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2008年1月16日
昨年に発表された2008年度MotoGPの暫定リストにある通り、今年はMotoGPでの活動3年目を迎えるリズラ・スズキのクリス・バーミューレンは、彼の恩師としても知られる1976年と1977年にスズキで世界グランプリ2連覇を達成した元500cc王者、2003年に亡くなった英国人ライダーであるバリー・シーンが愛用していたバイクナンバーである#7の使用権を手に入れて上機嫌だ。
■バリー・シーンの#7に憧れ続けたバーミューレン
バリー・シーンが晩年に移住したオーストラリア出身のライダーであり、現在25歳のクリス・バーミューレンは、母国とアジア選手権での活躍の後、早くから彼の才能に目を付けていたシーンのアドバイスを受けて2000年からヨーロッパに渡っているが、彼はティーンネイジャーだった当時からずっとシーンと同じ7番のバイクで戦う事を夢見ていたという。これはバーミューレンのSBK時代のバイクナンバーである#77を見ても簡単に想像がつく。
バーミューレンがMotoGPに初めて参戦した2006年には、当時TECH3ヤマハに所属していたジェームス・エリソンが#77を使用しており、#7はカルロス・チェカの近年の定番となっていた事から、彼はこの時に昨年まで使用する事になった#71を選択するに至ったが、チェカが昨年を限りにGPを離れてSBKのチームに移籍した事から、バーミューレンはMotoGP3年目にして念願の#7を手にする事になった。
■今年から堂々と使える#7
なお、古くからのGPの慣習では、2008年シーズンにケーシー・ストーナーが#1を使用するのもその一例だが、1シーズン前の年間ランキングを翌年のバイクナンバーとして申告するのが一般的だった時代もあるが、その慣習に従ったとしても昨年度ランキング6位のバーミューレンが#7の使用を申告する事に不自然さはなく、晴れて堂々と大好きなバリー・シーンの7番を使用できるようになった訳だ。
仮にこれに文句を言う人物が居るとすれば、その1名はランキング7位のライダーだが、これに該当するのは今年からリズラ・スズキの新チームメイトとなったロリス・カピロッシであり、#65の使用にこだわるカピロッシが#7の使用にクレームをつける筈もない。
もちろん、昨年度ランキング5位以内のライダーが#7の利用を希望すればバーミューレンの願いは叶わなかった訳だが、チャンピオンのストーナーは#1であり、2位のペドロサ(#26)、3位のロッシ(#46)、4位のホプキンス(#21)、5位のメランドリ(#33)はぞれぞれに好みの固定番号を持っているため、今回はそのような心配もなかった様子だ。
■チャンピオンナンバーの#1を拒絶したバリー・シーン
なお、2年前まではチャンピオンのバレンティーノ・ロッシが#1を使用せずに#46のまま走っていた事を古くからのGPファンの中には苦々しく思っていた方も少なからずいるようだが、チャンピオンになっても好みの固定ナンバーを変えなかったライダーの元祖と言えるのはバーミューレンの恩師であるバリー・シーンであり、当然その時のバイクナンバーは今年からバーミューレンが使用する#7だった。言うまでもなく、バレンティーノ・ロッシもバリー・シーンをヒーローとして崇めるMotoGPライダーの1人として知られている。
■玉田選手はSBKでは希望の三桁ナンバーに復帰
ちなみにこれは蛇足だが、昨年まで#6をバイクナンバーに使用していた玉田誠選手は、全日本時代に使用していた#100をMotoGPでも使用しようと試みたが、グランプリで認められているナンバーは二桁の#99までだった為にこの願いは叶わなかった。なお#100と言えば世界的には同ナンバーで2003年のSBKを勝利したニール・ホジソンが有名だが、現在ホジソンはSBKには参戦していないため、今年の玉田選手は移籍先のSBKカワサキでは#100に復帰する事ができている。
■バーミューレン「成績もバリー並にしたい!」
今シーズンからはそのデザインまで恩師であるバリー・シーンの影響を引き継ぐ「クロス・セブン」をスズキで使用する事になったクリス・バーミューレンは、その喜びを以下の通り語っている。
「2008年の自分のバイクに7番を確保できたなんて本当に嬉しいです」とバーミューレン。
「バリーは自分の経歴にとてつもなく大きな影響を与えた人物ですし、いつか彼の有名なナンバーをつけてスズキのマシンでレースをしたいとずっと思い続けていました。今はとにかく彼と同じような活躍を成し遂げられるように願うばかりですね!」
「数年前にイギリスのイベントで彼のかつてのバイクに乗ってデモ走行を行った時は本当に光栄でしたし、去年のフィリップ・アイランドでシーンのマシンと同じようなカラーリングを自分のバイクに施しただけでも嬉しかったのに、これからは7番を自分のマシンにつけて戦えるようになるなんて、本当に最高のプレゼントをもらった気分ですよ!」
「バリーが2度目の世界タイトルを獲得してからすでに30年が過ぎていますが、彼の軌跡をこれから自分がたどれるように全力で頑張りたいと思いますし、彼と同様にラッキー・ナンバーを7番にできるようにしたいです!」
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