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スズキが現レギュラー2名と契約を更新 カピロッシ「スズキのライダーとして現役を終えたい」 |
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2008年9月6日
スズキが来期のMotoGPライダー体制を9月5日に正式発表した。スズキの2009年におけるファクトリー・ライダー体制も、今シーズンと同じくロリス・カピロッシ(35)とクリス・バーミューレン(26)の2名だ。
今回のスズキの公式発表により、昨年末にスズキに移籍したカピロッシは2年目、バーミューレンは4年目のスズキでの活動を2009年には迎える事が確定しており、フィアット・ヤマハとTECH3ヤマハの2チームと同様に、来期もライダー体制に変更のない事が判明した。
■スズキ1年目のシーズン中盤戦は怪我との戦いだったカピロッシ
スズキとの契約を更新し、来年もスズキからグランプリ最高峰クラスに出場する事が決定したイタリア人ライダーのロリス・カピロッシにとって、スズキ1年目となる今年の中盤戦は、相継ぐ怪我により本来の走りができない苦しい戦いだった。
今期のカピロッシは、カタルーニャGP決勝レース中の転倒により右の手のひらを骨折、その翌戦のイギリスGPのみ欠場して復帰したオランダGPでは、フリー・プレクティス中の転倒時に右前腕部がバイクの下敷きとなり、肉を深くえぐる大怪我を負っている。
■怪我の回復直後に今期初表彰台を獲得、晴れて来期のシートも確保
その後はシーズンが夏季休暇期間に突入するまで激しい右腕の痛みに苦しんだカピロッシだが、ピットガレージ内で定期的に傷口の消毒をしながらレースには不屈の精神で出場を続けており、腕の具合がほぼ回復した夏休み明けのチェコGPでは、ついに今年の念願だったスズキでの初表彰台を獲得する事に成功。今シーズンに取り組んできたスズキGSV-Rの開発の方向性と改善状況の良好さをアピールしたカピロッシは、晴れて今回の契約更新に至った。
■バーミューレンはスズキの4ストロークMotoGPにおける最も実績あるライダーに
今年は恩師であるバリー・シーンと同じ#7のバイクナンバーをつけ、スズキでの3年目のシーズンを戦っているオーストラリア人ライダーのクリス・バーミューレンは、スズキからのMotoGPデビューイヤーとなる2006年にはトルコGPで初のポールポジションと地元オーストラリアでの初表彰台を獲得、2年目の2007年には豪雨のルマンにおける驚異的な速さで初優勝を飾った他、3回の表彰台と1回のポールポジションを含む3回の1列目スタートを確保するなど、スズキ・ファクトリーにおける4ストロークMotoGPの歴史上、最も高い成績と実績を残すライダーに成長した。
■スズキのマシン開発の中心的役割を担い来年は4年目に突入
故バリー・シーンの勧めにより2000年にはオーストラリアを離れてイギリス国内選手権のSuperstockカテゴリとSupersportカテゴリを2年間経験、2003年にはWSSに活動の場を移して年間チャンピオンに輝き、2005年にはSBKのランキング2位を獲得、その翌年の2006年からチーム・スズキでのMotoGPフル参戦を開始したバーミューレンは、その約3年間MotoGPでの活動を経て現在はGSV-R開発の中心的な役割を担い、来年もスズキかMotoGPにフル参戦を果たす。
■カピロッシ「スズキのライダーとして現役を終えたい」
1990年にグランプリ・デビューを果たしてから29回の優勝を含む99回の表彰台と41回のポールポジションを獲得、先週の第13戦サンマリノGPではグランプリ史上最多出場回数となる277戦目を記録し、現在のMotoGP最高峰クラスのランキング9位につけるロリス・カピロッシは今回の契約発表の中で、レース経歴をスズキのライダーとして終えたいと以下の通り語っている。
「来シーズンもスズキに残る事ができて嬉しく思います。まだ短い期間ですが、このチームでの活動を本当に楽しんでいますからね。今日まで一緒に進歩を遂げてきましたから、また好成績が狙えるでしょう」とカピロッシ。
