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豪雨のインディアナポリスGP、初日のトップはウエスト!
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  2008年9月13日

2008年シーズンMotoGP第14戦目となるインディアナポリスGPが、インディー500など米国4輪ロードレースの舞台として広く知られ、今回99年ぶりに2輪ロードレースが開催される事となった米国インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)にて初日のセッションを迎えている。
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ここでは、インディアナポリスGPの舞台となったIMSの歴史や特徴、ならびにテキサス州を北上中のハリケーンにより豪雨に見舞われた初日のMotoGPクラスのフリー・プラクティス総合順位や一部ライダーのコメントなどを合わせて紹介する。


■インディアナポリスGPスケジュール、プラクティスの時間を通常よりも拡張
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インディアナポリスGPの週末3日間のタイムテーブルは以下に示す通り。なお、今回のグランプリに使用されるIMSのオーバル内に新設された2輪ロードコースは、ほとんどのMotoGPライダーにとっては初の走行となるため、彼らのコースレイアウト学習を目的に、今週末はフリー・プラクティスの時間が通常よりも長めに取られており、MotoGPクラスは初日午前のFP1を30分間拡張、250ccクラスは初日午前のFP1を15分間拡張、125ccクラスは2日目午前のFP2を15分間拡張する。

9/12(金) 時差:-13時間
  08:30 - 09:15 125cc FP1
  09:30 - 11:00 MotoGP FP1  日本時間:22:30 - 24:00
  11:15 - 12:30 250cc FP1
  13:10 125cc QP1
  13:55 MotoGP FP2  日本時間:9/13 02:55
  15:10 250cc QP1

9/13(土) 時差:-13時間
  08:45 - 09:45 125cc FP2
  10:00 - 11:00 MotoGP FP3  日本時間:23:00 - 24:00
  11:15 - 12:15 250cc FP2
  13:10 125cc QP2
  13:55 MotoGP QP   日本時間:9/14 02:55
  15:10 250cc QP2

9/14(日) 時差:-13時間
  08:40 125cc WUP
  09:10 250cc WUP
  09:40 MotoGP WUP  日本時間:22:40
  12:00 125cc レース 日本時間:9/15 01:00
  13:15 250cc レース 日本時間:9/15 02:15
  15:00 MotoGP レース 日本時間:9/15 04:00

■レース周回数

インディアナポリスGPにおけるレースの周回数は、MotoGPクラスが28周回、250ccクラスは26周回、125ccクラスは23周回となる。


■オートバイレースは99年ぶりのインディアナポリス(IMS)について、
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今年に入り年間カレンダーから外れたトルコのイスタンブール・サーキットに代わり、インディー500など世界最大級の4輪レースが行われる事でも有名な米国のインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)が今年からMotoGPカレンダーに加わり、今週末にその歴史上初となる2輪ロードレース世界グランプリを迎えている。

IMSは1909年の開設初年度は2輪ロードレース用コースとして使用されていたが、その後は4輪モータースポーツのみのサーキットとして使用されるようになった事から、今週末のMotoGPはIMSにとってほぼ一世紀ぶりの2輪ロードレース選手権の開催となる。


■スペインとイタリアに続き年2回のMotoGP開催国となった米国、上昇するMotoGP人気
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ラグナ・セカに続き今回のIMSが年間カレンダーに加わった事で、MotoGP人気の極めて高いイタリアやスペインと同様に年に2回のMotoGP開催地となった米国だが、MotoGPの知名度と人気はここ数年上昇の兆しにあるという。
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■母国GPを迎える最高峰レギュラーは3名、AMAのスピーズも出場、観客は15万人?

