排除

フェルナンド・アロンソを放出し、まだ来期のレギュラー・ドライバーが決定していないマクラーレン・チームはテストドライバー2名をこの日には投入しており、ペドロ・デ・ラ・ロサが3番手、ゲイリー・パフェットが6番手タイムを記録している。

マクラーレン・チームは、トラクション・コントロールを全て排除した今期のMP4-22でテスト走行を続けており、午前に数回提示されたレッド・フラッグのために作業を何回か中断されたものの、この日に予定していた作業は全て無事に終える事ができたようだ。


■ルノー、まずは標準ECUに慣れる事から開始
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初日にルノーはテストドライバーを起用せず、レギュラー・ドライバーのヘイキ・コバライネンの1名のみがテストを実施している。コバライネンのこの日のタイムシート上の順位は4番手だった。

コバライネンは2008年型の標準ECUを初めて搭載したR27-06を使用しており、トラクション・コントロールやその他のドライバー・アシスト機能をオフにした状態でのマシンの制御に慣れる事を目的に、この日は終日走り込んだとしている。

■コバライネン「初日から作業がはかどり満足」

路面温度の低い午前中にはマシンの車体のバランスセッティングを中心的に行い、午後には新しいECUの信頼性テストを目的としてロングランを繰り返したというコバライネンは、大きなトラブルが発生する事もなく、初日だけでも非常に有益な情報を多く収集できたと満足げだ。

「今日からここに走りに戻ってくれてすごく嬉しいです」とコバライネン。
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「ブラジル以降、何週間もサーキットを走っていませんから、今日は朝から早くマシンに乗りたくて我慢ができない状態でした」

「今日はアシスト機能の全てをオフにして走りましたが、かなり楽しかったですよ。再加速の時のマシンの挙動とか、それにタイヤの消耗なんかにもかなりの注意が必要になって面白かったですね」

「初日としてはいい仕事ができたと思います。セッティングの変更に対して車が素直な反応を示しましたから、これから木曜日までの間に改善は大きく進むと思います」

■テスト・チーフ・エンジニア:クリスチャン・シルク

ルノーのテストチームのチーフ・エンジニアを務めるクリスチャン・シルクは、トラブルがなく順調に進んだ初日のテストについて以下の通りコメントしている。

「今日は好調な1日でした。作業は順調でしたし、何より全員がサーキットに戻って来れた事を喜んでいますよ」とシルク。

「これから全力で作業を進めて、最高の状態で来シーズンを迎えられるようにするつもりですから、その初回のテストが順調だったのは励みになりますね」

「明日は今日の続きから作業を継続するつもりですが、木曜日までには飛躍的な進歩が得られるようにしたいと思っています」


■BMWザウバー、初日の作業内容に満足
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レギュラー・ドライバーのロバート・クビサとニック・ハイドフェルドの2名が揃ってテストに参加しているBMWザウバー・チームは、他のチームと同様に来期から採用される標準ECUを搭載したマシンを走らせている。クビサはこの日のタイムシート上の5番手、ハイドフェルドは10番手だった。

2名のドライバーはトラクション・コントロールのないマシンのドライビングに集中し、チームは標準ECUのセッティングとシステムのプログラミング作業に集中して1日を終えており、全員が非常に効率的に作業が進んだ事を満足できたとしている。


■トヨタは午後から本格的なテスト走行を開始
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トヨタはレギュラー・ドライバーのヤルノ・トゥルーリとテスト・ドライバーのフランク・モンタニーの2名で初日の走行テストを終えている。トゥルーリは初日のタイムシート上の9番手、モンタニーは12番手だった。

トゥルーリはこの日の午前中に体調をひどく崩しており、熱もあった事から朝は走行を見合わせ、他のドライバーが走行を開始してから数時間が過ぎた午前11時頃から本格的な走行を開始している。

また、モンタニーは体調も良く朝一番で走行を開始する予定だったが、今回初めて搭載した標準ECUまわりにトラブルが発生した事から調整に手間取り、モンタニーが本格的な走行を開始できるようになったのは体調不良のトゥルーリよりもさらに遅い午後のセッションに入ってからだった。

■トゥルーリ「順調だったのに最後のエンジントラブルが残念」
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この日は2008年型の車両に搭載予定のニューパーツの検証をいくつか行ったトゥルーリは、体調の悪さにもかかわらず1日目の予定のテストメニューを全てこなしている。なお、作業内容には満足しているトゥルーリだが、彼は夕方のセッション終盤にエンジントラブルに見舞われてコース上に停車する形で初日の作業を終えおり、その事だけが残念だった様子だ。

「また走りに戻ってこれた事を嬉しく思います。ただ、今日は体調が悪く熱もあったので、最高の状態で作業に復帰できたとは言えない1日でしたね」

「それでも自分のテストメニューは全てこなしました。2008年型車両の開発に向けてトラクション・コントロールをオフにして走ったり、いくつかの新しいパーツをテストする事ができています」

