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第4戦フランスGP、雨に邪魔された初日 |
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2009年5月16日
MotoGP第4戦となるフランスGPが、5月15日(金)にフランスのルマン・サーキットにて初日を迎えている。今年に入ってから、MotoGPクラスの初日と2日目のフリー走行と、2日目の予選の各セッションは、昨年までと比べて15分短い45分間となっていたが、前戦のスペインGP実施期間中に、今回のフランスGP以降はMotoGPクラスのフリー走行と予選の各セッションを60分間に戻す事が決定した。
迎えたフランスGP初日の金曜日、前日の夜に降り続いた雨は止んだものの、13度という低い気温と強風に見舞われた。この理想的とは言えない気象条件の中で行われた午後のフリー走行では、残り26分の所で小雨が降り始めてセッションは一時中断。雨は15分後に一旦止み、コース上に戻るライダーも見られたが、その後強い雨が再び降り始める事となった。最終的にセッションは予定時刻より早めに切り上げられ、セッション時間が60分間に戻った事を喜んでいた各ライダーにとっては、期待はずれの1日目となってしまった。ここでは、フランスGP初日のMotoGPクラスにおけるフリープラクティスの結果と、ワークスチームのライダーのコメントを紹介する。
■フランスGP、MotoGPクラスのフリープラクティス1走行結果
(写真上のドヴィツィオーゾが履いているタイヤ側面の白ラインはブリヂストンの固めと柔らかめの2種類のコンパウンドの内、柔らかい方のタイヤである事を示している)
以下に5月15日、気温13度、路面温度19度、湿度46%の条件下で行われたMotoGPクラスの結果を示す。
1) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒136
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分36秒194
3) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分36秒293
4) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分36秒301
5) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒476
6) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分36秒751
7) マルコ・メランドリ ITA ハヤテ・レーシング・チーム ZX-RR 1分37秒024
7) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分37秒024
9) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分37秒224
10) コーリン・エドワーズ USA モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分37秒269
11) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分37秒270
12) ジェームス・トーズランド GBR モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分37秒738
13) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分37秒800
14) セテ・ジベルナウ SPA グループ・フランシスコ・エルナンド デスモセディチ GP9 1分37秒875
15) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分38秒032
16) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分38秒323
17) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 1分38秒639
18) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分39秒116
ルマン・サーキットにおけるMotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は2008年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分34秒215、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2008年にダニ・ペドロサが記録した1分32秒647。
レプソル・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ「ここルマンにおいて正しい方向性でスタートできてうれしい。このサーキットは好きだし、今日はセッション序盤から速く走る事ができた。残念ながら中盤に雨が降り始めたので、全部で16周しか走れなかったけどね。おかげであまり多くのセッティングを試す事はできなったが、コーナー進入を改善する為に必要な情報は得られた」
