|
2009年4月26日
MotoGP第2戦日本GPが4月25日(土)に2日目を迎えている。この日は前日からの予報通り朝から雨となり、午前中にはウェットコンディションの中フリー走行2が実施された。その後、午後には予選が行われる予定だったが、昼頃から雨脚がさらに強くなり路面が水浸しになった事から走行が見合わされ、午後3時になって最終的に全クラスの予選セッションの中止が発表、第1戦カタールGPでのMotoGPクラスのレース延期に続き、2戦連続で雨に悩まされるグランプリとなった。
尚、今回の予選中止を受けて日曜日の決勝のグリッド順は、2日間のフリー走行の総合タイム順となる事が併せて発表されている。ここでは決勝に向けたグリッド順と一部のライダーのコメント等を紹介する。
■雨により全クラスの予選セッションが中止
冒頭でも述べた通り、朝から雨の降る気象状況となった日本GP2日目の土曜日には、午前中に全クラスのフリー走行2のセッション、続く午後には125ccクラス、MotoGPクラス、250ccクラスの順で予選セッションが実施される予定だった。
午前中の雨はそれほど強くなかった為、フリー走行2は全クラス予定通り実施された。ウェットコンディションの中、MotoGPクラスの各ライダーはブリヂストンの新型レインタイヤを試す機会に恵まれている。
その後雨脚はお昼に向けて次第に強まり、昼過ぎには路面に多くの水たまりができた事から、レース審議委員会は午後1時5分に予定されていた125ccの予選を、250ccクラスの予選終了後の午後4時5分に延期する事を発表、そのままMotoGPクラスの予選開始時刻である午後2時5分まで天候の回復を待つ事となった。しかし、その後も雨は降り続き路面の状況にも変化が無かった為、MotoGPクラスの予選についても午後3時まで見合わせるとの発表が再度なされ、さらに午後3時になって最終的には安全上の理由から全クラスの予選の中止が発表された。ちなみに今回の予選中止は2006年のマレーシアGP以来の事となる。
尚、日曜日の決勝に向けてのグリッド順については、2006年のマレーシアGPの時と同じく2日間のフリー走行の総合タイム順となる事が併せて発表されたが、今回の日本GPでは初日のFP1と2日目のFP2の2つのフリー走行セッションの内、FP2がウェットセッションとなった為、FP1のタイムがそのままグリッド順となっている。また、日曜日の朝のウォームアップは通常は各クラス共に20分のセッションとなるが、今回予選が中止となった事を考慮して125ccクラスと250ccクラスは10分間、MotoGPクラスは20分延長して実施される事も決まった。
■日本GP決勝に向けてのグリッド順
以下に日本GP決勝に向けてのグリッド順を記す(土曜日の午前中に行われたフリー走行2の結果はこちらを参照)。
1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分48秒545
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分48秒601
3) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分48秒965
4) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分49秒382
5) コーリン・エドワーズ USA モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分49秒697
6) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分49秒980
7) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分50秒030
8) マルコ・メランドリ ITA ハヤテ・レーシング・チーム ZX-RR 1分50秒123
9) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分50秒209
10) ジェームス・トーズランド GBR モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分50秒342
11) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分50秒391
12) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分50秒393
13) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 1分50秒404
14) セテ・ジベルナウ SPA グループ・フランシスコ・エルナンド デスモセディチ GP9 1分50秒538
15) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分50秒601
16) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分50秒669
17) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分51秒643
18) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分51秒929
ポールポジションとなったフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ「昨年もそうだったけど、ここ2戦はひどい雨に見舞われて本当についてない。1戦目のカタールはレースが延期、今回は予選が中止と今年は昨年にましてひどい。4月にもてぎでレースをするのはあまりいい考えとは思えないね!」
「ドライで45分間、ウェットで45分間のセッションのみでレースに臨む訳だから、おそらくこれまでで最も予測出来ないレースになりそうだが、昨日のセッションが良くてポールポジションになれた事はラッキーだった」
「もちろん明日はドライレースになって欲しいが、それよりも、とにかくハーフウェットにならない事を祈っている。完全ウェットか完全ドライのどちらかになって欲しいし、そうでなければレースはさらに難しくなると思う」
1列目2番グリッドのドゥカティーのケーシー・ストーナー「シーズン通してだって、走行不可能なセッションが1セッションでもあったら普通じゃないのに、シーズン最初の2レース共にこんな事が起きるなんて驚き。信じられないくらいの雨だった。これでもしフロントローでなかったら今頃は頭にきてただろうし、がっかりもしてただろうね。ドライでもウェットでもたった45分しか時間が無かったので、当然バイクにはもっと多くの改善の余地があるが、これは誰にとっても同じ状況。セッティングには自信があるのでウェットでもドライでも良いラップタイムを出せるはず。とにかく明日の朝はいつもより長めのウォームアップセッションがあって良かった。ドライコンディションになって欲しい」
1列目3晩グリッドのフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソ「フロントローになる事が分かってとてもうれしい。今日は残念だったが、ドライでもウェットでも自分は速いので明日のレースは大丈夫だと思う」
2列目4番グリッドのリズラ・スズキのクリス・バーミューレン「砂漠のカタールに引き続いて日本でも雨に見舞われて本当についてないと思うが、個人的には2列目4番グリッドからのスタートで満足。1列目獲得が常に目標ではあるが、今回はスタートを決めてレースの最初からトップ集団に上がるチャンスだと思う。バイクの調子は昨日のドライ条件で良かったし今朝のウェット条件でも悪くないので、天気がどちらでも楽しみ。もちろんドライの方がいいけどね」
2列目6番グリッドのリズラ・スズキのロリス・カピロッシ「昨日からセッティングとタイヤ選択の問題をいくつか抱えていたし、今日はそれを解決する機会が無かったのであまり満足しているとは言えない。ウェットでの調子は良かったが、ラップタイムを追いかけるような激しい攻めの走りはしなかった。今日の午後の路面状況は走行するにはあまりに悪かったし、走っていたら非常に危険な状況になり得たので中止となった事は良かったと思う」
3列目7番グリッドのレプソル・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ「今日がドライだったらいくつかの新しいパーツを試してもっと調子を上げれたと思うのに雨ではどうしようもない。7番グリッドからのスタートは理想的とは言えないしね。今朝のウェットセッションではマシンの感触はあまり良くなかったが、とにかくすべては明日の天候次第。今回はホンダのホームレースなのでチームとファンの為にも本当にいい結果を出したい」
4列目11番グリッドのレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ「確かにかなり奇妙な状況だと思う。特に前回のカタールの後だしね。午前中のウェットセッションでは自分のラップタイムが徐々に改善できたし、新しいレインタイヤの感触も良くなったのでいい学習の機会だったと思う」
「自分は11番グリッドからのスタートでライバル達はフロントローからのスタートなので、とにかくスタートを決めて多くのライダーを交わしてトップ集団近くまで順位を上げる必要がある。ドライのセッティングは完全ではないので明日のウォームアップで調整するつもり」
4列目12番グリッドのドゥカティーのニッキー・ヘイデン「2戦連続でこんな状況になるなんて、ファン、チーム、ライダーの誰にとっても残念な事。今朝はウェットで今のバイクに乗る初めての機会だった。これまではフルウェットで乗った事は無かったからね。セッションが進むにつれてタイムも着実に上がっていったしバイクの調整も進んだので、正直言えばウェットの予選を楽しみにしてた。ただ今日は雨の方が自分にはチャンスがあると思ったが、レースではどっちの気象条件が自分にとっていいのかは良くわからない。明日の予報はドライだし、今日こんな事になったからファンにとってはドライの方が報われるね」
「自分にとっては今の状況はついてない。特にここは今のバイクとタイヤで走る初めてのサーキットだから時間が必要。でもレースはもう明日なので、天気がどうであれ目標はスタートを決めてその後の状況を見たいと思う。明日のウォームアップが40分なのは良かった!」
5列目13番グリッドのスコット・レーシングの高橋裕紀選手「今回はMotoGPバイクに乗ってウェットでテストする初めての機会だったしデータも取れて良かった。セッションが2つだけになってしまったのは残念。このサーキットはよく知っているのでバイクを理解するまたとないチャンスだったのに。明日については雨でも晴れでも自分にとっては同じ。雨なら良い結果を出すチャンスは広がるが同時にリスクも高くなるし、晴れならさらに経験を積めるが現段階ではまだ不足しているから」
|