「1日を通して作業は順調に進んだ方だと思いますよ。最後にエンジントラブルに見舞われたのは残念でしたけどね。まだテストは2日間残っていますから、このまま頑張って作業を続けて、可能な限り多くの進展が得られるようにするつもりです」

■モンタニー「新しいECUへの理解は深まった」

写真また、午前はマシンの調整に時間を取られたものの、午後には新しいECUへの理解を深める事ができたというモンタニーは、2日目も初日の作業を継続し、さらに新しい電子制御システムの特性を学習したいとコメントした。

「今朝に想定通りの走り込みができなかったのは明白ですが、午後にはテストが開始できましたし、残りの時間を使って多くの事を学ぶ事が出来たと思います」とモンタニー。

「長期間の休息の後でしたから、また走行を再開できて嬉しいですね。今回はいくつか進展が得られていますし、新しいECUについての理解も深まりました」

「今回の自分の車には2008年用のパーツがいくつか装着されていますから、2007年仕様の車とはかなり違うものになっています。ただ、マシンのバランスが良かったので今日の作業の終わりがけにはとても満足する事ができました」

「明日は今日とほぼ同じテストメニューをこなし、さらに理解を深めていくつもりです」

■テスト・チーム・マネージャー:ゲルト・ファイファー

トヨタのテストチームのマネージャーを務めるゲルト・ファイファーは、初日は新型ECUの調整に時間を取られたが、その後の作業は効率良く進み、午後には多くのデータを収集する事ができたとコメントしている。

「今日は非常に効率的に作業を進める事ができました。作業内容自体は難しいものでしたけどね。2008年仕様の標準ECUとか、他にも来期に向けての新しいパーツをいくつか今回から組み込んでいます」とファイファー。

「今日はヤルノが体調を崩していましたが、午後の最後のエンジントラブルに見舞われるまでに彼は予定の作業を全てこなしてくれています」

「フランクの車は2008年型ECUを使いましたが、その作業に午前中は少し時間を取られてしまい、コースに車を戻すまでに手間取りました。いずれにしても彼は午後には多くの重要なデータを収集する事ができていますので、明日もそのまま作業を続ける予定です」


■ホンダの初日のテストに元スーパーアグリのロシター
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写真初日はアンドレアス・ツバー(写真左)とジェームズ・ロシターの2名をテスト・ドライバーとして起用したホンダF1チームは、シーズン中とは異なる白を基調としたテスト期間用の配色がなされたRA107に2008年仕様の電子制御システムを搭載し、多くのテスト走行を重ねる中でその特性や信頼性の検証を行ったようだ。ツバーはこの日のタイムシート上の14番手、ロシターは17番手だった。

2007年シーズン中はスーパーアグリのテスト・ドライバーを務めたロシターは、この日は午前から新しい電子制御システムのテストから開始し、何回か他のチームが引き起こしたレッド・フラッグに作業を中断されたものの、午後にはロングランをスムーズに終える事ができたとしている。

また、GP2ドライバーであるツバーは、ホンダのF1マシンと路面状況に慣れる事に午前の時間を費やし、午後には短いタイムアタックを行っている。

■ホンダは2日目に大きくメンバー・チェンジ

なお、2日目以降はレギュラー・ドライバーのジェンソン・バトンと、マイク・コンウェイとルカ・フィリップのGP2ドライバー2名がテストに参加し、初日のテスト内容を引き継ぐ模様だ。


■スーパーアグリはデビッドソンの1名のみ参加

スーパーアグリF1チームは、2008年のレギュラー・ドライバーであるアンソニー・デビッドソンの1名のみが今回のテスト初日に参加しており、同じく来期のレギュラー・ドライバーの佐藤琢磨選手は参加していない。

デビッドソンは2008年仕様の新型ECUを搭載したSA07-05Bで終日走行を行い、午前中にはECUをはじめとする電子制御システムの評価、午後には2008年車両の開発に向けてのデータ収集を行ったとしている。この日のデビッドソンのタイムシート上の順位は16番手だった。


■インディアナ・フォースは配色の異なるマシンにスパイカーのシャシー
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今年はスパイカーF1チームとして戦い、来期に向けて新しいチームに生まれ変わったフォース・インディアは、2007年シーズン中に使用したスパイカーF8-VIIのシャシーはそのままにボディーの配色だけ変更、2008年用の標準ECUを搭載して今回のテストに参加している。
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初日の走行を行ったテストドライバーの2名、ギード・ファン・デル・ガルデ(写真上)とロルダン・ロドリゲス(写真下)は、この日は電子制御システムの比較検証作業を行ったとしている。ファン・デル・ガルデのタイムシート上の順位は19番手、ロドリゲスの順位は20番手だった。
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