中嶋一貴選手の2008年F1フル参戦が正式決定   ２００７年１１月７日 AT&TウイリアムズF1チームは2008年シーズンのドライバー体制を発表し、中嶋一貴選手のF1フル参戦が正式に決定した事を伝えた。 ■中嶋選手が2008年シーズンよりウイリアムズからF1フル参戦 ウイリアムズの11月7日の発表によれば、同チームの来期のドライバー２名は、2007年シーズンに同チームで活躍したニコ・ロズベルグと、今期にはそのテストドライバーを務め、最終戦のブラジルでF1レースデビューを飾ったばかりの中嶋選手だ。 ■高い評価を受けた2007年度中の活動 中嶋選手は、2007年のF1グランプリシーズン中はウイリアムズのテスト・ドライバーとしてメルボルン、セパン、モントリオール、インディアナポリス、上海のレースウイーク初日のフリー・プラクティスに参加し、10月21日に行われた最終戦のブラジルでは、中国GP直後に引退を表明したアレクサンダー・ブルツの後任ドライバーとしてF1レース・デビューを飾って１０位の好成績を獲得している。ウイリアムズは最終戦での中嶋選手の走りを高く評価するコメントをレース後に発表していたが、今回はその走りが認められて、本人初となるF1フル参戦が2008年から実現する事になった。 ■父である悟氏の引退から16年を経て息子の一貴選手がF1フル参戦 1987年にロータス・ホンダで日本人初のF1フル参戦を果たし、1991年に現役を引退した名ドライバーである中嶋悟氏の長男としても有名な中嶋一貴選手は、GP2シリーズではルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、フォーミュラ・トヨタ・シリーズの年間タイトルを獲得した2003年からはTDP（トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム）に所属しており、それ以降は、全日本F3選手権、F3ユーロシリーズに参戦してきた。 ■ニコ・ロズベルグのマクレーレン入りの噂は消滅 なお、中嶋選手の来期のチームメイトとなるニコ・ロズベルグは以前から2008年シーズンに向けてのウイリアムズとの契約を交わしていたが、フェルナンド・アロンソを放出したマクラーレンがロズベルグをアロンソの後任として2008年のドライバーに迎える事を計画している噂がヨーロッパで大きく報じられた事などから、ロズベルグの動向も世界のメディアに注目されていた。しかしながら、今回ウイリアムズは発表の中で中嶋選手の起用に加えてロズベルグが来期のドライバーである事も正式に報じており、ロズベルグがマクラーレンに移籍するという情報は噂のまま終わる事になった。 ■フランク・ウイリアムズ「チームは惜しみない支援をカズキに」 2008年のチームラインナップ発表において、 AT&Tウイリアムズ代表のフランク・ウイリアムズは、次のように語っている。 「2007年に目覚ましい活躍を見せ、周囲から多くの高い評価を得たニコが、３年連続して私たちのチームでレースに参戦する事を今回発表できて大変に嬉しく思います」とフランンク・ウイリアムズ代表。 「また、ニコは昨年にチームが高く評価したカズキ（中嶋選手）をチームメイトとして迎える事になりますが、彼はフォーミュラ１レーサーに相応しい速さと将来性を兼ね備えたドライバーです。カズキの才能をさらに発展させる上で必要な支援を、来シーズンを通してチームは惜しみなく行っていく所存です」 ■中嶋選手「今年はこれ以上にない最高の１年！」 また、今年のウィリアムズでのテスト・ドライバー活動と、同チームからの最終戦でのF1レースデビューを経て、念願だったF1フル参戦を2008年シーズンから果たす事になった中嶋一貴選手は、その喜びを以下の通りコメントしている。 「今年は自分にとってこれ以上ないと言えるほどの最高の年になりました」と中嶋選手。 「３月にアルバート・パークでF1ドライバーとして走行できたのも素晴らしい経験でしたが、今回はAT&Tウイリアムズの正式レースドライバーとしての指名ですから、夢が叶い本当に嬉しく思います」 「TDP（トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム）を通じて支援してくれたトヨタと、自分を信じてくれたウイリアムズに心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。来シーズンを開始するまでにやらなければならない事がまだ山積みですが、必要な事は何でもこなして、トヨタとウイリアムズが正しい投資を行ったと思えるように頑張りたいと思っています」