MotoGP最高峰クラスにおける米国人レギュラー・ライダーの数も、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、TECH3ヤマハのコーリン・エドワーズ、カワサキのジョン・ホプキンスの3名と多い。
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それに加えてアメリカ国内選手権のAMAからはヨシムラ・スズキのベン・スピーズがリズラ・スズキから参加するなど、アメリカのロードレースファンにとって見応えと応援しがいのある今回のインディアナポリスGPの観客動員数は延べ15万人が見込まれている。
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■心配されのは上陸中のハリケーン

実家がIMSから車で2時間程度の距離に位置するニッキー・ヘイデンのインディー500でのデモ走行など、ここまでのプロモーション活動が功を奏してインディアナ州に住む多くの熱心な4輪ロードレースファンも高い興味を示している今回のインディアナポリスGPだけに、心配されるのは現在上陸中のハリケーンによる観客動員数への悪影響だ。現在テキサス州を北上中のハリケーンの影響から、週末の3日間を通して悪天候に見舞われる可能性が非常に高い。


■MotoGP専用コースの特徴

インディアナポリスが今年に入り完成させたコースは、インディー500マイル・レースなどでよく知られる有名なオーバルコースではなく、その内側にある昨年までF1が使用していたロードコースの前半区間を2輪ロードレースのMotoGP用に改修した新しいサーキットだ。
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■前半区間をオーバルコースと共有するため2種類のアスファルトが存在

反時計まわりとなる全長4,216メートルのMotoGPコースは、そのメインストレートと前半の一部区間を有名なオーバルコースと共有している。カワサキのテスト・ライダーであり、先のIMS事前テストに参加したオリビエ・ジャックによれば、今回改修したオーバル共有区間のアスファルトはグリップが悪く、F1が使用していたコースの後半区間はグリップが良くなっているようだ。なお、オーバルコースと2輪専用区間のつなぎ目は特に滑りやすく注意が必要だという。

■MotoGPマシンのパワーを扱いにくいタイトコーナーの数々

コーナーは全体的にタイトで低速、ストレートも最長644メートルと他の近代サーキットと比べて短い事から、ザクセンリンクやラグナ・セカと同様にMotoGPマシンの性能やパワーを最大限に使い切るのは難しく、タイトコーナーへのブレーキングと脱出加速性能が重要視されるサーキットと見て良いだろう。


■MotoGPレギュラーでは唯一走行経験を持つヘイデン「右足への負担は少ない」

ちなみに夏休み中に負った右足かかとの怪我が悪化して前回のサンマリノGP決勝レースをキャンセルしたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、今年のインディー500レースにおけるMotoGP開催のプロモーション・イベントとして、2007年型RC212Vを使用してIMSのMotoGPコースを走行した経験を持つMotoGPレギュラーの中では唯一のライダーだ。
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ヘイデンは今週末の母国GPに向けて「あんまり見かけのいいコースレイアウトじゃないが、オーバルの内側だからこれ以上の改善はあまり望めない。路面はすごいフラットだしね。サンマリノGPからまだあまり時間はたっていないが、左コーナーが多いので右足への負担は前回よりもかからない筈。体調を維持できるように願っているし、応援にかけつけてくれる地元ファンのためにもいい結果が残したい」と、IMSのコースレイアウトへの感想と、母国GPに向けての抱負を語っている。

ヘイデンが述べる通り、IMSのMotoGPコースはバンクの少ないフラットな路面と、16あるコーナーのうち10を占める左コーナーの多さも特徴の1つだという。また、大半のコーナーではバイクを最大限にまで倒し込む必要があり、深いリーンアングルのまま走行している時間も長いようだ。

■今回も正しいタイヤ選択が不可欠

IMSを走行するMotoGPマシンのセッティングに必要とされるのは、激しいブレーキングと脱出加速を可能とする安定性だ。また、区間により異なるアスファルトとグリップ特性、タイトコーナーでのタイヤエッジの多用など、今回のインディアナポリスGPでもタイヤ選びが勝敗を左右する多きな鍵となる事だけは間違いないだろう。


■インディアナポリスGP初日のフリープラクティス総合結果

テキサス州に上陸し北上中の大型ハリケーン「アイク」の影響から、2回のセッション(FP1/FP2)を通して時折の激しい雨に見舞われたインディアナポリスGP初日、午後には特に雨が激しくなったMotoGPクラスにおいて総合トップタイムを記録したのはカワサキのアンソニー・ウエストだった。
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以下に、インディアナポリスGP初日のMotoGPクラスにおけるフリー・プラクティス総合順位を示す。終日のウェット・セッションとなったこの日、午前のFP1開始時の気温は23度、路面温度は21度、湿度は95%、午後のFP2開始時の気温は23度、路面温度は22度、湿度は96%だった(各セッション個別の順位表はこちらを参照)。

1) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒034
2) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分53秒151
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分53秒190
4) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分53秒704
5) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒715
6) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分53秒771
7) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分53秒850
8) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分53秒931
9) ベン・スピーズ USA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分54秒297
10) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分54秒616
11) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分54秒795
12) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分55秒072
13) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分55秒074
14) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分55秒292
15) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分55秒731
16) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分56秒125
17) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分56秒271
18) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分56秒345
19) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分56秒782

■ドライ・コンディションにおける参考ラップタイム

なお、当然の事ながら新設コースであるためMotoGPの過去のコースレコードは存在しないが、参考までに7月1日から2日間の日程で行われたIMSでのMotoGP事前テストに参加した2名、ドゥカティー・ブリヂストン開発ライダーのニッコロ・カネパと、今回のインディアナポリスGPにも今年3回目のワイルドカード出場を果たすAMAヨシムラ・スズキのベン・スピーズの、ドライ・コンディションで行われたテスト中の自己ベストタイムを示すと、カネパは1分43秒0069、スピーズは1分43秒0912だった。


■各チームの概況とライダーのコメント
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MotoGPにとって史上初となるインディアナポリス・モーター・スピードウェイでのグランプリ初日の状況を、MotoGPクラスのファクトリー5チームとグレッシーニ・ホンダ・チームのライダーコメントなどから紹介する。


■豪雨の初日に好調のカワサキ、ウエストが総合トップタイム

チェコGPでの5位を除き不調続きの今シーズン、全てのライダーがレースを一度も経験していないインディアナポリスは本来の実力を示すチャンスだと期待を寄せていたカワサキのアンソニー・ウエストは、他のライダーが洪水状態となった路面に終始苦しむ中、小排気量時代から定評のあるウェットでの安定した走りを見せ、この日はその希望を叶える事に成功した様子だ。
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■ウエスト「オーストラリアの多くのサーキットと特性が似ている」

ウエストは各ライダーがコースレイアウトの学習を進めた午前のフリー・プラクティス1においてトップタイムの1分53秒034を記録、午後には雨が激しくなりダニ・ペドロサを除く全員が午前のタイムを更新できなかった事から、そのままこの日の総合タイムシートのトップに立ち続けた。なお、ウエストは午後のフリー・プラクティス2単独でもトップタイムを記録している。
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「今日はものすごい水の両で路面コンディションが何度も変わったが、ここでは最初からすごく楽に走れているので本当に嬉しい。ここは路面の性質にむらがある部分が地元オーストラリアの多くのサーキットに似ているし、自分のライディング・スタイルにも比較的に合わせやすかった。少し怖い瞬間もあったがバイクの調子はとてもいいので、明日もすごく自信がある。素早く走行ラインを把握する事もできたので、ここには期待が持てそう」とウエスト。

■初日総合5番手のホプキンス「今週は特別。明日はもっと調子が上がる」
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また、ラグナ・セカを怪我のために欠場した事から、実質的には今回のインディアナポリスが本人にとって今年初の母国GPとなったジョン・ホプキンスは、この日の総合5番手タイムとなる1分53秒715を午前中に記録している。

ブリヂストンと共に何種類かのリアタイヤを初日2回のセッションを通して試したホプキンスは「朝から大変なウェット・コンディションだったので、まずはこのサーキットの正しい走行ラインを学ぶ事に集中したが、アスファルトの仕上がりが違う部分があり、それぞれにライディング・スタイルを変更しなければいけないのが変な感じだった。今日は午前中に柔らかめのコンパウンドを試した時のラップタイムに満足している。午後には少し硬めのコンパウンドを試し、その後に元のソフトタイヤに戻そうとしたところで天候がさらに悪化してしまった。第1印象としてここのコースレイアウトは気に入ったが、雨がひどかったのでまだはっきりとは言えない」と初日の感想を述べると同時に、「今週はアメリカのファンに囲まれての特別なレースウイーク。今晩中に調整を進めれば、明日の予選ではさらに調子が上がる筈」と、2日目以降に向けての大きな自信を示した。


