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再び「暫定」となったライコネンのF1初タイトル
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インテリワン編集部
  2007年10月24日

2007年度F1グランプリの最終戦となったブラジルGPにおいて優勝を果たし、中国GPまでのポイントリーダーだったマクラーレンのルイス・ハミルトンと、ランキング2位につけていた前年度チャンピオンのフェルナンド・アロンソをポイント獲得数で逆転し、劇的な形でワールド・タイトルを獲得したフェラーリのキミ・ライコネンだが、ライコネンのこの年間勝利には再び「暫定」の文字がしばらく付く事になった。マクラーレンは23日、正式にFIAの国際控訴法廷に上訴した。


■二転三転するタイトルの行方

ブラジルGPでは優勝候補と言われたハミルトンが2回のミッション・トラブルに見舞われ、最終的にレースを7位で終えた事から、レースで勝利を決めたライコネンが僅か1ポイント差で年間タイトルを勝ち取った事になっていた。

■レース終了直後に暫定扱いとなったライコネンの初タイトル

しかしながら、ウィリアムズとBMWの2チームには燃料温度に関するレギュレーション違反の可能性がレース中に浮上しており、ウィリアムズのニコ・ロズベルグ(レース結果4位)、およびBMWのロバート・クビサ(レース結果5位)とニック・ハイドフェルド(レース結果6位)の順位が降格や取り消しになればハミルトンの順位が4位に昇格する可能性がある。仮にこの裁定が下された場合のワールド・チャンピオンはライコネンではなくハミルトンという事になるため、ライコネンの年間タイトルはレース終了直後には事実上決定しておらず、しばらく「暫定」の形で保留されていた。

■ブラジルGP当日中に正式タイトルとなった筈だが・・・

今回疑惑とされているのは、燃料温度を外気の温度から10度以内とするレギュレーションをBMWとウィリアムズの2チームが厳守しておらず、それぞれに外気よりも12度から14度、燃料温度が低かったという記録だ。これについてレース・スチュワードはウィリアムズとBMWの各チームマネージャーに対してレース当日の夕刻に個別の調査を行い、約7時間弱の審議を経て、ブラジルGP当日の現地午後10時35分に「証拠不十分」を理由にどちらのチームにも罰則を課さない決断を下しており、FIAもこれを同時刻に受理している。


■スチュワードの裁定を不服とし、マクラーレンが23日に上訴
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このスチュワードの裁定により、改めてライコネンの初タイトルは決定した筈だったのだが、その2日後の10月23日(火)、レース当日の予告通りマクラーレン・チームは、ブラジルGP当日のスチュワードの裁定への抗議として、英理事会(MSA)を通してFIAの国際控訴法廷に正式に上訴している。FIAはこの上訴を当日に受理しており、この瞬間、ライコネンの初タイトルは再び保留の状態になった。

■マクラーレン「不本意ではあるが」

マクラーレン側は、今回提出した訴状について「チームとしてはチャンピオンシップの勝利をサーキットで勝ち取りたいと考えているので、今回の問題はタイミング的にも非常に残念なものであると考えている」と前置きした上で、「しかしながら、今回の裁定にあるようにチームに問題がなくとも違反が認められた場合には、本来のルールに適合するか否かを、正しく検証する必要性を感じている」と述べ、ルールに沿った裁定が今回なされたかについて追求する姿勢を示している。

またマクラーレンは「当然この件はBMWやウィリアムズの健全性を問うものではない。両チームが今回の出来事から何の利益もレースで得ていない事は明白であり、原因はその日のチームの操作ミスなどから発生したものだと私たちは認識している」として、違反に該当する2チームの過失を問う事を目的とした上訴ではない事を強調し、最後に「今回の件はFIAが違反の有無を決定するべき事態だと私たちは感じている。また、チームはその裁定に至る全ての過程、およびその最終決定がいかなる内容となっても、その全てを受け入れたい」と締めくくっている。


■タイトルの確定はしばらく保留に
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現段階において、FIAは本件に関する国際控訴法廷の開廷時期や判決期日についてのアナウンスを行ってはいないが、近日中に最終的なタイトルの行方がはっきりする事だけは間違いないだろう。

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