「今期は怪我のために今のところ完全に力を発揮できていないにもかかわらず、チーム上層部は自分への深い信頼を示してくれました。来期の自分を信じてくれた彼らの気持ちに報いられるよう、今からすぐに頑張らないといけませんね」
「ポール(デニング監督)とは楽しく仕事ができていますし、チームクルーの全員もここまでのシーズンを通して本当に素晴らしかったです。いかなる要求にも必ず対応してくれました。恐らくパドックの中で、最も必死になって仕事を進めてくれるのは彼らでしょう」
「いまだにMotoGPの世界では自分の仕事をやり遂げてはいませんし、スズキの中でも同様です。まだ表彰台やポールポジション、それにレースでの勝利を狙う気持ちで自分はいますが、このチームとならそれを達成できると信じています」
「自分はレース経歴をスズキで終えたいし、どうせならかっこよく決めたいですよね!」
■バーミューレン「他のオファーもあったがスズキに残りたい気持ちが常にあった」
今年の2008年シーズンはドイツGPとアメリカGPの2戦連続して3位表彰台を獲得、現時点のランキング6位につけるクリス・バーミューレンは、来期に向けては他にも複数のチームからオファーがあったとするものの、スズキに残留したい気持ちが常にあったと今回の発表の中で以下の通りコメントした。
「スズキ・チームに残る事ができてものすごく嬉しいです。自分がよく知り、深く尊敬しているファクトリーとチーム体制ですからね。ここまでの過去の3年間を通し、マシンおよび自分のライダーとしてのレベルは両方共に大きく進化しました」とバーミューレン。
「スズキは自分にとってグランプリ経歴最初のチームですし、ここでの3年間のうちにレースでの勝利も経験しました。表彰台にもたくさん乗りましたから、また一緒に活動を続けられる事が嬉しくてなりません」
「他のチームからもいくつかオファーをいただきましたが、もし全員が満足できるような契約条件さえ整うのならスズキにこのまま残りたいという気持ちが常にありました。今回それが幸運にも叶う事になりましたので、今からもっとレースでの勝利回数を増やし、スズキが世界タイトルを狙う上での力になれるよう頑張ります」
■ポール・デニング監督「2名の続投が決まり当然嬉しい!」
スズキのファクトリー・チームである現リズラ・スズキMotoGPのチーム監督を努めるポール・デニングは、来期もカピロッシとバーミューレンという今期と同じライダー体制が組める事を、以下の喜びのコメントと共に伝えている。
「2009年のライダー体制が合意に至り、ロリスとクリスの続投が最終決定した事を当然ながら大変に嬉しく思っています」とデニング監督。
「ロリスは経験豊かなライダーであり、そのノウハウとやる気はどんなチームにとっても貴重ですよ。何よりも、彼のレースにかける情熱と意欲は、まわりの人間にも伝染するところが素晴らしいですね。おまけに彼は本当にいいやつなんです!」
「彼は素早くこのチームに馴染みました。実際にはまだ1年も経過していませんが、もう何年間も一緒に仕事をしてきたように感じられる程です。彼は今でも最高の結果を狙う意欲に燃えていますから、スズキとしても今後の何ヶ月かと2009年シーズンを通し、彼がその目標に到達できるよう全力を尽くしていくつもりです」
「ロリスがGSV-Rの開発作業を通して与えてくれた情報は、わたしたちの今シーズンの活動に大きく貢献しています。またそれらが2009年シーズンにも、ロリスとクリスの両方がMotoGPのトップレベルのライダーたちと戦う上で、非常に役立つ事は間違いありません」
「クリスは現在、バイク開発の過程における中心的な部分を担っています。スズキのGSV-Rが進化を遂げたのと同様に、クリスも大きな進化を遂げてきました。彼は最高のプロ・スポーツ選手であるのと同時に過去のここでの3年間の活動を通して、スズキの4ストローク・グランプリの歴史上最も高い成績を収めたライダーに成長しました」
「それに私は、クリスはまだ本当の実力を見せるに至っていないと考えているんです。ファクトリーとチームの全員は、彼がスズキと共により大きく素晴らしい何かをつかむと信じていますから、また彼と一緒に戦える事を大変に嬉しく思っています」
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