■ホンダ・グレッシーニ、来期契約を済ませたデ・アンジェリスが初日総合2番手
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ウエストに次ぐ初日のフリー・プラクティス総合2番手タイムの1分53秒151を記録したのは、今週に入りチームとの来期契約を済ませて勢いに乗るサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスだった。また、チームメイトの中野真矢選手は1分55秒074の初日総合13番手タイムを記録している。

■デ・アンジェリス「午後に有効なデータを収集するのは不可能だった」
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豪雨と滑りやすい路面に苦しんだ他の多くのライダーと同様に、午後には午前中のタイムを更新できなかったデ・アンジェリスは「午後は雨がひどく、セッティングに利用可能なデータを収集する事は不可能だった。午後に試した何本かのタイヤはあまり感触が良くなかったが、いずれにしてもそれを確認しておく事ができたのは良かった」と1日目の状況を説明している。

■中野選手「いいベースセッティングは見つかったので明日に期待」
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インディアナポリスGP初日はやや苦戦気味だった様子の中野選手は「自分にとってはかなり難しい1日目だった。午後は雨が激しすぎて危険だった事から、セッション終盤は走行する事ができず、時間が少し無駄になってしまった。ただ、バイクのベースセッティングにはいいものを見つけたので、明日は改善が進むと思う」とコメント。


■サーキットの安全性を疑問視するドゥカティー・ワークスの2名
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この日の午前中、フリー・プラクティス総合3番手タイムとなる1分53秒190を記録したケーシー・ストーナーはその直後、改修せれて新しくなった区間の滑りやすいアスファルト上で転倒している。

■ストーナー「このまま雨が降り続いたらレースは危険」

過去に骨折した左手首の骨が前回のミサノでのフリー・プラクティス中に突然剥離し、現在もその痛みを抱えるストーナーは、幸いその左手首に新たなダメージは受けなかったとするものの、性質の異なるアスファルトの存在やランオフエリアの短さ、さらにはその状況をさらに悪化させている水はけの悪さなど、サーキットの安全性に関わる問題点を以下の通りいくつか指摘している。
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「ここは新しい部分と古い部分のアスファルトが大きく異なり、古い部分のグリップはいいが、最近改修された方の路面は最低限のグリップすら得られない。水はけも悪いので、今回の雨が状況をさらに悪化させている」とストーナー。

「今日の午後のような雨が続く場合、レースで十分な安全性が確保できるか分からない。コースレイアウトに関しても数ヶ所に不安な部分があり、特に5コーナーはランオフエリアが短すぎる。今すぐに取れる対策はあまりないが、一番いいのはエア・クッションを設置する事だと思う」

「今日の午前中はそのグリップが乏しい区間で転倒してしまい、これが自分の手首に良くなかったのは確実だが、幸い深刻なダメージは一切なかった」

■メランドリ「アスファルトの種類がいくつもありすぎ」
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また、初日総合の14番手となったマルコ・メランドリも「このサーキットのデザインは気に入ったが、残念ながらアスファルトの性質が場所によって何種類もありすぎる。特に今日は雨のせいで新しい部分の路面が最悪だった。その他にも危険な部分がいくつかあり、1コーナーと5コーナー、それに6コーナーの壁が近すぎる」と述べており、チームメイトのストーナーと同様にサーキットの安全面に関する問題点をあげた。


■3名体制のリズラ・スズキ、順調なバーミューレンとスピーズ、初日は絶不調のカピロッシ

リズラ・スズキは今回のインディアナポリスGPにおいて、8月31日にアメリカで行われたAMAスーパーバイクのロード・アトランタ戦の勝利を収め、2008年の年間チャンピオンに輝いた地元アメリカのベン・スピーズをワイルドカードとして迎えている。なお、スピーズがリズラ・スズキからMotoGPに出場するのは今シーズン3度目だ。
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レギュラー2名にスピーズを加えたリズラ・スズキ3名のライダーの初日の総合順位とタイムは、クリス・バーミューレンが1分53秒771の総合6番手、ベン・スピーズが1分54秒297の総合9番手、ロリス・カピロッシが1分56秒345の総合18番手だった。