「今日のラップタイムは全体的にそれほど速くないので、週末の指標にはならない。明日以降は2秒近くタイムが上がってくると思う。レースに関しては、ここでは何度も表彰台に上がっているので自分の期待は高いが、結果を考えるにはまだ早すぎる。さらに作業を進める必要があるし天気にも注意しないとね」
ドゥカティーのケーシー・ストーナー「セッション序盤はバイクはかなり走りにくかったが、おそらくリアタイヤに問題があったのだと思う。まだデータを分析していないので何とも言えないけどね。何回かバイクを乗り換えて、最終的に新しいタイヤを履いた最初とは別のマシンで走行する事にした。すぐに感触は良くなったが、タイヤに十分な熱が入らなかったのは、リアのセッティングが堅すぎて後ろに十分な重みがかからなかったせいだと思う。その後セッティングを変えてみたが、半周を走った所で雨が降り始めて"ゲームオーバー"となってしまった」
「今日はたった3周しかまともに走れなかったから、あまり良いセッションではなかった。明日はセッティングの為にドライの時間がもっとあればいいが、残念ながら天気予報ではそうはいかないみたいだね!」
レプソル・ホンダのダニ・ペドロサ「セッション後半は雨となってしまったが、ドライ路面で走る機会があって運がよかった。ここは前回のヘレスとは全く異なる種類のサーキットなので、今日はこのコース合わせたセッティング調整を始めたところ」
「体調はさらに良くなってきている。今では膝を前よりずっと曲げられるようになって、ほぼ完全な動作ができるようになった。まだ100%のトレーニングは無理なので、完璧なコンディションだとは言えないけどね。セッション後半はフルウェットではなかったから、ウェットタイヤを無駄にしない為にあまり走らないようにした。明日の天気がどうなるか様子を見たい」
リズラ・スズキのクリス・バーミューレン「ここルマンの初日はいいスタートが切れた。今日は、とても冷たくて湿度も高い難しい気象条件だった。最近オーストラリアに戻って慣れていた気候とは違うね!」
「ここでは本当に楽めている。過去にはいい成績を残しているので、今年も高い成績を狙いたい。今日のセッショはかなりうまくいったし、バイクの調子もガレージから出てすぐに良かった。ファクトリーから新しく入った電子系の事を2つ3つ試したが、うまく機能しているみたいだ」
「シャシーとサスペンションのセッティングを少し変更したので、あらゆる条件下でタイヤを試してみたかったが、雨のおかげで全部を試す時間はなくなってしまった。明日は引き続き作業を行えるようにドライになって欲しい」
フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ「ここではいつも天気に恵まれないね!今日のコンディションは簡単ではなかった。気温はとても冷たくて路面もあまりいい状態ではなかったし、その上雨のせいでセッション時間の全部を使えなかった。それでもドライの時に何周か走れたから少しは役に立ったけどね」
「走った周回全部に小さな問題を抱えていたが、最初に雨で中断した時にセッティングを変えてみて、その変更には自信があった。セッション終了までには数周走りたいと思っていたが、一度は止んだ雨がまた降り始めたので、実際にチェックする機会がなくなってしまった。雨で自分たちが速いのは分かっているがドライになって欲しい。問題は誰もルマンの天気を予測することができない事。5分おきに天候が変わるからね!」
フィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソ「今日は時間が必要だったのに雨が降って残念だが、これも対処しなければならない事。明日以降は雨が続かないことを祈っている。今日はドライで走行する時間があるにはあったが、路面状況があまり良くなくて自分はすごく遅かった。ブリヂストンタイヤを装着した時のバイクの状況を把握する為に、どのサーキットにおいても時間が必要なのに今日は本当に十分な時間がなかった。明日もこのまま作業を続けてタイムを上げたい」
リズラ・スズキのロリス・カピロッシ「状況を考えれば今日は悪くない一日だったし、全く違う2種類のセッティングを試す機会にも恵まれた。最初のセッティングは完璧ではなかったが、2番目のは明らかにずっと良くなった。その後さらに2箇所変更したが、雨が降って来たのでやろうと思っていたテストを全部はこなせなかった。明日と決勝当日は、両方ドライになるか、両方雨になって欲しい。片方ドライで片方雨は最悪だからね」
昨年はカワサキのアンソニー・ウエストのチーフ・メカニックを務め、また、セテ・ジベルナウのドゥカティー在籍時にも名メカニックとして彼の活躍を支えたファン・マルティネスを今回のフランスGPからチーフ・クルーに迎えたドゥカティーのニッキー・ヘイデン「今日は1時間あると思ったのに、天気は自分たちを45分間のままにさせておきたかったみたいだね!雨が降ったのは残念。作業はたくさんあったし、今回から新しい体制になって自分とファンはお互いをもっと知る必要があるのに、たった2回しかドライで走行できなかった。少しずつタイムは上がってきていたが、ちょうど2回目の走行の時に雨が降り始めた。降り続くのか止むのかよく分からない状況がしばらく続いたが、残念ながら自分たちが望む天候には戻らなかったので、柔らかい方のタイヤを試す予定だったのにその機会も無くなってしまった。ファンとの関係についてコメントするにはまだ早いが、彼が自分の仕事をよく分かっているのは明らかだし、これから様子を見ていきたい」
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