■バーミューレン「走行リズムをつかむのが難しかった」
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バーミューレンは、午前のFP1では6番手、雨脚が強まった午後のFP2では2番手につけている。初日トップとなったウエストと同様に雨天での走行を得意とするクリス・バーミューレンだが、ブリヂストンタイヤのウェットタイヤの性能には満足しながらも、難しい走行条件となった初日について「ここは素晴らしいサーキットだが、コース上の新しい部分の路面は古い部分とは全く異なっており、水のたまり具合も全然違うので、今日のようなウェットの状況では走行リズムをつかむのが難しかった」としている。

■カピロッシ「今シーズン最悪の一日」
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初日を総合18番手で終えたカピロッシは、午前のFP1では18番手、午後のFP2では最後尾となる19番手と終日バイクのセッティング調整が進まず苦しんだ模様だ。「今シーズン最悪の一日だった。一番の問題は路面状況の悪さだが、誰にとっても同じ条件なので、自分がうまくいかなかったにすぎない」と語るカピロッシだが、翌日の予選に向けては「くよくよせずに明日は改善に取り組む」としている。

■スピーズ「明日はもっと速く走れる!」
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地元でのワイルドカード参戦となったベン・スピーズは、午前のFP1では9番手、午後のFP2では5番手のタイムを記録した。悪天候のため午前と午後の両セッションを早めに切り上げたというスピーズは、「今日は両方のセッション共にうまくいった。コース上には一部水たまりができていて難しい箇所もあるが、まだ自分には余力があるので、明日も同じ路面状況ならもっと速く走れると思う!」と翌日の予選に向けて自信を見せている。


■走行後はサーキットに好印象を抱いたフィアット・ヤマハ勢
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インディアナポリスGP初日のフィアット・ヤマハ・チームの総合順位とタイムは、ミシュランタイヤを履くホルヘ・ロレンソが総合7番手の1分53秒850、ブリヂストンタイヤを履くバレンティーノ・ロッシが総合11番手の1分54秒795だった。

■ロレンソ「自分のライディング・スタイルに適しているので驚いた」
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最初はインディアナポリスの安全面に関してやや不安を感じていた様子のホルヘ・ロレンソだが、実際に初日の走行を終えてからロレンソは、予想以上にいいサーキットであり、かつ自身のライディング・スタイルに合う事が分かったと以下の通りコメントしている。

「ここは自分が思っていたほどに危険ではなく、想像以上にいいサーキットだった。レーシングラインにひどく接近している壁もいくつかあるが、全体的には見ればそれほど悪いコースじゃない」とロレンソ。
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「第1区間の新しいアスファルトはすごく滑りやすく、さらに水がたくさん溜まっていたので慎重かつ素直に走る必要はあったが、その他の部分のグリップは比較的に良かった。今週は前後タイヤのバランスをうまく見つける事が自分たちにとって最大の課題となりそう」

「サーキットの後半部分は流れが良く、自分のライディング・スタイルに合っているので驚いた。ここは誰にとっても新しいサーキットだし、天候が悪くとも全てのライダーにとって条件は同じなので、このままベストを尽くしていきたい」

■ロッシ「日曜日に観客が来られるよう天候の回復を祈るのみ」
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チームメイトのロレンソと同様に、バレンティーノ・ロッシも前日にサーキットを視察した時にはその安全性に不安を抱いたとしているが、この日に実際に走ってからはコースレイアウトについては想像以上の好印象を持ったとしている。

そのロッシが現在最も心配しているのは日曜日の天候だ。テキサス州を北上中のハリケーンの影響により、9月12日のメジャーリーグは6試合が悪天候のため中止となっている他、飛行機などの交通機関にも大きな影響が出ている。

「昨日は少し心配したが、実際に走行してみると思ったほど悪いサーキットではないようだし、予想以上に楽しんで走れた。また、リオに似た部分がいくつかあると思った」

「特に1コーナーと5コーナーに見られるいくつかの問題点はあるが、将来的には改善できる筈だし、現時点でも何とか大丈夫だと思う」
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「今回の最大の問題はアスファルトが場所により異なる事。あまりにも性質が違いすぎるし、新しい部分のアスファルトは水はけもあまり良くない。このまま天候が悪化するようなら状況はかなり難しくなる」

「ここに来られて素晴らしい気分だったし、午前の最初にガレージから出発した時にはやる気に満ちあふれていたので、この雨が本当に残念で仕方がない。日曜日には観客がここに来られるよう天気が回復する事を願うのみ!」

「自分たちはここで力を発揮できると思うし、ドライなら非常に速く走れる気がしているが、今の段階ではそれは望めそうもない雰囲気。いずれにしても調子はとてもいいし、バイクとタイやの両方が好調なので、明日もこのまま改善を続けられるように頑張りたい」


■レプソル・ホンダ、ホームGPを迎えたヘイデン、何もかも新しい挑戦のペドロサ

初日の2回のセッションを通して順位的に低迷したのはレプソル・ホンダ・チーム、特にシーズン途中の今回からタイヤをミシュランからブリヂストンにスイッチ、エンジンもスプリング・バルブからニューマチック・バルブに変更したばかりのダニ・ペドロサだ。
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右足かかとの痛みに苦しむニッキー・ヘイデンの初日のタイムは総合8番手タイムとなる1分53秒931、この日に初めて経験するブリヂストンのウェットタイヤと新マシンのレイン・セッティングを試行錯誤するダニ・ペドロサのタイムは、初日のタイムシート上の最後尾となる総合19番手の1分56秒782だった。

■ヘイデン「雨のために右足への負担は少し軽減」

実家のあるケンタッキー州に近いインディアナ州での待ちに待ったホームGP初日を、あいにくの悪天候とハリケーンと共に迎えたニッキー・ヘイデンは、この日もまだ夏休み中のスーパーモタードのレースイベント中に骨折した右のかかとの痛みに苦しんでいるが、雨のために若干かかとへの負担はドライの時に比べて減っているという。
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前日のプレス・カンファレンスにおいて、来期はホンダとは異なる別のチームに所属する事を明言しているヘイデンは、この日の午前中にはマシンからあまりいい感触が得られなかった事から午後にはセッティングの異なるセカンドバイクに乗り換え、2日目以降に向けての改善の方向性を探った様子だ。

「最高とは言えない1日目だったが、若干のデータは収集できたし、いくつかの事を学ぶ事はできた。問題はとにかく水の溢れ方がすごい事。特に第1区間は1コーナー、2コーナー、それと3コーナーという具合にどの部分も最悪。他には7コーナーと8コーナー、それと9コーナーもひどい」とヘイデン。

「また、午後は天候がさらにひどくなり早めに作業を終えたが、あの走行条件では何一つ学ぶ事はなかった」

「最初の区間の新しいアスファルトはものすごく滑りやすく、まるで氷の上を走っているようだったが、その一方で古い方のアスファルトは本当にグリップがいいので、これも大きな問題だと思う。コース全体のグリップレベルがあちこち異なっている」

「雨だとかかとへの負担は小さいので、何かあっても比較的楽に対処できる。明日になれば改善は進むと思うし、タイヤは大丈夫なので、何かハイドロプレーニングへの対策を見つけるのが今の大きな課題」

■ペドロサ「きつかったが面白い1日」
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順位的に見ればこの日は厳しい状況に見えるダニ・ペドロサだが、今回初めてブリヂストンのウェットタイヤを装着、ニューマチック・バルブ・エンジン搭載マシンに初めてウェット・セッティングを施し、初のインディアナポリスでの走行を経験したペドロサ本人は、この日の作業内容には深く満足している様子だ。

午後は激しい豪雨となり、誰1人として午前のタイムを更新できなくなる中、唯一ペドロサだけは午後に入りタイムを更新している事から見ても、ペドロサがゆっくりとだが着実に新マシンとブリヂストンタイヤへの理解を深めている事は間違いなさそうだ。
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「バイクとタイヤ、それにサーキットと全てが新しくきつかったが、面白い1日だった」とペドロサ。

「それにニューマチック・バルブ搭載マシンとブリヂストンタイヤでウェットを走るのも今日が初めてだったので午前中は焦らずに作業を行い、午後に入ってからタイムを更新する事になった」

「雨のせいで新しいバイクとタイヤに慣れるのは難しくなったが、まだ1日目という事を考えれば非常に満足できる内容だった。今後は各セッション毎に経験を増やし、自信をつけていく事が重要だと思うが、まだブリヂストンのレインタイヤの限界域は見えていない状態」

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